結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2005−30627(T2005−30627/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4377671号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成10年11月17日登録出願、第16類及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同12年4月21日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由として、「本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者により指定商品「遊戯用カード」について使用された事実が認められない。また、専用使用権者又は通常使用権者によっても使用された事実が認められない。したがって、本件商標は、その指定商品中「遊戯用カード」について、商標法第50条第1項の規定により、その登録は、取り消されるべきものである。」旨述べた。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、弁駁していない。
被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)被請求人は、本件商標は、本件審判請求の予告登録日前3年以内において日本国内で、被請求人によって、本件審判請求に係る「遊戯用カード」に属する商品について使用されたことを、以下のとおり答弁する。
(2)本件商品
被請求人は、大日本トランプ株式会社(以下「大日本トランプ」と略称する。)に対し、本件商標を表示した「トランプ」(以下「本件商品」という。)5,000個の製作を注文し、平成16年6月18日に納品された(乙第2号証ないし乙第3号証)。納品書では、大日本トランプによって、本件商品が「ザ ミステリートランプ」と呼ばれ、特定されている(乙第3号証の1)。
本件商品は、「トランプ」であるが、これは、本審判請求の対象商品である「遊戯用カード」に属する商品であることは、明らかである。
(3)本件商品の譲渡
本件商品は、被請求人によって、被請求人が配信する映画等を放映する各地のケーブルテレビ局やデジタル衛星放送局、及びその視聴者に譲渡された。
(ア)本件商品のケーブルテレビ局への譲渡の例
平成16年7月14日に、船橋ケーブルネットワーク株式会社に対して、5個譲渡し、平成16年7月27日に、株式会社秋田ケーブルテレビに対して、5個譲渡し、平成16年10月5日に、仙台CATV株式会社に対して、1個譲渡し、平成16年11月4日に、守口・門真ケーブルテレビ株式会社に対して、3個譲渡し、平成16年11月18日に、いちかわケーブルネットワーク株式会社に対して、5個譲渡し、平成16年11月30日に、中讃ケーブルビジョン株式会社に対して、3個譲渡し、平成16年12月1日に、熊谷ケーブルテレビ株式会社に対して、10個譲渡し、平成17年1月17日に、豊中・池田ケーブルネット株式会社に対して、1個譲渡し、平成17年1月17日に、日本海ケーブルネットワーク株式会社に対して、20個譲渡し、平成17年2月22日に、株式会社ベイ・コミュニケーションズに対して、1個譲渡し、平成17年4月20日に、徳島中央テレビ株式会社に対して、3個譲渡した。証拠方法として、被請求人の「トランプ管理表」の写し(乙第4号証の1)及び運送会社の伝票の写し(乙第4号証の2ないし12)を提出する。
そして、被請求人からこれらケーブルテレビ局に譲渡された本件商品は、さらに当該各テレビ局からその視聴者に譲渡された。
(イ)ケーブルテレビ局やデジタル衛星放送局は、自ら発行するチラシや公認する雑誌において、本件商品を譲渡する記事を掲載した。その例を次の(a)及び(b)に挙げる。
(a)平成17年5月に、株式会社メディアッティ東上(以下「メディアッティ東上」という。)は、クイズに応募した正解者の中から抽選で本件商品を譲渡する(応募先は、チラシ配布者の同社)旨を記載したチラシ(乙第5号証の1の1)を配布した。なお、メディアッティ東上が提供した本件商品の数は、30個であり、この点に関し、被請求人がメディアッティ東上に本件商品30個を譲渡した伝票の写し(乙第5号証の1の2)を提出する。
そして、本件商品は、メディアッティ東上から当選者に譲渡された。
(b)株式会社スカイパーフェクト・コミュニケーションズが公認している雑誌「スカイパーフェクTV! 2004年10月号」(株式会社東京ニュース通信社:平成16年10月1日発行 乙第5号証の2)、及び「月刊 SKYPerfec TV! 2004年10月号」(ぴあ株式会社:平成16年10月1日発行 乙第5号証の3)において、応募者(応募先は、被請求人等の各商品提供者)の中から抽選で本件商品を譲渡する旨の記事が掲載された。
そして、本件商品は、被請求人から当選者に譲渡されている。
(4)使用商標
(ア)被請求人によって本件商品に付された商標(以下「使用商標」という。)の態様は、別掲(2)のとおりであり(乙第2号証)、使用商標と本件商標とは、社会通念上同一の範囲内にあるといい得る。
(イ)使用商標の機能
前述のように、例えば、ケーブルテレビ局が、被請求人等の映画配信者が提供する商品を、その視聴者に種々の方法で譲渡すること、或いは、ケーブルテレビ局やデジタル衛星放送局が、当該商品の譲り受け希望者の募集を、自己のチラシに掲載することや第三者がその発行雑誌に掲載することを公認することは、それらの放送局が自己の業務の利用者の維持・拡大の意図を背景として行うものである(特に、上記のメディアツティ東上においては、同社の名で募集し、同社の名で当該商品を譲渡している。)といい得るので、そこで提供される本件商品等の商品が被請求人等の映画配信者の提供に係るものであっても、それらの放送局は、当該商品の品質に関心を払わざるを得ない。そして、当該商品に被請求人等の映画配信者のそれぞれの主業務で使用されている商標と同一の商標が付されている場合は、商品提供者の被請求人等は、自己の主業務への影響を考え当該商品の品質について責任を持ち粗悪品を提供することはないであろう、と考えるのが自然であり、それらの放送局もそのように考え、当該商品の品質に不具合はないものと信頼するといえる。このように、当該商品に商品提供者(被請求人等の映画配信者)の主業務で使用されている商標が付されている場合は、その商標は、商品提供者とそれらの放送局の間においては、当該商品の品質を保証する機能を働かせているといえる。
なお、前述のとおり、雑誌「スカイパーフェクTV ! 」及び「月刊 SKYPerfecTV ! 」において、被請求人等の映画配信者が提供する種々の商品の譲り受け希望者の募集が行われているが、そこに同時に掲載されている商品には同種のものが併存する場合がある。このことからして、メディアッティ東上のように、チラシ等の配布者が、被請求人等の映画配信者が提供する商品の譲り受け希望者の募集を行う場合に、応募対象となる商品が同種のものとなることがあり得る。その場合、その応募先は、被請求人等の各映画配信者ではなくチラシ等の配布者であるので、配布者は、当選者に商品を発送する場合等において、当該商品に付された商標で商品を区別することになる。ここにおいては、被請求人等の映画配信者が提供する商品に付された商標は、自他商品を識別する機能を発揮している。
(5)以上のことよりすれば、本件商標は、本件審判請求の予告登録日(平成17年6月15日)前3年以内において、日本国内で、被請求人によって、その指定商品「遊戯用カード」において使用されたといい得る。
したがって、本件審判請求は理由が無く、成り立たないものである。
(1)商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項に規定により、被請求人において、その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品について当該登録商標を使用していることを証明し、又は使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その指定商品に係る商標登録の取消しを免れないところである。
また、商標は、主たる機能として商品、役務の出所を表示し、自他商品、役務を識別させる機能を有しており、商品、役務の品質を需要者、取引者のために保証する機能及び宣伝広告機能を有する。ここにいう商品、役務とは、必ずしも有償である必要はないが、一般に、販促品に付された企業名は、専らその販促品とは別の当該企業が扱う商品、役務の宣伝広告のために付されるものであって、販促品を登録商標の指定商品とする限りについてみれば、これに接する取引者、需要者に対して、商標が一般に有する自他商品(役務)識別機能を有するものではなく、もとより、販促品の品質を保証し、その宣伝広告をするために付されるものではない(東京高裁平成13年2月27日 平12行(ケ)335号)。
(2)そこで、本件について見ると、被請求人は、答弁書において、本件商品は、被請求人によって、被請求人が配信する映画等を放映する各地のケーブルテレビ局やデジタル衛星放送局(以下「放送局等」という。)、及びその視聴者に譲渡されたことにより、本件商標を請求に係る指定商品中の「トランプ」について、本件審判の請求の登録前3年以内に使用しているとして、乙第1号証ないし乙第4号証(枝番号を含む。)を提出している。
そして、乙第2号証及び乙第3号証の1によれば、裏面に本件商標と社会通念上同一の商標と認められる使用商標を付したトランプ5,000個を平成16年6月18日に大日本トランプから被請求人に納入されたことが認められ、乙第4号証の1のトランプ管理表(以下「トランプ管理表」という。)には、その最初の行に日付を「6/21」として「納品」と記載され、数量欄に「5000」と記載されていることが認められる。
乙第4号証の1ないし12及び乙第5号証の1の2によれば、平成16年7月14日から、平成17年5月2日の間に、船橋ケーブルネットワーク株式会社、株式会社秋田ケーブルテレビ、仙台CATV株式会社、守口・門真ケーブルテレビ株式会社、いちかわケーブルネットワーク株式会社、中讃ケーブルビジョン株式会社、豊中・池田ケーブルネット株式会社、日本海ケーブルネットワーク株式会社、株式会社ベイ・コミュニケーションズ、徳島中央テレビ株式会社及びメディアッティ東上に、それぞれトランプ1〜30個を運送会社を通して送付したことが認められる。この内、乙第4号証の9の伝票には、品名として、「賞品協賛(チャンネルグッズ)」と記載されている。なお、トランプ管理表によると、翌年7月21日現在の残量は、「3563」であることから、この間に被請求人から送付された総数は、わずか1,437個であり、その内、ケーブルフェアの794個、ケーブルフェスタ2004(名古屋)等の一部のイベント等を除くと、1回に1個から数十個程度を送付していることが認められる。
乙第5号証の1の1によれば、メデアッティ東上は、広告中に「14の新チャンネル放送開始記念!!」として、被請求人チャンネルを「TVシリーズ・映画から最新出版情報まであらゆるミステリをお届けする専門チャンネル」と宣伝すると共に、5月31日を締め切りとし、正解者の中から抽選で30名に本件商品をプレゼントするとする「ミステリチャンネルからの挑戦状」と題するクイズを掲載していることが認められる。なお、プレゼント数30は、上記トランプ管理表にあるメデアッティ東上宛の送付数量と同数である。
乙2号証の2及び3は、CSデジタル放送を提供しているスカイパーフェクTVの番組ガイド誌である「スカイパーフェクTV!(2004年10月号)」及び「月刊SKYPerfecTV!(2004年10月号)」であり、共に読者プレゼントの「Ch/728 ミステリチャンネル」欄に締め切りを10月31日として、チャンネル特製トランプとマグネットのセットを5名に被請求人からプレゼントする旨の記載があり、トランプ管理表の11月9日及び18日に視聴者プレゼントとして、それぞれ5個の記載がある。
(3)以上の認定の事実及び被請求人の答弁の趣旨によれば、被請求人は、ミステリを中心とするデジタル放送の専門チャンネルを運営する会社であり、平成16年6月に大日本トランプを通じて本件商標と社会通念上同一の商標を付した本件商品を作成し、被請求人は、本件商品を直接若しくは放送局等を通じて、放送局等が行う被請求人の放送番組を内容とするクイズの賞品や、テレビ番組の紹介を内容とする雑誌の放送番組の紹介も兼ねた読者プレゼントの賞品として使用しているものである。そして、製造個数及び送付先及び送付数を見ると、本件商品は、イベント、クイズ、各種プレゼントの賞品等として使用するためのものであると認められる。
そうとすれば、本件商品は、被請求人に係る放送番組の視聴者増などのための宣伝材料として使用されるものであり、これに接する需要者(放送局等及び視聴者など)は、本件商品に付された使用商標を被請求人が行う放送の宣伝広告のために付されたものであると理解し、使用商標は、本件審判請求に係る遊戯用カード(トランプ)の商標として、自他商品の識別標識としての機能を果たしているものとはいうことができない。
(4)被請求人は、本件商品を使用する放送局等は、自己の業務の利用者の維持・拡大の意図を背景にその使用を行うものであるから、その商品の品質に関心を払わざるを得ず、商品提供者である被請求人と放送局等の間においては、その商標は、当該商品の品質を保証する機能を働かせているものであり、また、放送局が複数の映画配信者の商品を希望者の応募対象とし、当選者に商品を発送する場合に、それらの商品を当該商品に付された商標で区別するので、その商品は、自他商品を識別する機能を発揮している旨主張している。
しかしながら、被請求人の放送の提供を受ける放送局等が、本件商品を譲り受けるのは、当該放送局を宣伝広告するためではなく、被請求人の放送の宣伝広告のためであり、本件商品の品質に着目してなされているとはいうことができないし、また、当選者に賞品を発送するために賞品を区別する必要があるとしても、その賞品は、商取引の目的たり得べき物である商品(工業所有権法逐条解説 第16版1045頁)とはいえないから、その使用が自他商品の識別のための機能を発揮しているとはいえないものである。そして、販促物としての使用は、商標の使用とはいえないこと、前記のとおりであるから、被請求人の上記主張は、採用できない。
(5)以上のとおり、被請求人は、本件商標を継続して本件取消審判の請求の登録日(平成17年6月15日)前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定役務について使用していなかったものといわざるを得ず、また、これを使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、指定商品中「結論掲記の指定商品」について取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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