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Trademark Appeal Case

発祥の地表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2005−6917(T2005−6917/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、上段に「さんま寿し発祥の地」の文字を、下段に「熊野市」の文字を横書きしてなり、第30類「さんまを使用したすし」を指定商品として、平成16年7月8日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願商標は、「さんま寿し発祥の地」及び「熊野市」の文字を普通に用いられる方法で二段に横書きしてなるところ、その構成中の上段の文字部分は、「さんま寿し」の部分がその指定商品である「さんまを使用したすし」を指称し、「発祥の地」の部分が「物事の初めて起った土地」を意味するものであり、さらに、下段の文字部分は、出願人の所在地である三重県熊野市を表すので、全体としては、「さんまを使用したすし」であるさんま寿しが最初に作られた土地は三重県熊野市である旨を表示するものとして理解されるから、これをその指定商品に使用したときは、需要者をして、その商品が初めて作られた土地柄であることを訴える宣伝文句の一種程度に認識するにとどまり、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における判断

商標とは、事業者が自己の取り扱いに係る商品又は役務を他人の商品又は役務と区別するために、その商品又は役務について使用する標識であり、出願された商標が登録を受けることができるか否かについては、「自己の業務に係る商品又は役務について使用をする」商標であって、自他商品又は役務の識別力を有することが絶対的要件とされる。

しかして、本願商標は、前記1のとおりの構成よりなるところ、その構成文字全体より「さんま寿しが最初に作られた地は、熊野市である」との意味合いが容易に理解されるから、これを、その指定商品である「さんまを使用したすし」に使用した場合、これに接した取引者、需要者は、この語句の有する前記の意味を想起したうえで、ごく自然に、「この商品(さんま寿し)の発祥の地は熊野市である」ことを認識するにすぎないものというべきである。

そして、名産品には、その商品の由来、特色等を包装箱や商品説明書等に記すとともに、需要者の注意を引くために、該商品の特色等を端的に表した説明文ないしキャッチフレーズ等が付されることが少なくないことからすれば、本願商標は、たとい、出願人(熊野商工会議所)に属するさんま寿し加工業者からなる団体によりその指定商品に使用されるものであるとしても、「発祥の地は熊野市である」という商品の品質、特色等を簡潔に表す単なる説明文ないしキャッチフレーズの一種として認識、理解されるにすぎず、自他商品識別標識としては理解されないものといわざるを得ない。

なお、請求人(出願人)は、「出願人には、さんま寿しが最初に作られた土地は三重県熊野市である旨を訴えて宣伝していこうとしている実情がある。近年では出願人を始めとする熊野市関係者らによって「熊野市さんま寿し保存会」が設立され、地元の名産品さんま寿しをまちおこしに生かそうと様々な活動を行っており、その結果、本願商標「さんま寿し発祥の地 熊野市」は、出願人らの活動の成果により、各種メディアに取り上げられ、比較的広範囲に渡り認識されるようになった。本願商標出願人は、熊野市商工会議所に属するさんま寿し加工業者らからなる団体であり、一業者のみが独占して使用する目的で登録を受けるものではなく、複数の業者が共有して使用するものである。出願人及び関係者以外には現実に使用されている事実がなく、また、使用される蓋然性も極めて低いものであることから、本願商標は自他商品識別力を有すると判断されるべきである。本願商標が登録となることにより、地域の業者が団結、協力して事業を行い、地域経済の活性化と発展に貢献することができる。」旨主張している。

確かに、新聞記事ないしインターネット上の情報等によれば、熊野市において、「熊野市さんま寿し保存会」が設立され、「産田神社」の祭礼に合わせた1月10日を「さんま寿しの日」と制定し、「さんま寿し発祥の地」と記されたモニュメントを立てる等、様々な活動を行っているという事実は認められるが、これらの事柄や事情は、商標法の目的とする本来的機能である商品の出所標識に係るものとは認め難く、上記のとおり、本願商標は、「さんま寿しの発祥の地は熊野市である」という意味合いをもって、当該地域の活性化を図るためのキャッチフレーズの一種として認識、理解されるにとどまり、自他商品識別標識としては認識されないものといわざるを得ないから、請求人(出願人)の主張は採用できない。

したがって、上記認定と同趣旨で、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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