Trademark Appeal Case
図形商標の類似性判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90010(T2006−90010/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4899583号商標(以下「本件商標」という。)は,平成17年4月11日に登録出願,後掲(1)のとおりの構成よりなり,第41類「運動施設の提供,娯楽施設の提供」の役務を指定役務として,同17年10月7日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)本件商標は,登録異議申立人(以下「申立人」という。)が所有する後掲(2)のとおりの構成よりなり,平成10年12月22日に登録出願され,第16類,第25類,第28類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品(役務)を指定商品(指定役務)として,同11年10月29日に設定登録された登録第4331112号商標(以下「引用商標」という。)と外観及び観念において類似する商標であり,本件商標の指定役務と引用商標の指定役務とは,同一又は類似するものである。
また,引用商標は,世界的に人気のあるアメリカンプロフットボール(NFL)に属するテネシータイタンズのシンボルマークとして周知なものとなっているところ,本件商標は,この引用商標と極めて近似するものであるから,本件商標をその指定役務に使用された場合,NFL又はNFLより使用許諾を受けたものの役務であるかのように,その役務の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものである。
(2)本件商標は,引用商標と極めて近似するデザインからなるものであり,これをNFLや申立人らの何らの承諾を得ることなく出願し,登録することは,NFLひいてはアメリカンプロフットボールの人気にフリーライドしようとするものであり,正当な商慣習に反し,かつ,国際信義に反するものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号及び同第19号に該当するものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号及び同第15号について
本件商標は,後掲(1)のとおりの構成よりなるところ,その構成は,シンプルな円輪郭を表し,その円輪郭からやや右上に全体に炎のごとき三層の図形を配してなるものである。
これに対し,引用商標は,別掲(2)のとおりであるところ,その構成は,円輪郭内に黒く塗り潰した円を配し,その内部に図案化した「T」の文字を大きく白抜きで表し,さらに,その上部と左右のわき下に各一個,合計三個の星の図形を白抜きで表し,その円輪郭を包むように肉太の線書きで左上に炎のごとき図形を配してなるといえるものである。
そして,本件商標を構成する円図形内が全く空白であるのに対し,引用商標のそれが黒塗りで表され,白抜きの「T」の文字及び「3個の星の図形」を顕著に表してなり,これが全体構成の中にあって,看者に与える印象は,相当に強いものであり,両商標(図形)は,その差異が,炎のごとき図形の向きが異なることとも相まって,両商標を時と所を異にして離隔して観察した場合であっても,外観において判然と区別し得るものである。また,両商標から炎をイメージすることがあるとしても,一定の称呼又は観念を生ずるものとは,いい得ないものである。
してみれば,本件商標と引用商標とは,その外観,称呼及び観念のいずれの点からしても,何ら相紛れるおそれのない,非類似の商標であるといわざるを得ない。
また,申立人より提出された証拠によれば,アメリカンプロフットボール(NFL)が我が国の需要者の間においてもある程度,人気を得ているスポーツであることが認められ,引用商標がNFLに所属する「テネシータイタンズ」のシンボルマークとしてユニフォーム,その他,スポーツグッズ等に使用されていることは認められるとしても,提出に係る証拠によっては,本件商標の指定役務についてまで,引用商標が周知・著名性を獲得したとまでは認め得ないところであり,加えて,前述のとおり,本件商標は,引用商標と判然と区別し得るものであるから,本件商標をその指定役務に使用しても,申立人の引用商標を連想・想起することはなく,その役務の出所について混同を生ずるおそれがあるものとは,認められない。
(2)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について
本件商標は,後掲(1)のとおりであり,その構成自体がきょう激,卑わい,差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形からなるものではなく,また,本件商標をその指定役務について使用することが社会公共の利益に反し,又は社会の一般的道徳観念に反するものでなく,さらに,他の法律によってその使用が禁止されているものとは認められない。
そして,本件商標は,前記(1)のとおり認定・判断し得るものであり,提出された証拠によっては,引用商標は需要者の間に広く認識されている商標とは認められないものであって,かつ,本件商標が申立人の引用商標との関係で商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものとは認められないから,商標権者が本件商標を採択使用する行為に,引用商標の著名性にただ乗りするなど,不正の目的があったものということはできない。
(3)結び
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号,同第11号,同第15号及び同第19号のいずれにも違反して登録されたものということができないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
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