結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2005−31335(T2005−31335/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4149469号商標(以下「本件商標」という。)は、「ゴダイゴ」の片仮名文字を横書きしてなり、平成6年4月25日に登録出願、第41類「映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又運営,音楽の演奏,放送番組の制作,音響用又は映像用のスタジオの提供,楽器演奏の教授」を指定役務として、同10年5月29日に設定登録されたものである。
請求人は、「本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする」との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した(なお、請求人は、証拠方法を乙号証と表示しているが、一般的に用いられている表示方法に倣い、請求人の提出に係る証拠であるから、甲号証の表示をもって扱った)。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定役務について、3年以上、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
(ア)被請求人は、ロックバンド「ゴダイゴ」による使用を証明しようとするにあたり、「本件商標は、商標権者によって、ロックバンド『ゴダイゴ』に対して使用許諾され、現在に至るまで使用されてきた」と述べているが、そのような使用許諾が為されたことを証明する書面はなく、商標登録原簿にも通常使用権の登録は見当たらない。
(イ)乙第2号証は、テレビ放映を報じる新聞記事であり、記事の文中に「70年代後半に一世を風びした人気グループ『ゴダイゴ』がテレビで一夜限りの復活を果たすことになった。・・・」と記載されているが、ここに用いられている「ゴダイゴ」は、人気グループのグループ名を示しているにすぎず、上述の各役務の提供にあたり、商標として使用されていたことは証明されていない。乙第3号証及び乙第4号証は、テレビ放映を報じるインターネット上の情報であり、ここにおいても、「ゴダイゴ」は人気グループのグループ名を示しているにすぎず商標的態様での使用ではない。
(ウ)乙第5号証は、ライブ演奏に関する広告チラシであり、「GODIEGO ART ENSEMBLE」と表示されているが、これは、この時に行われたライブ演奏の内容を示すものであり、商標的態様での使用ではない。乙第6号証における記載も同様である。
(エ)乙第7号証では、ゴダイゴのメンバーが並ぶ位置と重ねてそのグループの名称を示すものとしてテレビ画面のテロップに「ゴダイゴ」等と示されており、乙第8号証では、テレビ番組の出演者の名称「ゴダイゴ」を示すものとして使用されているものであって、このような使用は、商標的態様での使用ではない。
(オ)上記のとおり、本件商標は、その指定役務について、3年以上、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用していない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第11号証を提出した(なお、被請求人は、証拠方法を甲号証と表示しているが、一般的に用いられている表示方法に倣い、被請求人の提出に係る証拠であるから、乙号証の表示をもって扱った)。
本件商標は、商標権者によって、ロックバンド「ゴダイゴ」に対して使用許諾され、その通常使用権者によって、指定役務中の「音楽の演奏」等の役務について、過去3年以内に日本国内で使用されているものである。
同バンドは、アルバム「GODIEGO新創世記」でデビューした後、1977年に、最高傑作といわれるアルバム「DEAD END」を発表。1978年にテレビ番組「西遊記」のエンディングテーマ「ガンダーラ」、1979年には同主題歌「モンキー・マジック」、映画「銀河鉄道999」主題歌、「西遊記II」のエンディングテーマ「ホーリーアンドブライト」などが爆発的にヒットし、同時期に3曲がベスト10チャートインするなどした。
1985年に一旦解散するが、それ以後も、ミッキー吉野の手によって「ゴダイゴ」を名乗るバンドは、1999年、2002年、2005年と再結成されている(乙第1号証等)。そのうち、1999年のコンサートツアーは最も大規模なものであり、NHKの紅白歌合戦にも出場したが、本件審判請求の予告登録(平成2005年11月21日)から3年以内の2002年12月30日には、TBS「ザ・ベストテン2002」に出演した(乙第2号証ないし乙第4号証)。なお、2003年9月13日には、一部のオリジナルメンバーの他、ミッキー吉野が「Rickey Pop」と称するロックバンド及び「Orgia Brass Ensemble」というブラスバンドを伴って、東京都渋谷区「CROCODILE」においてライブ演奏を行ったが、その際にも「GODIEGO ART ENSEMBLE」というタイトルで興行された(乙第5号証及び乙第6号証)。
続いて、2005年3月30日には、TBSの50周年記念番組として放送された「昭和〜平成にっぽん歌謡50年全史」に出演して、1978年にヒットした曲「ガンダーラ」を演奏した(乙第7号証及び乙第8号証)。なお、画面には「ゴダイゴ」の文字とともに「今夜だけ再結成」の表示が見られ、また、2002年のテレビ出演の際も「一夜限りの復活」とされているが、これらは放送局側が視聴率を上げるための演出と見るべきものであり、現に今後も継続的なバンド活動を予定している。
また、ミッキー吉野率いる当該バンドの公式ウェブサイト(http://columbia.jp/~godiego/)においては、トップページ等に「GODIEGO」の標章が表示されている(乙第9号証)。
さらに、インターネットで、「ゴダイゴ」を検索すると、約109000件ものウェブサイトがヒットし、「GODIEGO」で検索しても約36500件がヒットする。これらの全部ではないとしても、少なくとも上位にリストされるサイトは、すべて当該バンド「ゴダイゴ」に係るものである(乙第10号証及び乙第11号証)。
以上のとおり、本件商標は、ミッキー吉野及び同人の率いるロックバンド「ゴダイゴ」によって、過去3年以内に日本国内で使用されたものであるから、本件審判請求には理由がない。
(1)被請求人の提出に係る乙各号証によれば、以下の事実を認めることができる。
乙第1号証は、インターネット「フリー百科事典ウィキペディア」であり、「ゴダイゴ(GODIEGO)は1976年に結成され、人気を集めたバンド。日本のロックバンドの草分け的存在」とあり、その詳細について記載されている。
乙第2号証は、「スポーツニッポン2002年12月24日号」の記事抜粋であり、「30日TBS『ザ・ベストテン2002』で一夜限り/ゴダイゴ復活」の見出しで記事が掲載されている。
乙第3号証は「スポニチアネックス芸能記事(2002年12月24日分)」、乙第4号証は「Yahooニュース(2002年12月24日分)」であり、いずれも、乙第2号証と同様に、「TVで『ゴダイゴ』一夜限りの復活」の見出しで記事が掲載されている。
乙第5号証は、ミッキー吉野が一部のオリジナルメンバーとともに、2003年9月13日に東京都渋谷区「CROCODILE」においてライブ演奏を行った際の広告チラシであり、「GODIEGO ART ENSEMBLE」というタイトルが記載されている。
乙第6号証は、「ミッキー吉野」公式ホームページの抜粋であり、乙第5号証と同様、「GODIEGO ART ENSEMBLE」というタイトルでライブ演奏を行ったこと等の記事が掲載されている。
乙第7号証は、2005年3月30日に放映されたTBSテレビ「昭和〜平成にっぽん歌謡50年全史」の画面であり、乙第8号証はその台本の抜粋であって、テレビ画面には、演奏した「ガンダーラ」の曲目等とともに「ゴダイゴ」のテロップが流されている。
乙第9号証は、2005年12月19日打出しに係る「GODIEGO」公式ホームページ(http://columbia.jp/~godiego/)の抜粋であり、該ホームページの冒頭部分には「GODIEGO」の名称が大きく表示されており、次葉以下に、ゴダイゴに関する各種紹介記事をはじめ、曲目の試聴や既に終了しているものではあるが、各種ライブコンサートの紹介記事等が掲載されている。
乙第10号証及び乙第11号証は、インターネット(Google)の検索情報であり、「GODIEGO」及び「ゴダイゴ」に関する記事が数多く存在していることを認めることができる。
(2)上記において認定した事実によれば、ミッキー吉野率いるロックバンド「ゴダイゴ(GODIEGO)」は、1976年に結成され、その後1985年には一旦解散したが、それ以後も、「ゴダイゴ」を名乗るバンドは、1999年、2002年及び2005年に再結成されており、本件審判の請求の登録日(平成17年11月21日)前3年以内である2002(平成14年)年12月30日には、TBS「ザ・ベストテン2002」において演奏活動をしており(乙第2号証ないし乙第4号証)、2005年(平成17年)3月30日には、TBSテレビ「昭和〜平成にっぽん歌謡50年全史」に出演して「ガンダーラ」を演奏していた事実を認めることができる(乙第7号証及び乙第8号証)。
そして、乙第9号証の「GODIEGO」公式ホームページには、ゴダイゴに関する各種紹介記事、ゴダイゴの演奏曲の試聴やCDやビデオの販売ばかりでなく、既に終了しているものではあるが、各種ライブコンサートの紹介記事も多数掲載されていることが認められる。
(3)しかして、商標の使用行為は、商標法第2条第3項に規定されているところ、同項第7号には「商品又は役務に関する広告、定価表又は取引書類に標章を付して展示し、又は頒布する行為」が規定されており、乙第9号証のホームページは、同号に規定されている行為中の「音楽の演奏という役務に関する広告に標章を付して展示する行為」に該当するものと解することもできる。
そして、該ホームページは、掲載されている内容が既に終了しているライブコンサートの記事であることからして、本件審判の要証期間以前から現在に至るまで閲覧可能と推測されるものであり、ホームページの表題部に記載されている「GODIEGO」の表示は、役務の識別標識としての機能を果たし得るものであって、該「GODIEGO」の表示は、乙第1号証(インターネット「フリー百科事典ウィキペディア」)等に照らしてみても、「ゴダイゴ」の称呼及び「(ロックバンドの)ゴダイゴ」の観念を生ずるものであるから、本件商標と社会通念上同一の商標と認められるものである。
以上を総合勘案すれば、本商標権についての通常使用権者と認められるミッキー吉野ないしはミッキー吉野率いるロックバンドの「ゴダイゴ」は、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる「GODIEGO」の商標を「音楽の演奏」という役務について使用していたと推認することができる。
(4)請求人の主な反論について
この点について、請求人は、(ア)乙第2号証ないし乙第8号証の新聞記事やテレビ画面などに表されている「ゴダイゴ」の表示は、いずれも商標的態様での使用ではないこと、(イ)被請求人がロックバンド「ゴダイゴ」に使用許諾を与えたことを証明する書面は提出されていないことを挙げて反論している。
確かに、上記新聞記事やテレビ画面などに表されている「ゴダイゴ」の表示は、「音楽の演奏」という役務の識別標識としてよりも、演奏者としての「ゴダイゴ」というロックバンドを指称している側面が強いことは否定し得ない。
しかしながら、上記したとおり、少なくとも、新聞記事やテレビ放映された演奏活動を踏まえて、乙第9号証のホームページにおいて、「音楽の演奏という役務に関する広告に標章『ゴダイゴ』を付して展示する行為」を行っていたとみることもできるものである。
してみれば、請求人の主張するように、必ずしも「ゴダイゴ」の表示が役務の識別標識として使用されていないということはできない。
また、確かに、乙各号証をみるも、被請求人がロックバンド「ゴダイゴ」に使用許諾を与えたことを証明する書面は提出されていない。しかしながら、通常使用権の許諾自体は、口頭の契約であっても有効なものであり、商標登録原簿への登録が効力発生要件でもないから、この点についての請求人の主張も採用できない。
(5)まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、本商標権についての通常使用権者と認められるミッキー吉野ないしはミッキー吉野率いるロックバンドの「ゴダイゴ」により、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を取消請求に係る本件商標の指定役務中の「音楽の演奏」について使用していたことを証明したものと認めることができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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