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Trademark Appeal Case

著名商標の混同のおそれ

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2005−90668(T2005−90668/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4898957号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4898957号商標(以下「本件商標」という。)は、「なめんなよ」、「ナメンナヨ」の文字を2段に書してなり、平成16年5月6日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同17年8月16日に登録査定、同年10月7日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)商標法第4条第1項第15号について

本件商標は、津田覚の率いる登録異議申立人(以下「申立人」という。)が使用している別掲のとおりの著名な商標「なめんなよ(『なめんなよ』の標章、及び『猫のシルエット』の図形からなるもの)」(以下「引用商標」という。)と同一の「なめんなよ」の文字を有してなるものである。

引用商標は、人間の服を着せた子猫を遅くとも1981年初めにキャラクターとして津田覚により創作され(甲第13号証)、該キャラクターを発表する際に共に発表したのであり、その様子は、甲第4号証ないし甲第9号証等に示されているとおりである。

そして、引用商標は、人間の服を着せた子猫のキャラクターとの組み合わせの妙もあって1981年当時に爆発的に流行した。

「なめ猫」の標章が「なめんなよ」との引用商標に由来することは、83年版現代用語の基礎知識(甲第3号証)、1981年12月3日発行の週間平凡に記載の写真(甲第4号証)等に示され、人間の服を着せた子猫のキャラクター商品は、「なめ猫グッズ」と呼ばれ、爆発的に売れ、例えば、カレンダー70万枚、ポスター6000万枚等の販売記録を達成した(甲第13号証)。

また、本件商標の登録出願時点においても、本件商標が登録された2005年10月7日においても、テレビ等のマスメディアにおいて、人間の服を着せた子猫のキャラクターの創作者が津田覚であること、そして種々のなめ猫グッズに引用商標が付されて販売等されていた事実が繰り返し報じられ(甲第10号証ないし甲第18号証)、引用商標を付したなめ猫グッズが譲渡若しくは引き渡しのために展示され(甲第20号証)、引用商標が写った写真、ポスターが紹介されて(甲第21号証ないし甲第25号証)いるところである。

以上のとおり、本件商標の登録出願における時点から現時点においても引用商標は、キャラクター商品を取り扱う業者、キャラクター商品に関心を持つ需要者には、申立人及びその関連企業の商品の一つを表示するものとして広く認識されており、かつ、独創的な商標である。

さらに、本件商標の指定商品とキャラクター商品とは、主として若者向けの商品という用途において極めて密接な関連性を有しており、両商品の需要者の相当部分が共通する。

そうすると、本件商標は、その指定商品に使用する場合、取引者・需要者は、申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく商品の出所について混同の生ずるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第19号について

引用商標は、本件商標の登録出願日はもちろんのこと、現在に至るまで、申立人及びその関連企業の商品の一つを表示するものとして広く認識されており、かつ、独創的な商標である。

ところで、申立人が創作したなめ猫に関するキャラクター商品の総売り上げ額は、なめ猫を発表した1981年以降累計で500億円に及ぶものである。この事実は、テレビで繰り返し放送等されているところである(甲第15号証、甲第16号証)。

このような背景の下、わが国において、商品区分第30類に係る指定商品について「なめんなよ」に関する商標登録がなされていないことを奇貨として、商標権者は、本件商標の商標登録出願に及んだものである。

上記事情を総合的に判断すれば、津田覚が営々として築き上げてきた引用商標に化体した業務上の信用を商標権者が僭用しようとしていることは明白である。

以上より、商標権者は、不正の目的を持っているということができ、商標法第4条第1項第19号に該当する。

(3)商標法第4条第1項第7号について

引用商標は、莫大な経済的価値が化体した商標であり、商標権者が、引用商標に化体した莫大な業務上の信用を僭用する結果となるのは、商標法第1条に規定する商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図るとする法目的に照らして穏当ではない。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第15号及び同第19号に反して登録されたものであるから、商標法第43条の2第1号により取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第15号について

本件商標は、「なめんなよ」、「ナメンナヨ」の文字を書してなり、引用商標は、その構成、別掲のとおりであって、その構成中に「なめんなよ」の文字を有するところ、本件商標と引用商標とは、その称呼において類似するものとするのが相当である。

そして、申立人は、引用商標を付した商品は、1981年に爆発的に流行し、本件商標の登録出願日(平成16年5月6日)はもちろん、本件商標が登録された2005年10月7日においてもマスメディアで取り扱われて広く認識されている旨主張している。

そこで、申立人の提出に係る証拠についてみるに、甲第2号証ないし甲第18号証は、1981年9月7日から2001年12月24日までの新聞記事、雑誌、申立人のホームページ等であって、いずれも1981年に爆発的になめ猫グッズが販売された内容であり、甲第19号証は、2003年11月12日放映の「速報歌の大辞テン」番組の内容の写しであるが、なめ猫の「なめんなよ」の歌が昭和57年に7位であったことを放映しているものである。

また、甲第20号証は、2004年秋第58回東京インターナショナルギフト・ショーにおける、なめねこブース出展の写真の写しであって、なめ猫グッズの展示がなされている。

甲第21号証は、産経新聞メディックス(2005年2月22日)発行の「猫の日」臨時増刊号であって、「’80s〜なめ猫/1981年、“なめんなよ”のキャッチ・フレーズとともに、学生服・直立姿勢で撮影された猫の写真を使ったグッズ(写真集、ポスター、運転免許証型カードなど)が大ヒット。今年『スクラッチキャット』として現代的ファッションにリニューアルして展開、注目を集めている。」との記載。

甲第22号証は、週間大衆増刊号(平成17年6月21日)に「これが新生だっ!」の記載のページに引用商標の付されている、なめねこカード、写真集、ペンケース、レコードの写真が掲載。

甲第23号証は、週間文春(平成17年6月30日発行)に「2005/懐かしい『免許証』に加えSuica風のグッズも」との記載とともに「1981/つっぱりファッションで一世を風靡した」との記載となめ猫の写真の掲載。

甲第24号証は、CIRCUS(平成17年8月10日発行)に「1979年から1992年/大切なことを教えてくれた/あのスターたちの『今』」の見だしのもと「なめ猫」の記載。

甲第25号証は、販促会議(2005,11)に「誕生25周年を迎え“なめ猫”ブーム再来!」の見だしのもと「今回のブーム再来のきっかけは、昨年末に展開された日本コカ・コーラのベタ付けキャンペーンの景品として登場した『“なめ猫”文房具セット』。・・・現在のライセンシー数は約30社で、アパレルや時計、雑貨小物からゲームセンター向け景品までありとあらゆるカテゴリーから約150アイテムが商品化されている。」との記載。

以上よりすると、1981年当時になめ猫が流行し、引用商標が広く知られていたことが十分に認められ、2005年なめ猫のブームの再来の記事が認められるとしても、本件商標の登録出願までにはかなりの期間が経過しており、本件商標の登録出願時においても引用商標が広く知られているとする証拠は見いだせない。

また、本件商標の指定商品は、調味料としての砂糖やはちみつ等の商品をも含むものであって、その用途がキャラクター商品の用途と密接な関係を有するものとはいい難い。

してみれば、本件商標は、引用商標と類似するとしても、商標権者が本件商標をその指定商品に使用するとき、これに接する需要者、取引者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しないものである。

(2)商標法第4条第1項第7号及び第19号について

本件商標は、引用商標が第30類において出願していないのを奇貨として登録出願されたものと断じ得る証拠はなく、また、引用商標が登録出願時に著名であるともいい難いこと前記(1)のとおりであって、それらを裏付ける証拠の提出もない。

そうとすれば、本件商標は、申立人の主張するような業務上の信用を害すると断ずることはできないというべきであるから、商標法の目的に反するものとはいえない。また、本件商標の商標権者は、引用商標に化体した莫大な業務上の信用にフリーライドする不正の意図を有するものということもできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号に該当しないものである。

(3)まとめ

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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