Trademark Appeal Case
称呼類似と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第809号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別紙に示すとおりの構成よりなり、第25類「被服(ただし、和服を除く。),ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服、運動用特殊靴」を指定商品として平成8年5月15日に登録出願、その後、指定商品については、同9年10月15日付手続補正書をもって「被服(ただし、和服を除く。)」と減縮補正がされたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、その拒絶の理由に引用した登録第2005464号商標(以下「引用商標」という。)は、別紙に示すとおり「TWEENS」の欧文字を横書きしてなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く),布製身回品(他の類に属するものを除く),寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、昭和60年8月2日登録出願、同62年12月18日に設定登録され、その後、指定商品については、商標法第50条の規定に基づく取消審判の請求があった結果、指定商品中の「帽子,ナイトキャップ,ずきん,ヘルメット,すげがさ,頭から冠る防虫網」についてその登録を取り消す旨の審決がされ、その確定登録が平成6年1月5日にされているものである。また、本件商標の登録に係る権利は平成9年11月4日に商標権存続期間の更新登録がなされているものである。
3 当審の判断
本願商標は、その構成別紙に示すとおり、三重の細線による正円輪郭内上半分の位置上段に、小さく「NEXTURE」の欧文字を、同下段に大きく「TWINS」の欧文字をそれぞれ表し、同輪郭内下半分の位置にズボンと靴の絵図による一対の擬人化図形を表してなるものである。
しかして、これら文字と図形よりなる構成の全体からは直ちに特定の事物を想起させるものではなく、全体を常に一体不可分のものとして把握しなければならないような特段の事情も存しないから、前記文字部分はそれ自体独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものと認められる。
そこで、該文字部分についてみるに、上段の「NEXTURE」の文字部分と下段の「TWINS」の文字部分とは文字の大小等により視覚上自ずと分離して看取されるばかりでなく、前者が何らの語義も有しない造語であるのに対し、後者は一般に「対の(もの)、ふたご(双生児))」の意味合いを有する英語の「TWIN(ツイン)」の複数形と容易に理解されるものであって、両語間に意味上の関連性はなく、かつ、全体として特定の意味合いを表現し得るものとも認められないから、「TWINS」の文字部分は、それ自体独立して商品識別の機能を果たし得るものと認められる。
そして、かかる場合、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成にあって圧倒的顕著に表され、かつ、親しみ易く馴じみ易い部分というべき欧文字の「TWINS」の文字部分に着目し、該文字部分より生ずる「ツインズ」の称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないものというのが相当である。
したがって、本願商標からは、単に「ツインズ」の称呼も生ずるものといわなければならない。
他方、引用商標は、別紙に示すとおり、「TWEENS」の欧文字よりなるところ、該文字からは直ちに特定の意味合いを看取し得ない一種の造語とみられるから、かかる場合、我が国において一般に最も親しまれている外国語というべき英語風の読み方をもって、例えば「tweed」を「ツイード」と読む如く、これを「ツイーンズ」と読み、その称呼をもって取引に資するものとみるのが自然である。
そこで、本願商標より生ずる「ツインズ」の称呼と引用商標より生ずる「ツイーンズ」の称呼とを比較するに、両者は、僅かに中間に位置する「イ」の音に伴う長音(−)の有無の差異を有するのみで、他の音構成を全て同じくするものである。
しかして、該差異音(長音)は前音の母音の余韻として聴取される程度の弱い音であり、かつ、後続の鼻音「ン」に吸収され易く、それ自体の音の響きが弱められる結果、該音の差異が両称呼に及ぼす影響は決して大きいものということはできない。
そうすると、両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合、両者は全体の全体の語調語感が近似したものとなり、彼此聞き誤るおそれのある称呼上類似の商標といわざるを得ない。
そして、本願商標の指定商品である被服類の商品分野においては、電話等、口頭による商取引が普通一般に行われているところであって、商標より生ずる称呼を重要な取引指標とする実情にあるといわなければならない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観及び観念の点を考慮するとしてもなお、その出所について混同を生ずるおそれのある類似の商標というべきであり、かつ、本願の指定商品は引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものである。
したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、正当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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