Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90061(T2006−90061/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4907693号商標(以下「本件商標」という。)は、「ハイテクタウン」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成17年5月13日に登録出願、第25類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年10月14日に登録査定、同年11月11日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に該当するから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると主張し、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第16号証(枝番号を含む)を提出している。
(1)引用商標
申立人の引用する登録商標は、以下のとおりである。
引用登録第1610703号の2商標は、昭和55年5月20日に登録出願、「ハイテック」の片仮名文字を横書きしてなり、同58年8月30日に設定登録された登録第1610703号商標の商標権から分割された商標権に係る登録商標であって、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とするものである。なお、指定商品については、その後、平成16年4月28日に指定商品の書換登録により、第20類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品となっている。
また、申立人は、そのほかに、別掲(1)ないし(10)に示したとおりの10件の登録商標を引用している(以下、上記商標を含め、これらの商標をまとめて「引用商標」という。)。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「ハイテク」の文字からなる造語と「町」を意味する英語の「TOWN」に通ずる「タウン」の語からなるところ、特に観念上のまとまりがなく、また、本件商標から生ずる「ハイテクタウン」の音は7音からなり、簡潔な音構成とはいえないから、本件商標からは、「ハイテク」の称呼をも生じる。
一方、引用商標からも「ハイテク」又は「ハイテック」の称呼が生じるため、両者は、称呼上同一又は類似の商標である。
したがって、両商標は、称呼において類似する商標であり、指定商品も抵触する。
(3)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
「HI−TEC SPORTS(ハイテック・スポーツ)」は、スカッシュの世界では、最も名の知れたブランドの一つであり、引用商標に係る製品の販売量は、累計1600万足以上に達し、全世界で2億5000万ドルの売上高を誇っている。我が国においても、引用商標に係る製品は、全国的な販売網を通じて販売されている(甲第13号証の3)。
また、申立人は、多くの主要なスポーツ大会、多くの有名なスポーツ選手を後援しており、「HI−TEC」商標に係るシューズは、各種スポーツ協会の公認シューズとして選ばれている(甲第13号証の6ないし8)。
そして、申立人は、我が国を含む各国において各種雑誌等において、引用商標を付した商品について、継続して広告掲載を行ってきたものであるから(甲第15号証及び甲第16号証)、引用商標は、申立人の業務に係る「履物、運動用特殊靴」を表示する商標として、本件商標の登録出願日前より、我が国における取引者、需要者の間に広く認識されていたものということができる。
したがって、本件商標は、申立人の著名な引用商標と類似する商標であり、本件商標に係る指定商品と申立人の業務に係る商品とは類似するものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当し、また、本件商標がその指定商品に使用された場合には、商品の出所について混同を生じるおそれがあるから、同第15号にも該当する。
(4)以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記したとおりの構成からなるところ、構成各文字は、外観上まとまりよく一体的に表現されており、観念上も、全体として「高度先端技術の町」の如き一つの意味合いを把握することのできるものである。また、これより生じる「ハイテクタウン」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものであり、他に構成中の「ハイテク」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見い出せない。
そうとすれば、本件商標は、該構成文字全体に相応して「ハイテクタウン」の称呼のみを生ずるものであって、単に「ハイテク」の称呼が生ずることはないものといわなければならない。
してみれば、本件商標から単に「ハイテク」の称呼をも生ずるものとし、そのうえで、本件商標と引用商標とが称呼において類似するものとする申立人の主張は採用できない。
また、両商標の構成は上記のとおりであるから、外観上も互いに区別し得るものであるし、さらに、両商標の観念についても相紛れるおそれはないものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
上記のとおり、本件商標と引用商標とは十分に区別し得る別異の商標というべきものである。
してみれば、その余の要件について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
また、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号にも該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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