Trademark Appeal Case
称呼類似と著名性判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90652(T2005−90652/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4896929号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成17年1月7日に登録出願、「COVX」の欧文字を標準文字で書してなり、商品の区分第1類「生物学的製剤(医療用及び獣医科用のものを除く。),化学品」、第5類「癌・炎症性疾患・骨関節疾患・心臓血管系代謝性疾患・ウイルス性疾患の研究・診断・治療用のモノクローナル抗体並びにその生物製剤及び断片,その他の医療用生物学的製剤,癌・炎症性疾患・骨関節疾患・心臓血管系代謝性疾患・ウイルス性疾患の治療・診断用の薬剤,その他の薬剤」、第42類「癌・炎症性疾患・骨関節疾患・心臓血管系代謝性疾患・ウイルス性疾患の診断・治療用の薬剤の分野における薬事研究,その他の医薬品・生物学的製剤・化学品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,医薬品・生物学的製剤・化学品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究に関する助言・情報の提供,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,機械器具に関する試験又は研究,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,理化学機械器具の貸与」を指定商品又は指定役務として、同17年9月22日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由の要点
(1)本件商標は、医薬品や医薬品の原料を取り扱う申立人の商号の著名な略称「covex」(以下「引用使用標章」という。)に類似する。
(2)本件商標を構成する「COVX」の文字よりは「コブックス」の称呼を生じるものと認められるのに対して、引用使用標章は、その構成文字に相応して「コべックス」の称呼を生じるものとみるのが相当である。
そして、「コブックス」と「コべックス」の称呼は、共に4音構成で、第2音以外の「コ」「ク」「ス」の音を共通にする。
また、両者の相違する第2音目における「ブ」と「ベ」の音は、共に破裂音であり、かつ、子音(b)を共通にするものであるから、両者をそれぞれ一連に称呼するときはその語調、語感が近似し、称呼上紛れるおそれがある。
さらに、申立人の取り扱う商品「医薬品や医薬品の原料」は、本件商標の指定商品中の第1類及び第5類の商品とは同一又は類似するものである。
したがって、本件商標をその指定商品又は指定役務中の第1類及び第5類の商品について使用した場合、取引者・需要者をして、当該商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、上記商品についての登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)引用使用標章の著名性について
申立人の提出に係る甲第6号証、甲第11号証及び甲第12号証によれば、申立人は、1977年に創立したスペインの化学品及び医薬品の製造、開発及び販売を行っている会社であり、社名及び製品に引用使用標章を使用し、特に「脳細胞を活性化させるビンカマイナー(ヒメツルニチニチソウ)抽出物」を使用して「知的能力(Cognitive Capacity)の向上・老人性痴呆対策」に用いるという特殊な医薬品又は健康食品を製造販売し、米国にも進出し、我が国をはじめ世界9カ国に子会社を置いていることが認められるものの、我が国における販売数等具体的かつ客観的な取引実績を示す資料はみあたらない。
また、甲第13号証ないし甲第19号証は、申立人が所有する商標の登録証及び特許のリストであって、引用使用標章の著名性を証明するに足るものとはいえない。
さらに甲第22号証ないし甲第26号証は、申立人の広告に関するものであるが、その広告期間、地域等が明確ではなく、甲第27号証及び甲第67号証の取引先へのインボイス及び手紙等の取引書類も1992年から2005年において、我が国において取引が継続して行われていることを示すのみである。
以上のとおり、申立人が提出した甲各号証を総合して勘案しても、引用使用標章の周知・著名性を証明する資料として十分とはいえないものである。
(2)そうとすれば、本件商標と引用使用標章がたとえ類似するものであるとしても、上記した事情よりみて、本件商標をその指定商品に使用した場合、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。
よって、本件商標の登録は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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