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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2006−90046(T2006−90046/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4903863号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4903863号商標(以下「本件商標」という。)は、「FASHIONARENA」の欧文字と「ファッションアリーナ」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成17年4月15日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年9月1日に登録査定、同年10月28日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人株式会社デサント(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号、同第19号及び同第7号に該当するから、同法第43条の2第1項第1号により、取り消されるべきであると主張し、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第32号証を提出している。

(1)商標法第4条第1項第11号について

(ア)引用商標

申立人が引用する登録商標は、以下のとおりである。

(a)引用登録第892728号の1商標は、昭和44年4月17日に登録出願、別掲(1)に示したとおり、「アリーナ」の片仮名文字を横書きしてなり、同46年3月18日に設定登録された登録第892728号商標の商標権から分割された商標権に係る登録商標であって、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とするものである。なお、指定商品については、その後、平成15年4月30日に、第22類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする書換登録がなされている。

(b)上記のほかに、別掲(2)ないし(12)に示したとおりの11件の登録商標を引用している(以下、上記商標を含め、これらの商標をまとめて「引用商標」という。)。

(イ)本件商標と引用商標との類否について

本件商標は、指定商品との関係において、「FASHION/ファッション」の文字部分は識別力のある語とはいえず、識別力を有するのは、「ARENA/アリーナ」の文字部分であるから、該部分から「アリーナ」の称呼をも生ずる。

一方、引用商標は、その構成文字から「アリーナ」の称呼を生ずるものである。

したがって、本件商標と引用商標とは「アリーナ」の称呼を共通にする類似の商標であり、指定商品も抵触する。

(2)商標法第4条第1項第10号、同第15号、同第19号及び同第7号について

申立人は、別掲(13)、(14)の商標及び「ARENA」の欧文字を太ゴシック体で横書きしてなる商標(以下、これらの商標をまとめて「使用商標」という。)を引用し、使用商標は、申立人の業務に係る第25類「被服」に属する商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されている商標であるから、本件商標は商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当する。また、本件商標は同第19号及び同第7号にも該当する。

(ア)商標法第4条第1項第10号及び同第15号

申立人は、使用商標を主にスポーツウェアに継続使用しており(甲第21号証)、特にスイムウェアの販売実績においては業界第2位のシェアを獲得し、2大ブランドの一つとしての地位を獲得するに至っている(甲第27号証)。また、各種スポーツ大会等においても該商標を付した商品が使用されており(甲第22号証)、日本有名商標集にも掲載されている(甲第28号証)。

そして、申立人は、各種雑誌等において、使用商標を付した商品について、継続して広告掲載を行ってきたものであるから(甲第29号証ないし甲第31号証)、使用商標は、申立人の業務に係る「被服」に属する商品を表示する商標として、本件商標の登録出願日前より、我が国における取引者、需要者の間に広く認識されていたものということができる。

したがって、本件商標は、申立人の著名な使用商標と類似する商標であり、本件商標に係る指定商品と申立人の業務に係る商品とは類似するものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当し、また、本件商標がその指定商品に使用された場合には、商品の出所について混同を生じるおそれがあるから、同第15号にも該当する。

(イ)商標法第4条第1項第19号及び同第7号

本件商標をその指定商品に使用することは、申立人が長年の営業努力により、使用商標に蓄積した業務上の信用にフリーライドする意思が推認される。また、そのことは、客観的に公正な競業秩序維持を害し、公共の秩序を害するおそれがある。

(3)以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号、同第19号及び同第7号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、前記したとおりの構成からなるところ、構成各文字は、同書、同大に外観上まとまりよく一体的に表現されており、これより生ずる「ファッションアリーナ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。 そして、たとえ、構成中の「FASHION/ファッション」の文字部分が「服飾の流行、スタイル(装い)」等を表す語として用いられているとしても、かかる構成においては特定の商品又は商品の品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るものともいい難いところであるから、むしろ構成全体をもって一体不可分の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然である。

そうとすれば、本件商標は、該構成文字全体に相応して「ファッションアリーナ」の称呼のみを生ずるものであって、単に「アリーナ」の称呼が生ずることはないものといわなければならない。

してみれば、本件商標から単に「アリーナ」の称呼をも生ずるものとし、そのうえで、本件商標と引用商標とが称呼において類似するものとする申立人の主張は採用できない。

また、本件商標と引用商標の構成は上記のとおりであるから、外観上、互いに区別し得るものであるし、さらに、本件商標は特定の観念を生じない造語と認められるから、観念上も比較すべくもないものである。

したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第10号、同第15号、同第19号及び同第7号について

上記のとおり、本件商標は、構成全体をもって一体不可分の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然であるから、「arena」、「ARENA」の各欧文字を構成要素とする使用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

してみれば、その余の要件について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。

また、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、使用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号にも該当しない。

さらに、本件商標と使用商標は、非類似の商標であること上記のとおりであり、本件商標を不正の目的をもって使用するものともいえないし、また、公正な競業秩序維持を害し、公共の秩序を害するものということもできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号及び同第7号にも該当しないものである。

(3)結語

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号、同第19号及び同第7号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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