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Trademark Appeal Case

品質表示と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2005−4327(T2005−4327/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第29類「加工野菜及び加工果実,きのこを原料にする粉末状・顆粒状・錠剤状の加工食品」及び第31類「野菜」を指定商品として、平成16年6月18日に登録出願されたものであるが、指定商品については、原審における同17年2月1日付け提出の手続補正書により、第29類「加工野菜及び加工果実,きのこを主原料にする粉末状・顆粒状・錠剤状の加工食品」及び第31類「野菜」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願商標は、「黄金タモギ」の文字よりるところ、これからは、マツタケ目シメジ科ヒラタケ属のキノコである「黄金タモギタケ」を想起するものであるから、これを本願指定商品中、第29類「加工した黄金タモギタケ,黄金タモギタケを主原料にする粉末状・顆粒状・錠剤状の加工食品」及び第31類「黄金タモギタケ」に使用するときは、単に、商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標の構成態様について

請求人(出願人)は、別掲のとおりの構成よりなる本願商標の文字態様について、「本願商標は、中間に位置する3文字目と4文字目は全く判読できない特殊な文字で構成されているため、全体として特殊な図形(マーク)と認識するのが相当であるから、視覚的に訴える要素が極めて強くなり、マツタケ目シメジ科ヒラタケ属「タモギタケ」という特定の観念及び称呼は生じ得ない。いわゆる健康食品を取扱う取引者、需要者は、特殊な態様を備える本願商標を自他商品識別標識として十分に認識するものである。」旨主張している。

しかしながら、後述するとおり、「黄金タモギ」と指称される「タモギタケ」が栽培され、「タモギタケ」そのもののみならず、これを主原料とする、いわゆる健康食品も市場に流通しているという実情において、毛筆書体風に書された本願商標の構成中、仮に、3文字目及び4文字目のみを分離抽出して見た場合に、「タ」及び「モ」の文字を表したものと直ちに認識できないとしても、該取引の実情よりすれば、その前後の文字構成から、需要者等は、全体として「黄金タモギ」の文字を表しているものと容易に認識し、把握するに止まるものというべきである。

また、毛筆書体風に表された標章は、いわゆる健康食品を含む各種食品のほか、わが国の一般的な取引の場でも散見できるものであって、本願商標のかかる構成態様それ自体が特異な形象(字形)として印象づけられ、かつ、自他商品の識別標識として機能するような独創的な字形と認識されるとはいい難いから、請求人(出願人)の前記主張は採用することができない。

(2)黄金タモギ(タモギタケ)の取引実情について

本願指定商品は、第29類「加工野菜及び加工果実,きのこを主原料にする粉末状・顆粒状・錠剤状の加工食品」及び第31類「野菜」であるところ、指定商品中の「きのこ」あるいはその加工食品を取り扱う分野において、近時、「黄金タモギ」と指称される「タモギタケ」が、人工栽培技術の開発がされたことから各地で出荷されるようになり、また、当該きのこは、抗ガン作用を有するといわれるβーグルカンの含有量がアガリクスなどよりも多く含まれることから、いわゆる健康食品としても注目され、タモギタケを主原料とする商品が流通しているという実情が、例えば、次の(ア)ないし(カ)の新聞報道ないしインターネット上の情報による掲載事実から窺うことができる。

(ア)「「黄金タモギ」出荷順調 レシピを付け直売も/宮城県利府町の桜井さん」の見出しのもと、「・・・昨年から取り組みだした「黄金タモギ」の出荷を順調に伸ばしている。市場出荷する一方で、レシピを付けて「黄金タモギ」の直売もしている。タモギタケには、体の免疫機能を高めるβ(ベータ)−グルカンが豊富という。「免疫療法などの面で、健康づくりに役立つことが生産の励みになっている」と話し、新たな意欲を燃やしている。桜井さんはこれまで20年間、生シイタケの原木栽培に取り組んできたが、広さ35アールのハウスで昨年10月から、タモギタケの菌床栽培を始めた。周囲は都市化が進み、適した原木が手に入りにくくなったことや、輸入シイタケの圧力が背景にあった。・・・2月末から出荷が伸びている。現在は東北、関東方面などに連日、平均300パックを出荷している。」との記事(2003.04.16 日本農業新聞 10頁)

(イ)「シメジ「黄金タモギ」に人気 健康食品として注目/山形・小国町の渡辺さんが栽培」の見出しのもと、「【山形おきたま】東北から北海道にかけての一部地域で初夏にしか採れない「黄金タモギ」が、小国町から出荷され、消費者の健康への高まりなどから好評だ。・・・菌床栽培されるタモギは、β(ベータ)グルカンが、アガリクスの2倍以上含まれ、がん細胞の発生や増殖を抑えるとされる注目の健康食品。かさは鮮やかな黄金色をしており、強いうまみ成分から出る味の良いだしと、しゃきしゃきした歯ざわりは、鍋物はもちろん、てんぷら、バターいためなど、さまざまな料理に向いており、町内の料理店でも好評だ。・・・町内の道の駅やAコープなどで扱っていることからわざわざ買い求めにやってくる客がいるほか、県内外からの宅配注文も数多い。」との記事(2002.07.17 日本農業新聞 37頁)

(ウ)「県下で初の黄金タモギ栽培に挑戦/横浜市の小林さん」の見出しのもと、「・・・県内では初めてという珍しい黄金タモギ(タモギタケ)の栽培に挑戦している。なじみが薄いので販路開拓は、JA横浜南が全面的に協力。量販店に売り込むとともにJA職員も手作りポスターを売り場に掲示するなど、消費者へのアピールに力を入れている。周囲の農家も関心を寄せ栽培機運が高まるなど、都市農業に新たな意欲をもり立てている。・・・色は鮮やかな黄色。β(ベータ)−グルカンを乾物100グラム中21.8グラム含み、アガリクスの同9.8グラムより多い。・・・」との記事(2002.04.02 日本農業新聞 38頁)

(エ)「「幻のきのこ」黄金タモギ茸」の見出しのもと、「濃縮タモギには、自己免疫力活性と抗腫瘍活性物質、β−グルカン(23.3g/100g)が豊富です。」・・・「黄金タモギ(和名タモギダケ)濃縮タモギ顆粒にはβ-グルカン(23.3g/100g)が非常に多く含まれております。−(財)日本分析センター調べ− 黄金タモギは、人工栽培の難しい『幻のきのこ』と呼ばれているヒラタケ科でヒラタケ属のレモン色の美しいかさで、北海道や東北に自生しています。なんと、この黄金タモギはアガリクスよりも多糖体(β-グルカン)が約2.5倍多く含まれています。また、インターロキシン-8がきのこの中で最も多く、群を抜く量が含まれています。」との記載(http://www.humus-j.com/goods.html)及びその商品詳細に、「黄金タモギ濃縮タモギ顆粒 アガリクス・メシマコブを超えるパワー!! きのこ培地に農薬(チアンペンタゾール系・ペノミル系等)を一切使用しないで栽培した原材料(黄金タモギ)を使用しております。」との記載(http://www.humus-j.com/tamogi.html)

(オ)「「黄金たもぎ」ハイグレード黄金タモギ濃縮エキス細粒!」の見出しのもと、「ガン克服の最終兵器「タモギ茸」 あのアガリクスを超えた! 糖尿病なら1週間でその効果を実感! 本品はタモギタケを常用しやすく加工した健康食品です。」との記載(http://youkou.nablog.net/blog/c/20060635.html)

(カ)「けんこう畑のグルメきのこ 黄金タモギ」の見出しのもと、「・・・日本では中部以北の深い山や北海道に自生します。この茸は名前のように黄金色をしており、独特の香りがあるのが特徴です。またキノコの中でも特にβ−グルカンの含有量が多く、それはアガリクスの約3倍と比較データが出ております。料理に入れると「だし」が良く出て特に鍋などのスープにすると合います。最近各地では、人工栽培に成功したこともあって店頭に少し出回るようになってきました。健康ブームということもあって、少しずつ認知度が高まってきているようです。」との記載(http://meiwa-exp.com/)

(3)まとめ

してみれば、本願商標をその指定商品中「加工したタモギタケ,タモギタケを主原料にする粉末状・顆粒状・錠剤状の加工食品,タモギタケ」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「タモギタケ(黄金色で独特の香りを有し、抗ガン作用を有するβーグルカンの含有量が多いキノコ)」を指称する「黄金タモギ」の文字よりなるものと認識するというのが相当であるから、単に商品の品質、原材料を表示するにすぎず、また、これをその指定商品中、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものというべきである。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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