1 本願商標
本願商標は,「癒しの葬儀」の文字(標準文字による商標)を書してなり,第44類及び第45類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として,平成16年8月18日に登録出願され,その後,その指定役務については,同17年4月1日付けの手続補正書により,第45類「葬儀に関する相談,葬儀の執行」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は,「本願商標は,『癒しの葬儀』と書してなるところ,その構成中『癒し』は『病気や傷をなおす。飢えや心の悩みなどを解消する。』等の意を有し,当該『癒し』の文字が本願の指定役務との関係において使用されていることから,本願商標を指定役務に使用するときは,『癒しを目的とした葬儀に関する相談・葬儀の執行』であることを理解させるにとどまり,単に役務の質,内容を表示してなるにすぎないから,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記役務以外の役務に使用するときは,役務質の誤認を生じさせるおそれがあるから,商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断して,本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は,「癒しの葬儀」の文字を書してなるところ,構成中前半部分の「癒し」が「心の悩みなどを解消する。」という意味を有し,また,後半部分の「葬儀」が「死者をほうむる儀式」の意味を有するものであるとしても,これらを「の」の文字を介して同書同大同間隔で結合した「癒しの葬儀」なる文字全体が,直ちに役務の質,内容を具体的に表示するものとして理解されるとまではいうことができず,むしろ全体をもって特定の意味合いを有しない一種の造語を表したものとして認識されるものとみるのが相当である。
そして,当審において,職権をもって調査するも,「癒しの葬儀」の文字が,本願の指定役務を取り扱う業界において,役務の質,内容等を表示するものとして,普通に使用されている事実を見いだすことができなかった。
してみると,本願商標は,役務の質,内容等を表すものではないから,これをその指定役務に使用しても,自他役務の識別標識としての機能を十分に果たし得るものである。
また,本願商標は,上記のとおり,特定の意味合いを看取させない一種の造語よりなるものであるから,これをその指定役務中のいかなる役務に使用しても,何らその役務の質について誤認を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって,本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして,本願を拒絶した原査定は,妥当でなく,取消しを免れない。
その他,政令で定める期間内に本願について拒絶をすべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。