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Trademark Appeal Case

先取り登録による公序良俗違反

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2005−90479(T2005−90479/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4877454号商標の登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4877454号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、平成16年10月28日に登録出願され、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服」を指定商品として、同17年7月8日に設定登録されたものである。

2登録異議申立ての理由の要点

(1)引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第1992220号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、昭和55年11月7日に登録出願、第12類「自動自転車、その他の自転車、自動車の屋根もしくは荷台に取付け使用する自動自転車、その他の自転車キヤリア、その他本類に属する商品」を指定商品として、同62年10月27日に設定登録され、その後、平成10年1月13日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

引用商標及び引用商標から背景の円輪郭を除いた図形は、自転車のフレーム部品その他に永年継続使用され、イタリア本国はもとより、日本国内でも、申立人商標として遅くとも2003年(平成15年)には、需要者・取引者の間に広く認識されており、これらと類似する本件商標がその指定商品に使用された場合には、申立人の業務に係る商品と広義の出所の混同を生ずるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであり、取り消すべきものである。

(3)申立人は、証拠方法として、甲第1ないし第12号証を提出している。

3 本件商標に対する取消理由

当審において、商標権者に対し、意見書を提出する期間を指定して、平成18年4月21日付けで商標登録の取消の理由を通知した。その要旨は、次のとおりである。

(1)甲第3ないし第12号証を総合すると、申立人は、レース用自転車、マウンテンバイクなどの特殊自転車をはじめ、普通自転車等や各種自転車の部品及び附属品の製造、販売を業務とするイタリアの法人であり、本件商標の登録出願前より、その業務に係る各種自転車のフレームについて、別掲(2)に示したものと同一の構成よりなる商標(以下「申立人商標」という。)及び申立人商標から背景の円輪郭を省いたものと「inelli」の文字を結合した商標(以下「チネリ商標」という。)を使用し、2003年10月31日から同年11月2日にかけて開催された「2003東京国際自転車展」に、申立人商標及びこれと色彩を同一にするとすれば、同一の構成よりなる商標並びにチネリ商標を表示した自転車のフレームを出展したと推認されること、申立人商標やチネリ商標を表示した自転車は、「チネリ」と称され、性能、デザイン等の点から、自転車の愛好者にとって、垂涎の的となっていることなどが認められ、申立人商標やチネリ商標は、遅くとも本件商標の登録査定時においては、申立人の業務に係る各種自転車のフレームを表示するためのものとして、その需要者の間に広く認識されていたものとみるのが相当である。

そして、申立人商標及びチネリ商標中の左に位置する図形部分は、ローマ字の「C」を3分割するように、「C」の上部をそのまま斜め下に伸ばした部分を赤色に塗り、さらにその下の、上部赤色の斜め線に沿うように描かれた部分を黄土色に塗り、「C」の下部は、黄色で塗られているものであって、構成全体として、あたかもにローマ字の「C」に2本の翼が生えているようなきわめて特徴的な図形よりなり、看者の注意を強く引き、印象に残るものといえる。

(2)本件商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなるものであるところ、該図形は、申立人商標及びチネリ商標中の左に位置する図形部分と色彩を同一にするとすれば、同一の構成よりなるものである。

(3)前記(1)及び(2)で認定した事実によれば、商標権者は、申立人がわが国において、本件商標の指定商品について、申立人商標又はチネリ商標を登録していないことを奇貨として、これらと酷似する構成からなる本件商標を先取り的に登録出願し登録を得たものと解さざるを得ず、このような商標権者の行為に基づいて登録された本件商標は、社会の一般的道徳観念に反するものであり、公正な取引秩序を乱すおそれがあるのであって、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標といわざるを得ない。

(4)したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号に違反してされたものというべきである。

(5)なお、申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとの理由をあげているところ、前記のとおり、本件商標は、前記条文に該当すると判断するのが相当であるから、商標法第43条の9第1項の規定により、職権による審理を行った。

4 当審の判断

当審においてした、上記3の取消理由に対して、商標権者は何ら意見を述べていない。

しかして、上記3の取消理由は妥当なものと認められるので、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものであるから、商標法第43条の3第2項の規定に基づき、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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