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Trademark Appeal Case

商標不使用取消

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2005−30833(T2005−30833/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第3229597号商標の指定商品中「かばん類,袋物」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第3229597号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成6年8月22日登録出願、第18類「原革,原皮,なめし皮,毛皮,革ひも,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,愛玩動物用被服類」を指定商品として、平成8年11月29日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べた。

(1)請求の理由

本件商標は、その指定商品中「かばん類,袋物」について、被請求人が継続して3年以上日本国内において使用された事実がなく、使用権者による使用の事実もないから、商標法第50条第1項の規定により、「かばん類,袋物」についての登録を取り消されるべきである。

(2)被請求人の答弁に対する弁駁

(ア)被請求人は、「平成4年ごろ、高品質かつ低価格の服飾品を提供する目的で、本件商標の『ファロ』と銘打った、皮革製品の自社ブランドを立ち上げた」として、乙第1号証(販売ショップオープンの案内状)を提出し、また、「同ブランドの製品の製造及び販売は、現在も継続している」として、乙第2号証及び乙第3号証の1ないし6を提出している。

しかしながら、乙第1号証の案内状は、「ブランドショップ・ファロ」という名前の店を平成4年4月11日にオープンする予定であることや、そのオープンに先立つ3月3日からオ−プニング特別セ−ルを行なうことを告知する平成4年当時の書状であるから、平成8年登録の本件商標「FALO」が使用されているはずもなく、本件商標の使用の事実を証明するものとは認められない。

乙第2号証の商品カタログは、これを作成又は発行した日が不明であるうえ、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において頒布されたものと認め得る証拠の提出もない。

乙第3号証の写真は、撮影日や撮影場所、撮影者等が不明であるうえ、その写真に撮影されたものが本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において取引に供されたと認め得る証拠の提出もない。

したがって、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標を使用していることを証明しておらず、使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていないから、本件商標の登録は取り消されるべきである。

(イ)なお、請求人の調べによれば、被請求人は、洋品雑貨の販売ショップとして、「FALO池袋店」、「FALO新宿店」及び「FALO赤坂店」の計3店舗をオープンしたが、平成13年(2001年)をもって、これら全店舗を閉鎖している。

また、その年の8月に、被請求人は、旧住所の「東京都豊島区池袋2−55−2」から、現住所の「東京都練馬区南田中2−5−5」へ移転している。

しかるに、被請求人が「同ブランドの製品の製造及び販売は、現在も継続している」として提出した乙第2号証の商品カタログには、平成13年に閉鎖した店舗「Ikebukuro shop (池袋店)」、「Shinjuku shop(新宿店)」及び「Akasaka shop(赤坂店)」と、平成13年8月以前の被請求人「EXCEL CO.LTD」の旧住所「2−55−2 IKEBUKURO TOSHIMA−KU TOKYO(東京都豊島区池袋2−55−2)」が表示されている。

商慣行に徴すれば、閉鎖した店舗や販売者の旧住所が表示された商品カタログを顧客に頒布することなど通常ではあり得ないから、乙第2号証の商品カタログは、平成14年以降に頒布されたものとは認められない。

しかも、被請求人は、平成13年に上記3店舗を全て閉鎖して洋品雑貨の販売事業から撤退し、平成14年以降は、従前から行なっていたユニフォームのレンタルと、平成14年に開始したゴルフ用品店「ゴルフパートナー」と宅配寿司店「銀のさら」のチェーン展開と、平成16年に開始した釜飯店「釜トラ」のチェーン展開とを主たる事業としているから、本件商標の使用商品を取引に供するような業務実体を有していない。

したがって、「同ブランドの製品の製造及び販売は、現在も継続している」という被請求人の答弁は、全く信用できない。

(ウ)結び

被請求人は、商標法第50条第2項の規定に基づき、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標を取消請求に係る指定商品について使用していることを証明し、又は使用していないことについて正当な理由があることを証明すべきところ、その証明をなしていない。

よって、本件商標は、取消請求に係る指定商品「かばん類,袋物」についての登録を取り消されるべきである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由及び弁駁に対する答弁を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)答弁の理由

(ア)株式会社エクセル(被請求人)は、食品や日用品等、生活に関連する商品の製造販売を始めに、日常生活の全般における様々な商品の企画・製造・販売を中心とした事業を行う会社として、昭和62年に設立した企業である。そして、商業登記簿謄本記載の設立目的において、「皮革製品の製造販売」を記載している。

(イ)被請求人は、平成4年ごろ、高品質かつ低価格の服飾品を提供する目的で本件商標の「ファロ」と銘打った、皮革製品のブランドを立ち上げた(乙第1号証)。

「ファロ」は、高級ブランド企業が手がけるように、男性・女性、それぞれを対象として、かばん・財布・小銭入れ・名刺入れ・キーケース・傘・携帯用化粧道具入れ・その他袋物など、小物類のトータル・コーディネイトを目的として企画されたものであり、同ブランド製品の販売は、現在も継続している(乙第2号証の商品カタログ、乙第3号証1ないし6の各商品の写真)。

(ウ)同ブランドの製品は、全てイタリア国内で製造されているが、本件審判の請求に係る「かばん類」に関しては、製造元が他の小物類とは異なり、同社が2年ほど前に工場を閉鎖したため、在庫が完売した現在、販売実績がない。

しかしながら、前述のとおり、財布や名刺入れ、小銭入れやキーケース、袋物類などは、現在でも販売実績があり、同ブランドのコンセプトが、「かばん」から「その中身」に至るまでの、トータル・コーディネイトを目的とした企画である以上、現在、「かばん」の販売を再開すべく、製造を請け負うイタリア国内の数社と交渉を行っている。

仮に、請求人の申立てが認められるようなことがあった場合、被請求人がこれまでに「かばん」製造再開のために費やした費用や時間が無駄になるばかりではなく、請求人が本件商標を用いようとする商品が、あたかも現在も販売を継続している被請求人の同ブランドの小物類と同一ブランドであるかのような誤解を、消費者に与える可能性がある。

よって、本件審判請求は、棄却されるべきである。

(2)請求人の弁駁に対する答弁

(ア)請求人は、乙第1号証について、「本件商標の使用の事実を証明するものとは認められない。」と主張するが、平成4年当時より、既に、被請求人が「ファロ」という名称を用いた店舗を経営していたこと、その後に取扱商品を拡大すべく、同名称を用いて「FALO」という自社ブランドを立ち上げ、企画・製造・販売に着手し、これに伴い商標登録を行ったという一連の経緯、及び、乙第3号証に示したとおり、商品の実物も存在している点をかんがみると、被請求人が、本件商標を使用してきた事実は明らかであり、請求人の上記主張は誤りである。

(イ)なお、乙第3号証については、当初の取扱店を閉鎖した後、同じく、被請求人が経営するゴルフ用品店である「ゴルフパートナー」及び「ゴルフパラダイス」にコーナーを設けて販売を継続していることから、これらの店舗より商品を取り寄せ、商品故に実物を提出することができないので、平成18年2月17日に、被請求人代理人が同事務所内にて撮影したものである。

(ウ)その後、被請求人は、洋品雑貨の販売ショップである「FALO池袋店」「FALO新宿店」及び「FALO赤坂店」については、平成13年に閉鎖している。そして、乙第2号証は、販売開始当時のカタログであって、現在では、こうしたカタログを作成及び配布していない。しかしながら、同証拠により、少なくとも、被請求人が本件商標を使用している事実は証明される。被請求人は、多方面にわたり事業を展開しており、販売手段は、種々考えられるものであって、必ずしも、上記3店舗のみで本件商標を用いた商品を取り扱わなくてはならないものではない。

よって、3店舗が閉鎖された事実をもって、過去3年以内に本件商標を用いた商品の販売実績がないとする請求人の主張は、あまりに短絡的である。

4 当審の判断

(1)使用の事実について

商標法第50条第1項による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項に規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品について当該商標を使用していることを証明し、または、使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その指定商品に係る商標登録の取消しを免れないところである。

しかるところ、被請求人の提出に係る乙第1号証は、ブランドショップ「ファロ」を平成4年4月11日にオープンする予定であり、そのオープンに先立つ3月3日からオ−プニング特別セ−ルを行うことを告知する案内状であるから、平成4年当時に当該ショップがオープンしたことが認め得るとしても、これをもって、本件審判の請求の登録前3年以内に本件商標が使用していた事実を証明するものとはならない。

乙第2号証の商品カタログは、札入れ、カードケース、コインケース、キーケース等の商品が掲載されていることは認められるが、該カタログの作成、配布された日が不明であるばかりでなく、被請求人は、該カタログについて、販売開始当初のカタログであり、現在は、こうしたカタログを作成及び配布していないと認めているものである。

乙第3号証の写真は、キーケース、コインケース、カードケースの写真であるが、該商品に本件商標等が刻印されていることは認め得るとしても、その写真に撮影されたものが本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において取引に供されたと認め得る証拠の提出もない。

そして、被請求人は、本件商標を請求に係る商品に使用していることについて、上記乙第1号証ないし乙第3号証のほか、何ら立証していない。

してみれば、被請求人の提出に係る証拠によっては、本件審判の請求の登録(平成17年7月27日)前3年以内に、商標権者、専用使用権者又は通

常使用権者のいずれかが本件商標を請求に係る指定商品のいずれかについて使用していることを証明したとは認めることができない。

(2)被請求人は、「仮に、請求人の申立てが認められるようなことがあった場合、被請求人がこれまでにかばん製造再開のために費やした費用や時間が無駄になるばかりではなく、請求人が本件商標を用いようとする商品が、あたかも現在も販売を継続している被請求人の同ブランドの小物類と同一ブランドであるかのような誤解を、消費者に与える可能性がある。」として、本件審判請求は棄却されるべきである旨、主張している。

しかしながら、前述のとおり、キーケース、コインケース等についても本件商標について使用をしていることが認めることができないが、仮に被請求人の主張が、被請求人がかばんについて本件商標の使用について準備を進めていることが本件商標の使用をしていないことについての正当な理由があることを主張するものであるとしても、不使用についての正当な理由には、単に将来的に使用をする意思があるというだけでは足りず、将来的に使用をする意思があるにもかかわらず、例えば、地震、水害等の不可抗力、放火、破壊等の第三者の故意又は過失による事由、法令による禁止等の公権力の発動に係わる事由等商標権者、専用使用権者又は通常使用権者の責めに帰すことができない特別の事由が発生したために、当該審判の請求の登録前3年以内に現実に使用をすることができなかった場合が該当するのであり、本件商標を使用していないことについて、正当な理由があることを認めることはできない。

(3)結び

以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、指定商品中「結論掲記の指定商品」についての登録を取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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