Trademark Appeal Case
記述的表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−17226(T2004−17226/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ビルの群管理」の文字(標準文字)を書してなり、第16類及び第36類に属する願書に記載あるとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成15年12月24日に登録出願されたものであるが、指定商品及び指定役務については、平成16年7月5日提出の手続補正書により、第16類「紙類,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,衛生手ふき,型紙,紙製テーブルクロス,紙製テーブルナプキン,紙製タオル,紙製手ふき,紙製のぼり,紙製旗,紙製ハンカチ,紙製幼児用おしめ,裁縫用チャコ,荷札,印刷物,書画,写真,写真立て,文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,青写真複写機,あて名印刷機,印刷用インテル,印字用インクリボン,活字,こんにゃく版複写機,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,装飾塗工用ブラシ,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,封ろう,マーキング用孔開型板,郵便料金計器,輪転謄写機,観賞魚用水槽及びその付属品」及び第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、複数のビルを管理することの意味合いを表す『ビルの群管理』の文字を標準文字で書してなるところ、『群管理』に関する書籍が刊行されていることからすれば(印刷機械の群管理システムに関する調査研究報告書2 日本印刷産業機械工業会 1993.4)、本願商標をその指定商品中上記文字に照応する印刷物に使用しても、単に商品の品質(内容)を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たすものとはいえず、前記商品以外の『印刷物』に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。また、これを本願指定役務中、例えば『建物の管理』に使用しても、該役務が複数のビルを管理する手法であること、すなわち単に役務の質を表すにすぎないものであり、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨、認定判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、上記のとおり、「ビルの群管理」の文字を横書きしてなるところ、これよりは全体として、「複数のビルを群(あつまり)で管理する」ほどの意味合いを容易に認識、把握させるというべきである。
そして、複数のビルの設備機器の集中管理や省エネ、防災、防犯等のビルの運営管理を通信ネットワーク等を介して一元的に行う役務が一般に提供されていることは、原審の拒絶理由において開示した新聞情報より明らかであり、そのような役務について「ビルの群管理」の語が普通に使用されていることも、同新聞情報において認めることができる。
また、同事実は、以下のインターネットホームページよりも確認することができる。
(ア)www.marubeni.co.jp/news/2003/nl/nl030612.htm
【丸紅株式会社、丸紅ネットワークシステムズ、株式会社東京美装興業株式会社】
「ミドルウェア『ナイアガラ』をビルマネジメント市場向けに本格販売」の見出しのもと、「従来のビル設備システムは、ベンダー毎に仕様が異なる為、遠隔監視システムとビル設備システムを同一のベンダーにしないと監視することが出来ませんでした。また同一オーナーのビルでも、ビル毎に設備システムベンダーが異なる場合が多く、これにより遠隔監視システムの運営が高コストとなり、ビルの群管理もできませんでした。」との記載がある。
(イ)www.shimz.co.jp/news_release2002/469.html【プロパティデータバンク株式会社】
「ビルマネジメントツール」の見出しのもと、「日常保守業務、設備機器建材台帳、クレーム、エネルギー消費量など、ビルマネジメントに必要な各種情報約1000項目を、管理できます。各ビルをメンテナンスあるいは管理しているビル管理会社の業務支援ツールとして活用されています。全国のビルの群管理などにおいても活躍しています。」との記載がある。
(ウ)http://www.hitachi-ies.co.jp/solution/seigyo/bill/office.htm【日立産機システム】
「ビル設備省エネ・保全支援システム(ビルシーマス):オフィスビルの事例」の見出しのもと、「ビルの群管理 テナントビルや支社ビルなどの監視、管理情報を一元管理」との記載がある。
(エ)jp.yamatake.com/save/kankyo/0111/kan0111.pdf【山武ビルシステム株式会社】
「JIS協約形という小型筐体に 高度な制御伝送機能を作り込む。」の見出しのもと、「統合してビルの群管理を実現する場合などもある。また一方、スマートスクリーンと呼ばれるカラーモニターを備えた端末装置によって、部屋ごとに個別の快適環境実現を図るコントロールが必要とされるケースも多い。」との記載がある。
(オ)capella.fukunet.or.jp/member/b_tec【西鉄ビルマネージメント株式会社】
「当社は、昭和62年の設立以来、ビル群管理システムを導入し、24時間集中管理体制を敷いて、安全と快適の維持に万全を尽くしてまいりました。」との記載がある。
上記、本願商標の認定及び商取引の実情を総合して判断すれば、本願商標は、これをその指定商品中、例えば、「複数のビルを群(あつまり)で管理する技術等を紹介した書籍を含む印刷物」について使用した場合、これに接する者は、当該商品が、単に、前記意味合いを記述した内容の書籍等の印刷物であることを認識し理解するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、上記以外の記事を内容とする「書籍を含む印刷物」について使用した場合、商品の品質(内容)について誤認を生じさせるおそれあるものといわなければならない。
また、これをその指定役務中、例えば、「複数のビルを群(あつまり)で管理する建物の管理」について使用した場合、これに接する者は、当該役務が、単に、上記方法により建物を管理する役務であることを表示したものと認識し理解するに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、上記以外の「建物の管理」について使用した場合、役務の質について誤認を生じさせるおそれあるものといわなければならない。
(2)請求人(出願人)は、本願商標は、請求人の独自ノウハウの蓄積による「群」及び「管理」を結びつけた造語であり、そして、請求人(出願人)の独自技術によるノウハウは、既に1977年(昭和52年当時)に公表していたものであり、原審が拒絶の理由として引用した資料よりも遙か以前から、本願商標に類似した文字態様のものを紙面で用いていたと主張している。
しかしながら、商標法第3条の適用判断の基準時は、査定時又は審決時であるから、たとえ請求人(出願人)が、その主張にいう遙か以前から、本願商標に類似した文字態様のものを用いていたとしても、そのことをもって、先の拒絶理由を回避し得るとはいえないし、そもそも、本願商標は、請求人(出願人)の技術が独自のものであったとしても、その指定商品(役務)との関係においては、商品(役務)の品質(質)を表示するにすぎないものであること、上記認定のとおりであるから、かかる請求人(出願人)の主張は採用できない。
また、請求人(出願人)は、本願商標は使用された結果、商品(役務)の識別力を獲得するに至ったものであるとも主張するが、提出された資料によっては、本願商標が商標法第3条第2項に該当する要件を具備するに至ったものとは認められない。
その他、請求人(出願人)は、登録例を挙げ述べるところあるが、かかる登録例は、本願商標とは事案を異にするものである。
(3)したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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