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Trademark Appeal Case

略称の著名性要件

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−14458(T2004−14458/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「IDT」の文字を標準文字で書してなり、第38類「国内・国際及び長距離電話による通信,コールバック方式による国内・国際及び長距離電話による通信,その他の電話による通信,テレホンカードを利用した電気通信,その他の電気通信(放送を除く。)」を指定役務として、平成15年4月23日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、米国カリフォルニア州サンタクララ所在の半導体メーカーである『Integrated Device Technology,Inc.』の著名な略称である『IDT』の文字からなるものであって、かつ、その者の承諾を得ているものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。』旨認定、判断して本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「IDT」の文字を書してなるものである。

ところで、商標法第4条第1項第8号が、他人の氏名等を含む商標について登録を受けることができないと規定する趣旨は、当該他人の人格権を保護する点にあるところ、同号が、他人の「氏名」については著名性を要件としていないのに対し、他人の氏名等の「略称」についてはこれを要件としているのは、戸籍によって通常確定される「氏名」とは異なり、略称については、これを使用する者がある程度恣意的に選択する余地があること、そして、著名な略称であって初めて氏名と同様に特定人を指し示すことが明らかとなり、氏名と同様に保護されるべきことによるものと解される。上記のとおり、同号が略称について規定する著名性とは、略称について、使用する者が恣意的に選択する余地のない氏名と同様に保護するための要件であるから、それが認められるためには、当該略称が、我が国において、特定の限られた分野に属する取引者、需要者にとどまらず、その略称が特定人を表示するものとして、世間一般に広く知られていることが必要であるというべきである(東京高裁平成16年8月9日 平成16年(行ケ)第56号)。

そこで、本願商標についてみると、米国法人「Integrated Device Technology,Inc.」が存在し、その略称である「IDT」が半導体製造分野において、上記法人を表すものとして一定程度知られていることは認め得るものの、本願商標を構成する「IDT」の文字が、当該法人の著名な略称を表示するものとして、本願商標の登録出願前より、我が国の需要者の間に広く認識されていたものとする証拠は、見いだせない。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第8号に該当するととして本願を拒絶した原査定は妥当でなく、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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