sokuhyo弁理士法人WATT 監修

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結論

敗訴(請求棄却)

商標「構造化面接法」の品質表示と識別力(第4条第1項第16号・第3条第1項第3号|審判不服2005−2181(T2005−2181/J1))

審判番号
不服2005−2181(T2005−2181/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「構造化面接法」
争点(論点)
品質表示と識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判不服2005−2181(T2005−2181/J1)・不服)は、本件商標「構造化面接法」について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「品質表示と識別力」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「構造化面接法」の文字を標準文字で書してなり、第9類、第16類、第35類、第41類及び第42類に属する商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成15年11月5日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『質問項目を構造的に並べた質問紙に基づいて順番に質問していく面接方法』を指称し、企業の採用面接や診療の際に用いられている『構造化面接法』と書してなることから、これをその指定商品(役務)中例えば『録画済みCD−ROMディスク,録画済みCD−Iディスク,録画済みビデオディスクおよびビデオテープ,録画済み光ディスク,電子出版物,印刷物,市場調査,求人・採用活動に関する助言,職業のあっせん,求人情報の提供,技芸・スポーツ又は知識の教授,社会人の生涯学習に関する助言・指導,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,録画済み磁気テープの貸与,書籍の制作,電子書籍の制作,電子計算機端末を用いて行う知識の教授,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用プログラムの提供』に使用するときは、前記方法を内容とする商品又は前記方法を利用して提供する役務であることを表示してなるにすぎず、単に商品(役務)の品質(質)、内容、提供の用に供するものを表示してなるにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品(役務)以外の商品(役務)に使用するときは、商品(役務)の品質(質)の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。』旨認定、判断して本願を拒絶したものである。

3 当審において通知した審尋

当審において、本願商標について改めて証拠調べを行った結果、本願商標をなお、商標法第3条第1項第3号に該当すべきものとする新たな証拠を発見したので、商標法第56条において準用する特許法第150条の規定により、請求人に対し、期間を指定して意見を述べる機会を与えて通知した審尋書の要旨は、以下のとおりである。

(1)かんき出版のホームページの書籍「人事労務ハンドブック」(発行日2002年10月21日)の紹介ページ(http://www.kankidirect.com/book.php?keycd=374)の目次詳細中「5.採用試験や面接時の留意点」の項に、「構造化面接法と非構造化面接法とは」の記載がある。

(2)株式会社リクルートマネジメントソリューションズのホームページの書籍「採用選考ハンドブック」の紹介( http://www.recruit-ms.co.jp/issue/book/hand_book_01.html )中に、目次として、「4(ローマ数字).採用面接の理論と実際」の項の中に「3.構造化面接の展開方法」の記載がある。

(3)Accountants Training & Recruitment Co.,Ltdのマザーブレインの月報を掲載しているコラム(ACTREC−NOW!)の2001年9月号(http://www.tellusgp.com/ACTREC/ACTRECNOW0105_0312/ACTRECNOW(0109).html)に、「経理人材の能力評価−面接」と題した記事中に「米国ではこの面接について多くの研究がなされているようです。そこでのポイントは構造化面接(STRUCTURED INTERVIEW)という考え方です。構造化は、主観的な面接評価を標準的な手続により、評価の客観化をしようとするものです。すなわち、質問内容や評定基準を標準化することにより、特に意をはらわない通常の面接よりも選考の信頼性や妥当性を向上させるというものです。」の記載がある。

(4)人事院人材局長の私的研究会である人物試験技法研究会(座長 古川久敬九州大学大学院人間環境学研究院教授)の平成17年8月「人物試験におけるコンピテンシーと『構造化』の導入」と題する報告書( http://www.jinji.go.jp/saiyo/jhoukoku.pdf)10頁「2(1)人物試験の『構造化』の意義」の項に、「構造化面接は、面接に信頼性と妥当性を高め、維持する手法として広く認識されている面接技法であり、・・・」の記載がある。

(5)人材アセス株式会社のホームページのメールマガジン平成15年11月号「面接試験とはどういうものか」(http://www.jasct.co.jp/maga-11.html)の記事中、「2.面接の種類」に「(2)構造化面接と非構造化面接」として、「 事前設計された質問による面接を構造化面接と言います。横並びの比較が容易です。しかしこれでは掘り下げた質問ができません。非構造化面接では、 人により会話の内容が異なり、掘り下げた質問で形式化を防ぎます。ただし熟練した面接官でないと無駄な質問で 時間を浪費するおそれがあります。」の記載がある。

(6)社団法人日本精神科病院協会のホームページ中、ラジオ短波の医学専門番組「これからのメンタルヘルス」の2000年12月11日放送「精神分裂病(1)どう理解するか」(出演者 佐藤光源東北大教授)の内容紹介ページ(http://www.nisseikyo.or.jp/home/mental/2/m12/mental_12_02.html)に、「・・・一級症状が紛れもない形で明瞭に認められたときに、精神分裂病と診断できるとしています。一級症状には「自我境界の喪失」を重視する彼らの精神病理学的な仮説が含まれているのですが、特異的な症状の有無で精神分裂病を診断するという操作的な診断法が注目されました。E. Bleulerの概念が拡散し、診断への信頼性が揺らいでいたこともあって、診断一致率を高め、診断の信頼性を増すものとして評価されました。そして今では、PSEやSADSといった構造化面接法に導入されて臨床研究に活用されており、・・・」の記載がある。

(7)医学書院の書籍「SCID−2 DSM−4 2軸人格障害のための構造化面接」の紹介(http://www.igaku-shoin.co.jp/prd/review/0000565.html)があり、「発行年 2002年4月」の記載及び書評欄に、「この構造化面接は,症例の人格障害プロフィールを明らかにしたり,特定の人格障害に関する疫学調査を行なうなどの研究面だけでなく,臨床場面でも,問診の後の鑑別診断に用いることなどが推奨されている。」の記載がある。

(8)奈良女子大学及び同大学院の講座案内の「人間関係行動学講座・人間文化研究科 総合案内」(http://www.nara-wu.ac.jp/bungaku/ningen/ningen/top/top02.htm)の「人間関係行動学実験実習A」の項に、「先入観を廃して真摯な眼で人間を見つめ、事実を正確に人に伝えるための研究法の基礎トレーニングを行います。」の記載があり、「方法例」に「実験室での実験法、アンケート調査法、構造化面接法など 」の記載がある。

上記事実及び原審において示した証拠により、本願商標は、人間の行動などを把握するために、企業などにおける人事や医療の分野をはじめ、一般的に用いられている面接技法の一つである「質問項目を構造的に並べた質問紙などに基づいて質問していく面接方法」を表すものと容易に理解・把握されると見るのが相当である。

そうすると、「構造化面接法」の文字からなる本願商標を、その指定商品及び指定役務中「録画済みCD−ROMディスク,録画済みCD−Iディスク,録画済みビデオディスクおよびビデオテープ,録画済み光ディスク,電子出版物,印刷物,市場調査,求人・採用活動に関する助言,職業のあっせん,求人情報の提供,技芸・スポーツ又は知識の教授,社会人の生涯学習に関する助言・指導,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,録画済み磁気テープの貸与,書籍の制作,電子書籍の制作,電子計算機端末を用いて行う知識の教授,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用プログラムの提供」などに使用するときは、構造化面接法を内容とする商品又は該面接法に関する役務であることを表示したものとして看取させるにとどまり、単に商品及び役務の品質(質)、内容などを表示してなるにすぎないものといわなければならない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するとした原査定の拒絶の理由は、免れ得ないものである。

4 当審の判断

上記3の審尋書に対し、請求人からは所定の期間を経過するも、何らの応答もなかった。

そして、本願商標について行った当審の証拠調べの結果とそれに基づく先の認定・判断は、妥当であって、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用するときは、商品及び役務の品質(質)、内容などを表示してなるにすぎないものと認められる。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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