結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2005−31395(T2005−31395/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4285552号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり「MOST」の文字と「Medical Oriented Super Terminal」の文字とを二段に書してなり、平成9年12月25日に登録出願、第42類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,美容,理容,入浴施設の提供,写真の撮影,オフセット印刷,グラビア印刷,スクリーン印刷,石版印刷,凸版印刷,気象情報の提供,求人情報の提供,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,葬儀の執行,墓地又は納骨堂の提供,一般廃棄物の収集及び分別,産業廃棄物の収集及び分別,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),建築物の設計,測量,地質の調査,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらにより構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,機械器具に関する試験又は研究,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,通訳,翻訳,施設の警備,身辺の警備,個人の身元又は行動に関する調査,あん摩・マッサージ及び指圧,きゅう,柔道整復,はり,医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,家畜の診療,保育所における乳幼児の保育,老人の養護,編み機の貸与,ミシンの貸与,衣服の貸与,植木の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,会議室の貸与,展示施設の貸与,カメラの貸与,光学機械器具の貸与,漁業用機械器具の貸与,鉱山機械器具の貸与,計測器の貸与,コンバインの貸与,祭壇の貸与,自動販売機の貸与,芝刈機の貸与,火災報知機の貸与,消火器の貸与,タオルの貸与,暖冷房装置の貸与,超音波診断装置の貸与,加熱器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与,凸版印刷機の貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与,布団の貸与,理化学機械器具の貸与,ルームクーラーの貸与」を指定役務として、同11年6月18日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び同第2号証を提出した。
本件商標は、上記のとおり平成11年6月18日に設定登録され、有効に存続するものであり、商標登録原簿によれば、本件商標については、専用使用権の登録も通常使用権の登録もない。
したがって、本件商標は、その指定役務中「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,計測器の貸与,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,理化学機械器具の貸与」について、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第9号証を提出した。
(1)本件商標の構成について
本件商標は、上段にローマ字の大文字で「MOST」と表示すると共に下段にローマ字の小文字で「Medical Oriented Super Terminal」と表示した構成であり、上段の「MOST」は、下段の「Medical Oriented Super Terminal」の頭文字をとった略称であることを明示するものである。
また、下段の「Medical Oriented Super Terminal」は、その指定役務との関係から自他役務の識別力を有しないものである。
(2)本件商標を取消対象役務について通常使用権者が使用している事実
ア 本件商標の使用と被請求人との関係について
東京都渋谷区恵比寿2丁目36番13号所在、株式会社日本ボス研究所(以下「日本ボス研究所」という。)は、「コンピュータシステムに関するコンサルティング」、「各種業務別ユーザソフトウエア開発」、「各種技術、制御ソフトウエア開発」等を目的とする会社であるが(乙第1号証)、被請求人会社は、日本ボス研究所が開発したシステムのうち、医療情報ソフトウエア関係の販売会社として設立されたのである。
日本ボス研究所は、医療事務会計システムを開発し、その名称を「MOST」(Medical Oriented Super Terminal」の略)と名付けた。そして、この商標を被請求人名義で登録されたのが本件商標である。
日本ボス研究所は、前記会計システムのパンフレット(乙第3号証及び同第4号証)に本件商標の要部である「MOST」の表示をし、このパンフレット等に基づいて被請求人が販売する形式であるが、被請求人は、この製品を病院等末端の医療機関に直接販売するのではなく、全国各地の販売代理店に「販売代理店基本契約書」(乙第5号証)に基づいて販売するものであり、製品は、日本ボス研究所から販売代理店に納入されているのである(乙第6号証及び同第7号証)。また、この製品については月極めメンテナンス費に基づいて保守点検も行っている(乙第8号証)。
イ 通常使用権者による本件商標の使用について
前記のような日本ボス研究所と被請求人との関係から、被請求人が本件商標の商標権者であり、日本ボス研究所は登録はされていないが通常使用権者であるから、本件商標は通常使用権者によって使用されていることは明白である。
ウ 本件商標の継続的使用について
前記パンフレット(乙第3号証)の裏面右下には小さな数字で「2003 5 10000」と印刷されており、1枚もののパンフレット(乙第4号証)の裏面右下には「2004 4 1000」と印刷されている。
このようなパンフレットの印刷における慣行からして、これらが印刷された年度及び月と印刷部数を表示していることは明らかであるから、乙第3号証は、2003年5月に10000部、乙第4号証は、2004年4月に1000部印刷された事実が判明する。
また、前記代理店への納品書及び同物品受領書(乙第6号証、同第7号証)は一例であるが、これらの納品日及び物品受領日は2005年(平成17年)1月付けや3月付けのものであり、本件商標が3年以上日本国内において継続的に使用されていたことは明白である。
エ 本件商標の商標権の今後について
被請求人と日本ボス研究所との関係は前記のような関係であったが、平成16年11月30日付けで、当事者間に「営業譲渡に関する覚書」(乙第9号証)が取り交わされ、被請求人の前記会計システムの営業権を日本ボス研究所に譲渡することとなった。
(3)結論
以上説明したように、本件商標は、継続して3年以上日本国内において通常使用権者がその指定役務中の取消対象役務について現実に使用しているものであるから、商標法第50条第1項の規定の適用はなく、本件審判の請求は理由がない。
本件商標は、別掲に示したとおり「MOST」と「Medical Oriented Super Terminal」の両文字を上下二段に表してなるものであるところ、被請求人は、通常使用権者である日本ボス研究所が本件商標を医療事務会計システムに使用していると述べ、証拠として乙第1号証ないし同第9号証を提出するので、以下検討する。
被請求人の提出に係る乙第1号証ないし同第9号証によれば、本件商標の通常使用権者と認められる日本ボス研究者は、本件審判の請求の登録前3年以内に、「MOST」の文字からなる商標を医療事務会計システムの商品カタログに表示し、該医療事務会計システムを販売代理店である株式会社アルファシステムなどに販売し納品した事実が認められる。
しかしながら、被請求人の提出に係る証拠には、本件商標の上段に示されている「MOST」の文字は表示されているものの、下段に表されている「Medical Oriented Super Terminal」の文字は、いずれの証拠にも表示されていない。
被請求人は、本件商標について、上段の「MOST」は下段の「Medical Oriented Super Terminal」の頭文字をとった略称であり、下段の「Medical Oriented Super Terminal」は指定役務(サービス)との関係から自他役務の識別力を有しないものである旨主張する。
確かに、「Medical Oriented Super Terminal」の頭文字の4文字を表示すれば「MOST」の文字となり、この点に関する被請求人の主張は首肯することができる。しかしながら、「Medical Oriented Super Terminal」の文字は、「医療用のスーパー端末(装置)」程の意味合いを認識させるものの、乙各号証に示されている医療事務会計システムについて自他役務の識別標識としての機能を果たさないものとは認め難いといわなければならない。
この点について、被請求人は、上記のとおり「Medical Oriented Super Terminal」は指定役務(サービス)との関係から自他役務の識別力を有しないものであると主張するのみで、自他役務の識別力を有しないとすべき理由について主張立証していない。
そうとすれば、本件商標は、上下二段に表された「MOST」及び「Medical Oriented Super Terminal」の両文字とも自他役務の識別標識としての機能を果たすものというべきであるから、被請求人の提出に係る証拠に表されている商標は、本件商標中の「Medical Oriented Super Terminal」の文字を欠くものであって、識別標識としての本質的な商標の機能において大きく異なるものであるから、本件商標と社会通念上同一と認識されるものとは判断することができない。
してみれば、日本ボス研究所が販売する医療事務会計システムに付されている「MOST」の文字からなる商標の使用は、本件商標の使用に当たらないといわなければならないから、被請求人の提出に係る証拠によっては、本件審判の請求の登録前3年以内に、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が本件商標を請求に係る指定役務について使用している事実が証明されているものとは認めることができず、被請求人は、本件商標を使用しないことについての正当な理由も明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定に基づき、その指定役務中、結論掲記の役務について取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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