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Trademark Appeal Case

農POの記述性と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2002−10902(T2002−10902/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「農PO」の文字を標準文字をもって書してなり、第17類「農業用ポリオレフィンフィルム(但し、単層の農業用ポリエチレンフィルム及び単層の農業用エチレン−酢酸ビニル共重合フィルムを除く)」を指定商品とし、平成11年11月22日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、当審における同14年9月30日付け手続補正書により、第17類「ポリエチレン層とエチレン酢酸ビニル共重合体層との積層を有する農業用プラスチックフィルム」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『農業用ポリオレフィン系フィルム』を意味する語として、取引者、需要者間において一般に使用されている『農PO』の文字を普通に用いられる方法で表してなるものであるから、これをその指定商品に使用するときは、単に商品の品質を表示したにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、上記1のとおり、「農PO」の文字よりなるところ、当審における請求人の提出に係る甲第13ないし第15号証の「農業技術体系」(社団法人農山魚村文化協会発行)、同第16号証、同第17号証及び同第19号証ないし第21号証の「農耕と園藝」(株式会社誠文堂新光社発行)及び同第18号証の「現代農業」(社団法人農山魚村文化協会発行)の記事内容及び商品広告を総合勘案すれば、「農PO」の語は、「農業用ポリオレフィン系フィルム」を指称するものとして普通に使用されているといえるものである。

ところで、請求人は、上記当審において提出された証拠について、誤って記載してしまった、不当な使用を示したにすぎない、或いは、黙示であるが許諾していた旨主張しているが、その事情をもってしても、本件の判断を左右するものではない。

また、日刊工業新聞・流通サービス新聞記事情報(1998.05.07 日刊工業新聞15頁「シーアイ化成、農業用ポリオレフィン系多層フィルムのプラントを新設」)及び同じく(1999.02.04 日刊工業新聞18頁「三井化学、4月1日付で農業資材子会社を統合。経営効率の向上狙う」)の各見出しの記事中には、「農業用ポリオレフィン系多層フィルム(農PO)のプラント・・・」、「農業用ポリオレフィン(農PO)フィルムなどの・・・」等と記載されていることが認められる。

そうすると、本願商標は、「農PO」の文字を書してなるものであるから、これに接する取引者、需要者は、上記この種業界事情とも相まって、これより「農業用ポリオレフィン系フィルム」であることを容易に理解し、認識するにすぎないものとみるのが相当である。

してみれば、本願商標は、これをその補正後の指定商品である「ポリエチレン層とエチレン酢酸ビニル共重合体層との積層からなる農業用プラスチックフィルム」に使用する場合は、商品の品質を普通に表したにすぎないものというべきであり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわざるを得ない。

なお、請求人は、原審において、甲第7ないし第17号証(枝番を含む。)を提出し、商標法第3条第2項の使用による識別力を立証する旨主張しているが、それらの証拠をもってしても、使用により識別力を有するに至った商標とは認め難く、それに基づく請求人の主張は採用できない。

また、請求人は、当審において、甲第6ないし第10号証を提出し、「登録商標の指定商品について自他商品の識別力が認められている以上、本願商標も識別力が認められて然るべきである。」旨主張しているが、本願商標が識別力を有するか否かの判断は、その登録査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品とに基づいて個別具体的に判断すべきものであって、登録例が存在することのみによって、識別力を有するものとはできないし、また、本願商標の識別力を有するか否かの判断が、登録例に拘束されるものではないから、この点に関する請求人の主張は採用できない。

さらに、当審における平成14年9月30日付け手続補正書により補正された商品「ポリエチレン層とエチレン酢酸ビニル共重合体層との積層

を有する

農業用プラスチックフィルム」は、登録出願時の指定商品の範囲を拡大するおそれのある表示と認められることから、指定商品の範囲を変更するものでなく、かつ、その範囲を明確に表示した「ポリエチレン層とエチレン酢酸ビニル共重合体層との積層

からなる

農業用プラスチックフィルム」と読み替えて、審理を行ったものである。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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