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Trademark Appeal Case

称呼の要部抽出と一体性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2006−90052(T2006−90052/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4904572号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4904572号商標(以下「本件商標」という。)は、「ダブルインパクト」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成17年2月15日に登録出願、第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年10月28日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由の要点

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標が商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきである旨申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第59号証を提出している。

(1)引用商標

申立人が本件商標についての取消理由として引用する登録第4647604号商標は、「インパクト」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成13年11月29日に登録出願、第5類及び第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年2月21日に設定登録されたものであり、その外に、別掲(1)ないし(6)に示したとおりの6件の登録商標を引用している(以下、これらの商標をまとめて「引用商標」という。)。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標構成中の「ダブル」の語は、薬剤の分野において、「ダブルの効き目、ダブルの作用」等のように、医薬品等の効能・効果の質の向上を示す語として用いられていることから、本件商標の要部は「インパクト」の部分にあり、本件商標からは、「インパクト」の称呼及び「衝撃、影響」の観念をも生ずるものである。

他方、引用商標からも「インパクト」の称呼及び「衝撃、影響」の観念を生ずるものである。

したがって、両商標は、称呼及び観念において類似する商標であり、指定商品も同一又は類似する。

(3)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について

申立人は、引用商標を「(医療用)流動食」について使用しており、主に、ICU(集中治療室)などに入院している重症患者向けの製品として販売されている(甲第1号証)。本製品は、1989年に主に欧米を中心に販売が開始され(甲第6号証及び甲第7号証)、現在においては、わが国はもとより欧米の臨床現場においても高い評価を受けており、世界32カ国において販売され(甲第1号証、甲第7号証及び甲第8号証)、世界的に注目を集めている。

わが国における本製品の売上げは、2002年度は1億7千万円、2003年度は3億円、2004年は4億円であり、2006年には10億円の売上高を目指しており(甲第1号証)、全国紙、地方新聞をはじめ医療機関紙や医療雑誌等(甲第2号証ないし甲第31号証)においてたびたび特集されている。本製品の需要者は、特定の医療の分野に限定されないことから、医療分野全体にあまねく認知されており、患者はもとより、医療技術に関心のある一般需要者にも広範に認知されているものである。

そして、本製品は、主にICU(集中治療室)などに入院している重症患者向けの製品であり、高度な医療の現場において、栄養剤以上の医療的役割を担っているものであって、「薬剤」とは密接な関連性を有しているものである。

以上のとおり、本件商標は、申立人の著名な商標である「インパクト(IMPACT)」と類似する商標であり、本件商標に係る指定商品と申立人の業務に係る上記商品とは類似するものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当し、また、本件商標がその指定商品に使用された場合には、商品の出所について混同を生じるおそれがあるから、同第15号にも該当する。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、前記1のとおりの構成からなるところ、構成各文字は、外観上まとまりよく一体的に表現されており、これより生ずる「ダブルインパクト」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。そして、たとえ、構成中の「ダブル」の文字部分が医薬品等の効能・効果の質の向上を示す語として用いられる場合があるとしても、かかる構成においては商品の品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るものともいい難く、むしろ、構成全体をもって「二重の衝撃」の如き一体的な意味合いを表した商標として認識され把握されるとみるのが自然である。

そうとすれば、本件商標は、該構成文字全体に相応して「ダブルインパクト」の称呼及び「二重の衝撃」の如き観念のみを生ずるものであって、単に「インパクト」の称呼及び「衝撃、影響」の観念が生ずることはないものといわなければならない。

してみれば、本件商標から単に「インパクト」の称呼及び「衝撃、影響」の観念をも生ずるものとし、そのうえで、本件商標と引用商標とが称呼及び観念において類似するものとする申立人の主張は採用できない。

そして、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成より見て、外観上明らかに相違するものである。

その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき特段の理由は、見出せない。

したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第10号について

上記(1)のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、その余の要件について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。

(3)商標法第4条第1項第15号について

上記したとおり、本件商標と引用商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるばかりでなく、申立人の提出に係る証拠をもってしては、本件商標の登録出願時において、引用商標が申立人の業務に係る商品を表す商標として、取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めるに充分なものとはいえない。

してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(4)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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