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Trademark Appeal Case

「ISLE」称呼と役務の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2005−89022(T2005−89022/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4518247号商標(以下「本件商標」という。)は、「ISLE」の欧文字を標準文字で書してなり、第38類「インターネットを利用した電子計算機端末による通信,移動体電話による通信,テレックスによる通信,電話による通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,ファクシミリによる通信,無線呼び出し」を指定役務として、平成12年2月1日に登録出願、同13年11月2日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、「本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」と申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第42号証(枝番号を含む。)を提出した。

請求人は、平成5年12月14日「有限会社アイル」を設立、その後、株式会社に組織変更、平成15年5月1日「GMOホスティングアンドテクノロジーズ株式会社」へ商号変更した。

請求人は、平成5年の会社設立以来、「アイル」又は「iSLE」の名称を自己が提供する「インターネットを利用した電子計算機端末による通信」の役務標章として使用しており、平成15年5月1日「GMOホスティングアンドテクノロジーズ株式会社」へ商号変更された後も、「アイル」「isle」「Isle」「ISLE」及び「iSLE」の名称を商標(以下「請求人使用商標」という。)として使用している。

本件商標が出願された平成12年(2000年)2月当時、請求人使用商標は、請求人が提供する「インターネットを利用した電子計算機端末による通信」の役務の名称として、需要者の間に広く認識されていたものである。

さらに、本件商標と請求人使用商標とは、その外観、称呼及び観念において類似することは明らかである。なお、英文字の「isle」は、英語では島あるいは小島を意味する単語であり、「アイル」と発音される。

本件商標の指定役務は、上記したとおり「インターネットを利用した電子計算機端末による通信,移動体電話による通信,テレックスによる通信,電話による通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,ファクシミリによる通信,無線呼び出し」であるのに対して、請求人使用商標に係る役務は、「バーチャルホスト・サービス」、「レンタルサーバー」、「ウェブホスティングサービス」等の「インターネットを利用した電子計算機端末による通信」について、使用をしているものである。

してみれば、本件商標の指定役務と、請求人使用商標の使用役務とは、同一又は類似する役務といえる。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものであり、商標法第46条第1項第1号により無効とされるべきものである。

さらに、請求人は、平成17年5月27日付け審判事件弁駁書において、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当しない場合には、請求人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標であるから、同法第4条第1項第15号に該当する旨、主張している。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証を提出した。

(1)請求人の提出した甲第1号証の3、並びに甲第8号証の2などより確認出来るが、請求人が役務として利用している名称は「バーチャルホストサービス」とある。この「バーチャルホストサービス」は、請求人の登録商標である。

また、この事実より、1997年当時に、請求人は「商標登録の制度」を既に認知し利用していたのだから、仮に、請求人が、「アイル」の名称を商標として使用していたのならば、請求人の有する登録商標「バーチャルホストサービス」と同様に、「アイル」あるいは「ISLE」の名称も商標出願が行われたはずである。

したがって、請求人が、当時行っていた業の役務の名称は、「アイル」又は「ISLE」ではない事の何よりもの証拠である。

(2)請求人の提出した甲第1号証の3では、請求人の提供する役務は「レンタルサーバー」とある。

甲第8号証の2では、請求人の提供する役務は「レンタルサーバー」、並びに「ホスティングサービス」とある。

これらの事実より、請求人が行う役務は、指定役務第42類に属する役務であることは、明白である。

そして、本件商標の指定役務は、第38類に属する役務なので、本件商標の指定役務と請求人使用商標の使用役務とは、非類似である。

4 当審の判断

請求人提出に係る甲各号証によれば、請求人使用商標は、請求人の業務に係る役務「ホスティングサ−ビス」又は「レンタルサーバー」を表示するものとして、本件商標の登録出願時(平成12年2月1日)には、取引者・需要者の間に広く認識されていたと認められるものである。

請求人は、「会社創立以来『アイル』又は『ISLE』の名称を、自己が提供する『インターネットを利用した電子計算機端末による通信』の商標として使用しており、現商号に変更した後も使用している。」旨主張しているが、請求人の業務に係る役務は、上記したとおり「ホスティングサ−ビス」又は「レンタルサーバー」と認められるものである。

しかして、「ホスティング(hosting)」とは、「ウェブサイトの開設や電子メールの運用に必要なサーバーを貸し出すサ−ビス。『レンタルサーバー』とも。自前でサーバーを用意しなくとも独自ドメインや高機能なサ−ビスを利用することができる(カナ引きパソコン用語辞典・2003−’04年版・株式会社技術評論社発行)」サ−ビスである。

そうとすれば、上記の役務は、第42類「電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」に属する役務(類似群コード「42X11」)と認められるものであり、請求人主張の業務「インターネットを利用した電子計算機端末による通信」(類似群コード「38A01」)とは、非類似の役務と見るのが相当であるから、この点に関する請求人の主張は、採用することができない。

また、請求人提出に係る甲第1号証の3及び甲第8号証の2によれば、「バーチャルホストサ−ビス(レンタルサーバー)概要」の下に書されている「ドメイン名の取得・管理・手続き代行」以下のサ−ビスは、いずれも上記した「バーチャルホストサ−ビス(レンタルサーバー)」に付随するサ−ビスと見られるものである。

してみれば、請求人使用商標の周知性は認められるとしても、本件商標の指定役務と請求人使用商標の使用役務とは、上記したとおり、その役務の質、用途又は目的における関連性の程度並びにこの種役務の取引者及び共通性に照らしても、それと密接な関連性を有する役務とは見られないものであり、非類似の役務といわざるを得ない。

なお、請求人は、平成17年5月27日付け審判事件弁駁書において、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当しない場合には、同法第4条第1項第15号に該当する旨主張しているが、これは、請求の理由の要旨を変更するものであるから、商標法第56条第1項で準用する特許法第131条の2第1項の規定により認められない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項により、その登録を無効とすべきではない。

よって、結論のとおり審決する。

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