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Trademark Appeal Case

結合商標の要部認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2005−90667(T2005−90667/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4898766号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4898766号商標(以下「本件商標」という。)は、「CORUM cj2」の文字を標準文字により表してなり、平成17年2月16日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿のとおりの商品を指定商品として、同年9月30日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)商標法第4条第1項第7号について

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、商品「腕時計」に使用して、需要者の間に広く認識され、著名になっている「CORUM」(以下、「使用商標」という。)が存在する以上、商標権者が本件商標を使用すると、「申立人の商品等表示として需要者の間に広く認識されている使用商標と同一若しくは類似の商品等表示を使用し、申立人の商品と混同を生じさせる」こととなり、かつ、「自己の商品等表示として申立人の著名な商品等表示と同一若しくは類似のものを使用する」こととなるから、不正競争防止法第2条第1項第1号及び同第2号に該当するので、その使用が他の法律に違反し違法となってしまう商標である本件商標は、公序良俗に反し、商標法第4条第1項第7号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第8号について

本件商標は、その構成中に「CORUM」の語を含むものである。

一方、申立人の名称は、現在のものを欧文字で表記すると「Montres Corum Sarl」であり、名称の変更やグループ企業内での事業の分担の変更などを経てはいるが、「Corum」社・「CORUM」社と創業以降一貫して略称され続けてきており、この略称は著名になっている。

本件商標は、「申立人の著名な略称を含む商標」であって、申立人は商標権者に対して「承諾」を与えたことはないから、商標法第4条第1項第8号に該当する。

(3)商標法第4条第1項第11号について

申立人は、商標登録第3238872号「CORUM YACHT LINE」(以下「引用商標」という。)の商標権者である。

本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品「被服」と抵触している。

本件商標は、文字の質的な差異の存在及び間隔の存在から、欧文字の大文字の部分「CORUM」と欧文字の小文字及び算用数字の部分「cj2」とに分離して把握されるものである。

引用商標の「CORUM」の部分が要部であり、本件商標の「CORUM」の部分が分離して把握される以上、引用商標と本件商標とは同ー又は類似である。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(4)商標法第4条第1項第15号について

本件商標は、申立人の業務に係る商品(特に「腕時計」)を表示するものとして広く認識されている「CORUM」と極めて類似しており、商品についても、近時のブランド商品の多角経営化の傾向に鑑みれば、申立人又は申立人のグループ企業が多角経営を始めて商品を流通させていると需要者・取引者に思われかねない「洋服,ジーンズ製の洋服,ジーンズ製ズボン,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」を指定商品とするものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

(5)商標法第4条第1項第19号について

本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとしてわが国のみならず諸外国においても需要者の間に広く認識されている「CORUM」と極めて類似しており、商標権者は、不正の目的(申立人の商品の評判に無断で便乗して不正の利益を得る目的)をもっているので、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第11号、同第15号及び同第19号に該当するので、本件商標の登録は、商標法第43条の2第1号により取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、前記のとおり、「CORUM cj2」の文字よりなるところ、前半部分が大文字、後半部分が小文字と数字の組み合わせであるとしても標準文字により外観上まとまりよく一体的に表されており、これより生ずる「コルムシイジェイツー」、或いは「コルムシイジェイニ」の全体の称呼もそれほど冗長でもなくよどみなく一連に称呼し得るものである。そして、構成中の「cj2」の文字部分が、分離して把握されるべき理由は見いだせず、むしろ構成全体をもって一体不可分の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然である。

そうとすれば、本件商標は、該構成文字全体に相応して「コルムシイジェイツー」、或いは「コルムシイジェイニ」の称呼のみを生ずるものであって、単に「コルム」の称呼が生ずることはないものといわなければならない。

他方、引用商標は、「CORUM YACHT LINE」の文字を書してなるところ、外観上まとまりよく一体的に表されており、これより生ずる「コルムヨットライン」の全体の称呼もそれほど冗長でもなくよどみなく一連に称呼し得るものであるから、構成全体をもって一体不可分の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然である。

そうとすれば、引用商標は、「コルムヨットライン」の称呼のみを生ずるものと認められる。

なお、申立人は、引用商標が件外登録第2633883号商標(以下、「件外商標」という。)と連合商標として登録に至ったものであり、その商標の要部は、「CORUM」の文字にある旨述べているが、件外商標は、その構成中に文字の大小はあるとしても「CORUM」及び「YACHT LINE」の文字を有するものであるから、引用商標と連合関係にあることをもって、引用商標の要部が「CORUM」の文字にあるとはいい難いものである。

してみれば、本件商標及び引用商標から単に「コルム」の称呼をも生ずるものとし、そのうえで、本件商標と引用商標とが称呼において類似するものとする申立人の主張は採用できない。

その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき特段の理由は、見出せない。

したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しないものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人の提出に係る甲各号証によれば、使用商標「CORUM」は、鍵のマークがシンボルマークで年産1万個という、少量生産の高級腕時計のブランドであること(甲第2号証ないし甲第38号証)、そのモデルは限定生産品となる場合が非常に多く(甲第9号証)値段も520万円(甲第2号証)、80.5万円(甲第16号証)等非常に高価なものとして紹介されている。

そうしてみると、申立人の使用商標が、少量生産の高級時計に使用され、需要者の間に広く認識されているとしても、その取引者、需要者が限定された範囲のものということができ、本件商標の指定商品の取引者、需要者とはその範囲が異なるものとみるのが相当である。

また、上記したとおり、本件商標は、一連一体の商標であり、使用商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者、取引者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しないものである。

(3)商標法第4条第1項第7号及び第19号について

本件商標と使用商標とは、前記(2)のとおり、非類似の商標であって、取引者、需要者をして、別異の商標と看取、認識されるものであって、「申立人の商品等表示として需要者の間に広く認識されている使用商標と同一若しくは類似の商品等表示を使用し、申立人の商品と混同を生じさせる」こととなり、かつ、「自己の商品等表示として申立人の著名な商品等表示と同一若しくは類似のものを使用する」こととなるといえないから、本件商標の使用が他の法律(不正競争防止法第2条第1項第1号及び同第2号)に違反し、公序良俗に反するとはいえない。また、本件商標の商標権者は、不正の目的をもって使用するものということもできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号に該当しないものである。

(4)商標法第4条第1項第8号について

本件商標は、前記のとおり一体不可分のものと認識されるものであることから、本件商標をその指定商品に使用した場合、取引者、需要者がこれより申立人の名称の著名な略称である「CORUM」を含むものと認識するとは認められない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当しないものである。

(5)まとめ

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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