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Trademark Appeal Case

資格名称の誤認性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2005−8310(T2005−8310/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「血液栄養診断士」の文字を横書きしてなり、第44類「栄養摂取及び健康管理に関する助言・情報の提供,栄養の指導,栄養に関する助言・情報の提供,栄養の指導に関するコンサルティング,電子計算機端末による通信を利用した栄養に関する情報の提供」を指定役務として、平成16年5月19日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、特定の公的資格を有する者について付与される称号を表すものとして多数使用されている『○○士』といった構成よりなり、その構成中に『血液や栄養状態の診断に係る特定の有資格者』といった意味合いを認識させる『血液』及び『栄養』並びに『診断士』の文字を顕著に表示してなるところ、我国において、血液等の人の身体状態や栄養状態についての診断を行うことは医業(医療行為)であり、法の定めにより、医師の業務とされているもので、このような文字からなる商標を登録することは、指定役務との関係からみて、これに接する者をして恰も血液や栄養状態の診断業務を行うことができる資格表示であるかのごとく誤認を生じさせるおそれがあり穏当ではない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、上記のとおり、「血液栄養診断士」の文字を書してなるところ、該構成中の「血液栄養診断」の文字部分よりは「血液や栄養の状態を診断する」の意味合いが想起されるとするのが相当である。

一方、「士」の文字は、他の文字と結合して、身分や資格等を示す名称として使用されており、例えば、博士、弁護士、弁理士、税理士等のように法律で規定され、その使用が規制されている資格名称も存在することから、一般国民が、末尾に「士」の文字を付された名称に接した場合、一定の国家資格を付与された者を表したものと理解することも少なくないということができるが、他方、このような法律には準拠しない、いわゆる民間資格として、「士」の文字を含む名称が使用されている事実も少なからず認められるところである。

そして、本願商標は、上述のとおり、「血液や栄養の状態を診断する資格を有する者」の意味合いを認識させるとするのが相当であるが、「血液栄養診断士」の名称は、法律等により規定されたものではなく、かつ、その構成文字の一部を含め、その使用が制限されているものとはいえず、また、本願商標と誤認を生ずるおそれのある国家資格等も見出し得ないことから、本願商標は、国家若しくは公の機関が付与する資格や称号と紛らわしいものとはいい得ない(例えば、医学、栄養学、健康指導等に関する国家資格としては、「医師」、「看護師」、「栄養士」、「管理栄養士」、「作業療法士」などが存在し、それぞれ法律により、無資格者がこれらの名称及びこれらと紛らわしい名称を使用することを禁止しているが、本願商標が、これらの名称と紛らわしいものであるとはいい得ない)。また、当審において職権により調査するも、原審で説示のように、「我国において、血液等の人の身体状態や栄養状態についての診断を行うことが医業(医療行為)であり、法の定めにより、医師の業務とされている」ことを証明する事実も発見できなかった。

してみれば、本願商標をその指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者は、国家資格若しくは公的資格を表す名称、称号等を表したものであるかのように誤信するおそれはないものというべきであるから、これが、直ちに国家資格等の制度に対する社会的信頼を失わせ、ひいては公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものということはできない。

さらに、本願商標は、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的又は他人に不快な印象を与えるものではなく、また、これを使用することが社会公共の利益に反する又は社会の一般的道徳観念に反するものでもない。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものではないから、これを理由として本願を拒絶した原査定は取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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