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Trademark Appeal Case

品質表示と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−22923(T2004−22923/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「クラゲアイス」の文字を標準文字で書してなり、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、平成16年1月20日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、本願商標は、「ビゼンクラゲ、タコクラゲ、ミズクラゲなどの鉢虫綱の刺胞動物の総称」の意味合いのある「クラゲ」の文字と、「氷、アイスクリーム、アイスキャンデーの略」等の意味合いのある英語「ice」の表音である「アイス」の文字とを連綴したものと認められるところ、インターネットのホームページを検索すると、例えば、本わさび入りアイスクリームが「本わさびアイス」、豆乳入りとうふアイスクリームが「豆乳入りとうふアイス」、静岡抹茶入りアイスクリームが「静岡抹茶アイス」、ミルク入りアイスクリームが「ミルクアイス」及びみそ入りアイスクリームが「みそアイス」として掲載されているほか、納豆、わさび、うに、かに、いかすみ、ジャガバター等のアイスクリームも掲載されていることからすれば、指定商品との関係では、「クラゲアイス」は「クラゲ入りアイスクリーム」程度の意味合いを理解・認識させるものであり、したがって、本願商標をかかる商品に使用するときは、単に、商品の品質を表示するにすぎないものといえるから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1) 本願商標は、前記1のとおり、「クラゲアイス」の文字よりなり、指定商品を第30類「菓子及びパン」とするものであるところ、その指定商品との関係においては、本願商標の構成中、前半の「クラゲ」の文字(語)は、「鉢虫綱の刺胞動物の総称。ビゼンクラゲ・タコクラゲ・ミズクラゲなど。」(広辞苑第5版)を意味するものとして、また、「アイス」の文字(語)は、「アイス‐クリーム・アイス‐キャンデーの略。」(広辞苑第5版)を意味するものとして、それぞれ、その指定商品の取引者・需要者に認識されるものとみるのが相当であって、後記(2)のアイスクリーム業界の実情に照らせば、その構成全体からは「クラゲ入りアイスクリーム、クラゲ入りアイスキャンデー」程度の意味合いを容易に理解・認識させるものというべきである。

この点に関して、請求人は、本願商標を構成する「クラゲ」及び「アイス」の各語には、それぞれ、「確固たる主義がなくて、意見の常に動揺する人」及び「高利貸」の語義もある(甲第1号証及び甲第4号証)などと述べ、本願商標「クラゲアイス」からは「クラゲ入りアイスクリーム」程度の意味合いを理解・認識させるものではない旨主張する。

しかし、本願商標を構成する「クラゲ」及び「アイス」の各語は、その指定商品との関係、取引の実情等を考慮するならば、取引者・需要者は、「クラゲ」から「日本料理の酢の物や中国料理の前菜等で食材としてもなじみのあるクラゲ(鉢虫綱の刺胞動物の総称)」を想起し、また、「アイス」から「アイスクリーム、アイスキャンディー」を想起するのが通常というべきであるから、請求人の上記主張は、採用することができない。

(2) アイスクリーム業界の実情について

原審において提出された平成16年5月24日付けの刊行物等提出書によれば、以下の事実を認めることができる。

ア 「一年中だだちゃ豆 だだちゃまめアイス」と題するウェブページには、「アイスになっても味はしっかり。だだちゃ豆。」、「この夏、存分に楽しんだ「だだちゃ豆」の味を冬はアイスクリームでお楽しみください。」、「まさか?ソバがアイスになった?でもおいしい!」及び「...地元のそば粉を細かく挽き、フライパンで炒って香煎のような懐かしい味と香ばしさを見事に織り混ぜ、たっぷりとアイスの中に入れました。...」との記載がある(資料1)。

イ 「宮崎旬ナビ ご当地アイス」と題するウェブページには、「南国宮崎ならではの特産品を素材にした、個性的なご当地アイスをとことん紹介。定番から意表をつく組み合わせまで、いろいろそろった“みやざきアイス”を召し上がれ。」、「日向夏アイス250円」、「ぽんかんアイス250円」、「日南海岸を眺めるサボテンハーブ園の売店で販売されているサボテンアイス。...サボテンには、カルシウムやビタミンが豊富に含まれているので健康志向のヘルシーアイス。」及び「...バラアイス。バラのエッセンスが入ったピンク色のアイスクリームで、バラのような上品な味と香りが楽しめる。...」との記載がある(資料2)。

ウ 「花茶のアイス」と題するウェブページには、「...若草色にちょっぴり大人の味わいふきのとうアイスクリームとほんのりピンクのさくらアイスクリームが春の限定のお味です。他にも、国産大豆のきな粉アイスクリームが初デビュー。梅酒や古酒泡盛アイスクリーム紅茶、コーヒー味もお勧めします。」との記載がある(資料3)。

エ 「ここにしかない桜の花が入った、桜アイスを金沢・料亭ご用達!通販サイトおいしい店で通信販売いたします。」と題するウェブページには、「「桜の花びら」の入ったアイスは食べた事がありますか?」及び「商品名 桜アイス」との記載がある(資料4)。

オ 「Women’s Party More − 女性のショッピング街♪ 」と題するウェブページには、「みそモナカアイス 紅麹入味噌アイス」、「みそモナカアイス 醤油アイス」、「みそモナカアイス 夕張メロンアイス」及び「みそモナカアイス こうじ味噌アイス」との記載がある(資料5)。

カ 「醤蔵アイス(しょうゆアイスクリーム)」と題するウェブページには、「...ご自宅で開くパーティ用に、話題の「しょうゆアイス」を!「えー!本当に醤油が入っているのー?」「美味しい!」と評判になること請け合います。...」との記載がある(資料6)。

キ 「ご当地アイス、変わり種が一堂に 大阪・天保山-asahi.com:社会」と題するウェブページには、「暑くなる季節を迎え、全国各地の「ご当地アイスクリーム」を集めた博覧会が8日から7月11日まで、大阪市港区の天保山マーケットプレースで開かれる。...普段は地元でしか味わえない変わった素材を使った商品も。カニやサンマ、ウナギなどの魚介類から手羽先、牛タンまであり、生臭さなどを消すために洋酒などを混ぜて工夫している。...」との記載がある(資料7)。

ク 平成16年3月20日付け毎日新聞には、「◇国内最多の18種類のクラゲを展示する山形県鶴岡市の市立加茂水族館(村上龍男館長)が19日、クラゲアイス(150円)を発売した=写真。◇アイスはミルク味で、細かく切った黄褐色のクラゲ入り。日本海沖で大発生し、昨年11月に加茂港内に流れ着いた約60キロのエチゼンクラゲを使った。...」との記載がある(資料8)。

ケ 平成16年3月24日付けみなと新聞には、「エチゼンクラゲがアイスに!?」の見出しの下に、「...山形県鶴岡市立加茂水族館(村上龍男館長)は19日、エチゼンクラゲなどを使ったミルク味のアイスクリームを発売した。...アイスクリームだけ食べたいという人も多く訪れるなど、関心の高さをうかがわせた。...いち早くエチゼンクラゲを使って商品化したアイスクリームに注目が集まり、全国の水族館から販売したいという要望も来ているという。」との記載がある(資料9)。

コ 平成16年4月16日付け朝日新聞には、「美味クラゲアイス 枝豆・バニラなど8種の味」の見出しの下に、「鶴岡市立加茂水族館(同市今泉、村上龍男館長)が、クラゲアイスクリームの販売を始めた。市販のアイスクリームをベースに、塩蔵処理したエチゼンクラゲや食用クラゲを混ぜたもので、バニラや枝豆、ラ・フランスなど8種類の味があり、1リットルあたり約120グラムのクラゲの粒々が入っているという。...販売開始から約1カ月で2千個以上が売れる人気で、クラゲのコリコリした食感が好評という。...」との記載がある(資料10)。

上記認定の事実ならびに原査定で示したインターネットのホームページの検索結果によれば、アイスクリーム業界では、だだちゃ豆、納豆、豆乳入りとうふ、きな粉、ソバ、日向夏、ぽんかん、サボテン、バラ、ふきのとう、本わさび、桜、梅酒、古酒泡盛、しょうゆ、みそ、うに、カニ、いかすみ、サンマ、ウナギ、手羽先及び牛タンなどの素材を使ったアイスクリームが製造・販売されているのみならず、普段は地元でしか味わえない変わった素材や特産品を使ったアイスクリームを「ご当地アイス」などと称して、そのようなアイスクリームを全国各地から集めた博覧会も開かれていることからすると、上記以外にも様々な素材を使ったアイスクリームが製造・販売されているものと推認されること、また、「豆乳入りとうふアイス」、「本わさびアイス」、「みそアイス」、「日向夏アイス」、「ぽんかんアイス」及び「サボテンアイス」などの例にみられるように、アイスクリームについては、その略称である「アイス」の語に、素材として使用した材料名を冠して「○○アイス」と表示する使用例は多数あることが認められること、さらには山形県鶴岡市立加茂水族館がエチゼンクラゲなどを素材にしたアイスクリームを「クラゲアイス」と称して、これを平成16年3月19日に販売し始め、その販売開始から約1か月で2千個以上を販売していることが認められる。

(3) そうとすれば、「クラゲアイス」の文字からなる本願商標をその指定商品中の「菓子」に含まれる「クラゲ入りアイスクリーム,クラゲ入りアイスキャンディー」に使用する場合には、これに接する取引者・需要者に、本願商標は、その商品の品質(主材料と性状)を表示するものとして理解されるにとどまり、自他商品の識別標識としては認識されないものというべきであり、また、これを上記商品以外の商品に使用する場合には、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

(4) したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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