Trademark Appeal Case
著名商標と結合商標の混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90073(T2006−90073/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
登録第4907324号商標(以下「本件商標」という。)は、「ΣF1」の文字を書してなり、平成17年3月10日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同17年11月11日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)理由の要点
(ア)「エフワン(F1)」は、世界的に著名な自動車レースの名称及び役務商標(自動車レースの開催)として知られている。また、種々の商品について、該名称・商標の使用許諾がなされており、いわゆるライセンス商品についての商品商標としても著名なものとなっている。このような状況において、「F1」の文字とギリシャ文字としてわが国でもよく知られている「Σ」の文字を単に結合させた本件商標がその指定商品「測定機械器具」に使用されれば、商品の出所について誤認・混同が生ずるおそれがある。
(イ)本件商標の商標権者は、エフワン(F1)レースの主催者である「FIA(国際自動車連盟)」、及び、同主催者から、当該レースに関するシンボルマーク並びに商標等を管理する権限を付与されている登録異議申立人(以下「申立人」という。)らの、何らの承諾もなく、「F1(エフワン)」の文字商標を本件商標に利用している。このような行為は、当該国際的に著名な「F1(エフワン)」レースの信用を不当に利用しようとするものであり、国際信義に反するものである。
(2)結論
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第15号及び同第19号に該当するものであるから、その登録は、同法第43条の3の規定により取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、前記のとおりギリシャ文字の「Σ」、ローマ文字の「F」及び数字の「1」の各文字を同じ大きさ、同じ書体で外観上まとまりよく一体的に表してなるものであって、全体をもって「シグマエフワン」と称呼しても7音とさほど冗長なものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。そして、全体の文字数もわずか3文字で構成されていて、各文字が結合して一語を形成しているとみて何ら不自然なものではなく、いずれかの文字部分が特に印象に残るというものではない。
そうとすれば、上記2の(1)に挙げた申立人及び「FIA(国際自動車連盟)」などの「エフワン(F1)」の名称あるいは役務商標としての使用の事実、著名度、使用許諾の実情等を考慮しても、本件商標と該「エフワン(F1)」の文字間に誤認・混同を生ずる事由は見出せないといわなければならないから、本件商標をその指定商品に使用した場合、申立人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
してみれば、本件商標は、「エフワン(F1)」のもつ顧客吸引力を不当に利用するものということはできず、また、正当な商慣習や国際信義に反するものでもなく、さらに、上記本件商標の文字構成よりすれば、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのないものといわなければならず、かつ、不正の利益を得る目的、他人に損害を与える目的など不正の目的をもって使用するものでもないというのが相当である。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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