Trademark Appeal Case
商標の類似性判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90021(T2006−90021/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4901160号商標(以下「本件商標」という。)は,平成16年12月2日に登録出願,後掲(1)のとおりの構成よりなり,第9類及び第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同17年10月14日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)本件商標は,登録異議申立人「ゲルマニッシャー ロイド アーゲー(以下「申立人」という。)」が所有する後掲(2)のとおりの構成よりなり,第9類,第16類及び第41類,第42類に属する商標国際登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品又は指定役務とし,2003年5月27日にドイツ国においてした商標登録出願を基礎とするパリ条約第4条に基づく優先権を主張して,2003年9月26日に国際登録,その後,我が国において,平成17年9月30日に設定登録された国際登録第815578号商標(以下「引用商標」という。)と外観及び称呼を共通にする類似の商標であり,その指定商品も互いに類似するものである。また,引用商標は,申立人の商標として広く一般に知られているところ,本件商標はこれと類似するものであるから,本件商標をその指定商品に使用された場合,その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものである。
(2)本件商標は,公益事業団体に該当する申立人の略称又は規格として著名なものと類似するものであり,また,申立人の著名な略称を含むものであるから,商標法第4条第1項第6号及び同第8号に違反して登録されたものである。
(3)本件商標は,申立人と何ら関係の認められない一法人である権利者が,自己の商標として採択使用するものであるから,申立人の名誉を棄損し,ひいては国際信義に反するおそれがある。さらに,本件商標は,偶然に引用商標と類似する結果となったというより,むしろ,引用商標の著名性を利用して不正の利益を得る目的をもって出願し,登録されたものであるから,商標法第4条第1項第7号及び同第19号に違反して登録されたものである。
3 当審の判断
(1)本件商標と引用商標との比較
本件商標は,後掲(1)に示したとおりであるところ,その構成に係る上段の欧文字部分は,「GL」の欧文字とやや図案化された「access」の欧文字とをハイフン「−」を介して連綴してなる(各文字は,色彩を施してなる。)ものであるから,該構成は,ハイフンの介在によって,一連に「ジイエルアクセス」の称呼のみを生ずる不可分一体ものと見るのが相当であり,また,その下には小さな片仮名文字で「グッドライフアクセス」と一連に表示されていることから,これよりは,該文字部分に相応して「グッドライフアクセス」の称呼を生ずるものである。
これに対し,引用商標は,後掲(2)のとおり色彩を施した約四角形内に極めて大きな「GL」の文字を表し,その下部にやや小さく「Certified」の文字を配してなるものであるから,これよりは全体の構成文字に相応して「ジイエルサーティファイド」の称呼を生じ,また,下部に書された「Certified」の文字部分に相応して「サーティファイド」の称呼をも生ずるものというのが相当である。
そうすると,本件商標より生ずる「ジイエルアクセス」及び「グッドライフアクセス」の称呼と引用商標より生ずる「ジイエルサーティファイド」及び「サーティファイド」の称呼とを比較するに,これらの称呼は,音構成及び構成音数において著しい差異が認められるものであるから,称呼上,何ら相紛れるおそれはなく,また,両商標はそれぞれ前記のとおりであるから,外観及び観念においても類似とすべき点は見当たらない。
してみれば,本件商標は,引用商標と外観,称呼及び観念のいずれから見ても非類似の商標といわなければならない。
(2)本件商標は出所の混同を生ずるか又は不正の目的の有無等について
申立人が,引用商標は申立人の商標として広く一般に知られているとして提出した甲第3号証ないし甲第26号証のいずれの証拠によっても,引用商標が表示され使用されている証左は,見当たらないものであり,かつ,これらの証拠からは「GL」が「ドイツ船級協会」又は「ドイツ・ロイド船級協会規格」の略号として使用されていることが認められるとしても,申立人の著名な略称又は申立人の規格として著名なものであるとすることはできない。
してみれば,後掲(1)に示すとおり,引用商標とは別異の商標ともいえる本件商標をその指定商品に使用しても,申立人又は引用商標などを連想・想起することはなく,その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものとは認められない。また,提出された証拠によっては,引用商標は需要者の間に広く認識されているとする証左のないものであるから,商標権者が本件商標を採択使用する行為に不正の目的があったものということはできない。
(3)本件商標は公序良俗を害するか等について
本件商標は,後掲(1)のとおりであり,その構成自体がきょう激,卑わい,差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形からなるものではなく,また,本件商標をその指定商品について使用することが社会公共の利益に反し,又は,社会ひいては国際信義に反するものでなく,さらに,他の法律によってその使用が禁止されているものとは認められない。
また,本件商標は,前記(1)及び(2)のとおり認定・判断し得るものであるから,例え,本件商標がその構成中に「GL」の文字を含むとしても,このことをもって公益に関する事業を表示する標章であって著名なものと類似する商標とは,認め得ないものであり,かつ,申立人の著名な略称を含む商標ということもできない。
(4)結び
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第6号,同第7号,同第8号,同第11号,同第15号又は同第19号のいずれにも違反して登録されたものでないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
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