Trademark Appeal Case
地名+発の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−24659(T2004−24659/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「名古屋発」の文字を標準文字で書してなり、第29類「食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく」及び第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」を指定商品として、平成15年12月19日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、愛知県名古屋市を表す『名古屋』の文字と、『出ること、出すこと』の意味を有する『発』の文字を一連に『名古屋発』と普通に用いられる方法で書してなるところ、食品を取り扱う業界においては、地名や地域を表す語に『発』の文字を付けることによって、当該地の生産または販売であることを表すことが普通に用いられているものと認められるから、これを指定商品に使用しても、単に商品の産地、販売地を表したものと認識されるにすぎないものと認める。また、出願人は、意見書において『本願商標は、一般に用いられ、あるいは用いられうる用語ではなく、出願人が案出した創作にかかわるものであって、従来から一般に使用されていた用語、熟語ではないし、論理的、文法的にも一般的な用語として理解されうる用語でもない』旨主張しているが、各種新聞情報から、これより『当該地(名古屋)の生産または販売であること』を理解するにすぎず、自他商品識別標識としての機能を有するものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は「名古屋発」の文字よりなるところ、構成文字中「名古屋」の文字は、「愛知県西部の市。濃尾平野の南東端に位置する。県庁所在地。政令指定都市の一。もと御三家の筆頭尾張徳川氏62万石の城下町。中部日本の商業・交通・行政の中心で、中京工業地帯の中核。」(岩波書店発行 広辞苑第五版)であって、我が国でも最も大きな都市の一つであり、また、「発」は、「出ること、出すこと」等を意味するものとして日常普通に使用されている語であるから、本願商標は、「名古屋から出ること」あるいは「名古屋から出すこと」を表すものと容易に理解されるものである。
ところで、食品の分野においては、都市(地域)名に「発」の文字を付し(「○○発」)、該都市(地域)で生産、販売される商品であることを表す語として普通に採択、使用されている。
このことは以下の事実からも伺える。
(1)インターネットのホームページにおける商品紹介
(ア)「北海道発の「イーもの」販売 イーオフ ショッピングモール ニングルのおうち」の見出しの下「『イーオフ』は北海道発のショッピングリンクサイトです。新鮮なオリンピックグッズ・食品・食材、健康に良いもの、ユニークなアイテム、他、いろいろ取り揃えております。北海道の方も、いいものをお探しの方も、いらっしゃい!」(http://www.e-off.net/)
(イ)「岩手発!地酒、特産品、うまいものをお届けします。」の見出しの下「岩手が誇る自慢の銘酒酒蔵さきがけや みちのくの銘酒をお届けします!」(http://www.rakuten.co.jp/sakigake3/)
(ウ)「’信州発’、トローリとろける美味しい【馬刺し】有ります。本場【信州牛肉】も是非どうぞ。ばかものではありません【うまかもんです】!!信州の特産品を産直便で全国へお届け」の見出しの下「商品カテゴリ一覧馬刺し 信州牛肉 信州産豚肉 信州名物、もつ煮 信州鹿肉 ラム肉、ジンギスカン 手造り味噌 手造りこんにゃく ハム 」(http://umakamon.ocnk.net/)
(エ)「新潟発!!極献上佐渡産こしひかり100% 5kg」の見出しの下「新潟県の良質米三大産地、魚沼・佐渡・岩船の一つです。佐渡島の景観・環境のすばらしい金北山の麓でおたまじゃくしが一杯の自然豊かな棚田で育て、語り継がれた伝説のお米です。」(http://www.nissen.co.jp/src/direct_sho/index_s.jsp?head=/head&main=/c_item/net_only/sho_item/1699/1699_12164&book=1699)
(オ)「これ!便利かも!?グッズ・商品紹介 ブログ」の見出しの下「伊藤久右衛門 京都発 抹茶スイーツ特集」(http://plaza.rakuten.co.jp/silvias15/diary/?ctgy=7)
(カ)「本格とんこつ 九州発ラーメン」の見出しの下「自宅にいながら九州の名物ラーメン食べ歩き!!九州味めぐりセット」(http://www.ns-shop.jp/toufuku/)
(2)郵便局の「ゆうパック」を利用した通信販売のカタログ、ちらし等において、例えば、「鹿児島発焼肉セット」、「北海道発旭川らぁ〜めん」、「福島発ラーメン」、「博多発もつ鍋・生ラーメンセット」と使用されている。
次に、本願商標を構成する「名古屋発」なる文字について、食品の分野において、前述同様、名古屋で生産、販売される商品であることを表す語として普通に採択、使用されており、このことは以下の新聞記事に掲載されている事実からも伺える。
(1)2006年1月15日付 日本食糧新聞
「オリエンタルマース カレーきしめん発売(寿がきや食品)」を見出しとして、「商品特徴=カップ麺。名古屋発の懐かしの味。インスタントカレーの元祖として人気のある(株)オリエンタルとコラボレートし、名古屋名物きしめんを使用した商品。“その土地独自の文化、昔から親しまれている味”をテーマに地域特化型商品を提供。」との記載がある。
(2)2005年9月5日付 日食外食レストラン新聞
「ラーメントレンド:名古屋発、ラーメンに「焼きばらのり」」を見出しとして記載がある。
(3)2004年5月31日付 日本食糧新聞
「全国麺類特集:中部主要問屋インタビュー」を見出しとして、「このところ、東京で「ひつまぶし」や「手羽先」「味噌カツ」といった名古屋発の食文化がブームになっている。」との記載がある。
(4)2003年8月11日付 日本食糧新聞
「胃心伝真=ひつまぶし」を見出しとして、「・・・名古屋といえば「エビフライ」ぐらいしかない、ダサイ代名詞の典型であったものを、中部外食界の若手が「名古屋発」のニュー名物料理として広めたのがきっかけらしい。」との記載がある。
(5)2003年6月13日付 日本食糧新聞
「胃心伝真=万博に万感」を見出しとして、「情報誌で名古屋発、外食界の若手経営者が取り上げられていた。彼らが仕掛けた名古屋発の「ひつまぶし」(ウナギを細刻した丼)や「みそカツ」(赤味噌をかけるトンカツ)が東京で大ブレイク中だそうだ。」との記載がある。
(6)2003年2月24日付 日本食糧新聞
「なごや探題:はごろもフーズ名古屋支店」を見出しとして、「はごろもフーズ初の試みである名古屋発の地区限定商品「和風ミートソース」を3月1日から新発売する。」との記載がある。
そうとすれば、「名古屋発」の文字よりなる本願商標は、これをその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者をして、上記実情から、該商品が「名古屋で製造又は発売されたもの」であること、すなわち商品の産地又は販売地を表示するものと理解させるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、登録することができない。
なお、請求人は、過去の登録商標例を掲げ、本願商標も同様に登録されるべきであると主張しているが、出願された商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、その商標が使用される商品等の取引の実情等を考慮し、個別具体的に判断されるものであるから、請求人の挙げた商標登録例の存在によってその認定は左右されないというべきである。
よって、結論のとおり審決する。
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