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Trademark Appeal Case

結合商標の要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2005−89161(T2005−89161/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4502798号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4502798号商標(以下「本件商標」という。)は、「NATURO DIVA」の文字及び「ナチュロ ディーバ」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成12年9月11日に登録出願され、第3類「シャンプー,その他の化粧品」を指定商品として平成13年8月31日に設定登録されたものである。

2 引用商標

請求人が引用する登録商標は、次の(1)ないし(4)である。

(1)登録第1274452号商標(以下「引用商標1」という。)は、「DIVA」の文字を横書きしてなり、昭和48年5月14日に登録出願、第4類「せっけん類、歯みがき、化粧品、香料類」を指定商品として、昭和52年6月6日に設定登録され、その後、昭和62年12月14日及び平成9年6月3日の2回に亘り商標権の存続期間の更新登録がされているものである。

(2)登録第2068587号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、昭和58年8月10日に登録出願、第4類「せっけん類、歯みがき、化粧品、香料類」を指定商品として昭和63年7月22日に設定登録され、その後、平成10年8月18日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。

(3)登録第2068588号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、昭和58年8月10日に登録出願、第4類「せっけん類、歯みがき、化粧品、香料類」を指定商品として昭和63年7月22日に設定登録され、その後、平成10年8月18日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。

(4)登録第4222747号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(3)のとおりの構成からなり、平成9年10月7日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,かつら装着用接着剤,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用漂白剤,洗濯用ふのり,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」を指定商品として平成10年12月18日に設定登録されたものである。

3 請求人の主張の要点

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1ないし第37号証を提出している。

(1)引用商標の周知性について

引用商標1ないし4は、請求人が長年に亘り香料類(審決注:「香水類」の誤記と認められる。以下同じ。)に使用している著名商標である(甲第9ないし第36号証)。

引用商標1ないし3に係る商標「DIVA」は、請求人の有するファッションブランドのひとつであるエマニュエル・ウンガロの名を戴いた香水の名称であり、該香水「DIVA」は、1983年に発売され、フローラル・ブーケにウッディノートを加えた華やぎのある豊かな香りが発売以来、日本のみならず、世界の多くの女性に好評を博している。

また、1997年には、上記人気の香水「DIVA」の香りをやや軽くカジュアルにし、2種類のローズを中心にフェミニンな花々をブレンドしたピュアな香りである「FLEUR de DIVA」を発売し、「DIVA」と同様に、人気のある香水として日本及び世界において、広く知られている。そして、請求人の使用する商標「DIVA」及び「FLEUR de DIVA」は、日本を含めた世界136ケ国の国と地域において商標登録出願及び商標登録がされるに至っている(甲第25号証)。

請求人の提供する香料類「DIVA」と「FLEUR de DIVA」は、日本において、いずれも発売以来多くの香水専門書籍やインターネットにおいて名香として広く紹介されており、その人気は、本件商標の出願時である平成16年10月1日時点において既に確立されたものとなっている(甲第9ないし第36号証)。

以上より、引用商標1ないし4は、本件商標の出願時には請求人の有するエマニュエル・ウンガロの香料類の名称として、既に我が国において著名であったものと確信する。

(2)本件商標と引用商標の類否

本件商標は、その構成文字に相応して「ナチュロディーバ」、「ディーバ」又は「ディバ」の称呼が生ずる。ここで、本件商標中の「NATURO」の文字部分は、イタリア語の「NATURA」の変化形であり、「自然の、天然の」との意味内容を有し(甲第7号証)、これは英語の「NATURE」或いは「NATURAL」とも語源を共通にする(甲第8号証)一般的な日本人においてもよく知られた外来語のひとつである。これを本件商標の指定商品「シャンプー,その他の化粧品」との関係で見ると、これらの多くの商品が、自然の草・花などの植物等、自然界におけるものを原料としていることから、「NATURO」部分は、これらの商品が、「自然からできた、自然派の」ものであることを表示するにすぎず、かかる点から識別力がないと思料する。

したがって、本件商標の識別力を有する要部は「DIVA」部分であり、この点で本件商標は、「ディーバ」ないし「ディバ」の称呼を有することとなり、「ディーバ」ないし「ディバ」と称呼される引用商標1ないし4と称呼上類似する。

さらに、本件商標の「DIVA」部分は、上述の著名な香料類「DIVA」と同一の欧文字からなるものであるとともに、「プリマドンナ」を意味する単語(甲第6号証)であることから、本件商標は、「ディーバ」ないし「ディバ」と省略して称呼され得ると思料する。特に、上述のとおり、「DIVA」からなる商標は、請求人が香水について長年にわたって使用してきた実績があり(かかる点については、異議2002−90522:甲第37号証においても認められているとおりである。)、こうした事情に照らすと、本件商標がその指定商品中「化粧品」に使用された場合、これに接する取引者、需要者は、自他商品の識別標識として強く印象に残る「DIVA」の文字部分を捉え、これより生じる称呼をもって取引に資する場合も少なくないものといえる。

してみれば、本件商標は、「DIVA」の文字部分に相応して「ディバ」又は「ディーバ」の称呼をも生ずるものと判断される。したがって、かかる点からしても、本件商標は、「ディーバ」ないしは「ディバ」の称呼を生じる引用商標1ないし4と称呼上同一又は類似するものである。

また、本件商標の「DIVA」は、引用商標の「DIVA」部分と同一の欧文字からなることから、外観及び観念上も同一又は類似するものであることは明らかである。

ここで、請求人は、引用商標1ないし3を1983年以来「香水」に使用しており、著名性を有することは上述のとおりであるが、その後、引用商標4の「FLEUR de DIVA」を「DIVA」のシリーズのひとつとして発売して現在に至っている。

したがって、こうしたシリーズブランドの発売といった業界の慣行に鑑みても、本件商標は、著名である請求人の使用にかかる香水「DIVA」のシリーズであるとの観念を容易に生じさせるものであり、かかる点からしても本件商標は引用商標1ないし4と観念上類似するものである。

そして、本件商標は、引用商標1ないし4と同一又は類似の商品に使用されるものである。

(3)商標法第4条第1項第10号について

本件商標は、著名商標である引用商標1ないし4と同一又は類似し、その商品と同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当するものである。

(4)商標法第4条第1項第15号について

請求人の商品を表示するものとして著名な引用商標と同一又は類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、取引者、需要者をして、その商品が請求人の提供に係るものであるかの如く、あるいは、同人と何等かの経済的・組織的関連があるかの如く認識され、出所混同を生ぜしめるおそれがあることが極めて高いといわざるを得ない。

特に、本件商標の指定商品「シャンプー,その他の化粧品」は、現実の取引において、「香料類」と同一の生産部門、販売部門、原材料、用途を有し、需要者の範囲も重なる部分が多いといえる。これらの商品は、デパート、コスメティック専門店、薬局などにおいて、香料類と隣接して販売されていること、いずれも女性を中心とした美容関連商品であることに鑑みれば、本件商標がその指定商品に使用された場合には著名商標「DIVA」ないし「FLEUR de DIVA」との間に混同が生じるおそれが極めて高いといわざるを得ない。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

(5)むすび

以上の理由により、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当し、同法第46条第1項の規定により無効にされるべきものである。

4 被請求人の答弁

被請求人は、何ら答弁していない。

5 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

(ア)引用商標1ないし3の周知性について

請求人の提出に係る証拠によれば、引用商標1ないし3を使用した香水は、1983年の発売以来、女性の間で好評を博しており、本件商標の登録出願前に我が国において発行された「香水賛歌」、「マップルマガジン 香水」、「香水図鑑」、「The一流品 PART9」、「香水の事典」等の書籍、雑誌において、「ディーバ」と称呼され、「エマニュエル・ウンガロ」、「ウンガロ」、「UNGARO」等の標章と共に紹介されていることが認められる(甲第9ないし第12及び第17号証)。また、本件商標の登録出願後にプリントアウトされたものではあるが、インターネットのウェブページにおいても、引用商標1ないし3を使用した香水が掲載されていることが認められる(甲第13ないし第16号証)。

これらの事実によれば、引用商標1ないし3は、本件商標の登録出願時には既に、請求人の業務に係る商品「香水」を表示する商標として、また、「ディーバ」と称呼されるものとして、この種商品の取引者、需要者の間において相当広く認識されていたものというべきであり、その状態は本件商標の登録査定時においても継続していたものといえる。

(イ)本件商標と引用商標1ないし3との類否について

本件商標は、上記1のとおりの構成からなるところ、その構成中の「NATURO」及び「ナチュロ」の文字部分と「DIVA」及び「ディーバ」の文字部分との間に1文字分程の間隙があり、視覚上、両文字部分は分離して看取されるばかりでなく、両者を常に不可分一体のものとしてのみ観察すべき格別の理由は見出し難いものである。しかも、「DIVA」及び「ディーバ」の文字は、「(オペラの)女性歌手、プリマドンナ」の意味を有する英語及びその表音であって、上記(1)のとおり、取引者、需要者間に相当広く度認識されている引用商標1ないし3と欧文字の綴りを同一にするものである。

そうすると、本件商標は、その指定商品に使用したときには、その構成中の「DIVA」及び「ディーバ」の文字部分を捉え、これより生ずる称呼及び観念をもって取引に資される場合も少なくないものというべきであるから、「ナチュロディーバ」の一連の称呼のほか、単に「ディーバ」の称呼及び「(オペラの)女性歌手、プリマドンナ」の観念をも生ずるものというのが相当である。

他方、引用商標1ないし3は、いずれも「DIVA」の文字部分に相応して、「ディーバ」の称呼及び「(オペラの)女性歌手、プリマドンナ」の観念を生ずるものといえる。

してみれば、本件商標と引用商標1ないし3とは、上記称呼及び観念を共通にする類似の商標といわなければならない。

また、本件商標の指定商品は、引用商標1ないし3の指定商品に包含されるものである。

(2)まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものであるから、その登録を無効にすべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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