Trademark Appeal Case
称呼の類否と語頭音
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90074(T2006−90074/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
登録第4907857号商標(以下「本件商標」という。)は、「ニバイピッチ」の文字を標準文字で書してなり、平成17年3月24日に登録出願、第7類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同17年11月11日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人の引用する登録第642490号商標(以下「引用商標」という。)は、「バイピッチ」の文字を書してなり、昭和37年11月22日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同39年5月1日に設定登録され、その後、平成17年11月24日に指定商品を第7類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)理由の要点
(ア)本件商標は、引用商標と「一定の間隔で配置された連続する点における2点間の距離を通常時の2倍にする」の観念、及び「バイピッチ」の称呼において類似の商標であり、その指定商品も引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。
(イ)本件商標は、指定商品に対して、単に「一定の間隔で連続して取り付けられたねじ又はコイルばね等の部品における2点間の距離を通常時の2倍にした機械」を意味するものであるから、商品の品質を表示するにすぎず、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。
(3)結論
以上により、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第11号及び同第16号に該当し、その登録は、同法第43条の3第2号により取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)本件商標は、前記のとおり「ニバイピッチ」の片仮名文字よりなるところ、構成各文字は、標準文字をもってまとまりよく一体的に表されていて、その全体より生ずる称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。そして、その文字数も全体で一語よりなるとみて何ら不自然なものではなく、これを例えば「ニバイ」と「ピッチ」の両文字よりなるとみなければならない格別の理由も見いだせないものである。
また、例え「ニバイ」、「ピッチ」の文字が申立人提出に係る甲第2号証及び甲第3号証記載の意味があるとしても、かかる構成にあっては、その全体をもって一体不可分のものと認識される、格別の意味合いを看取し得ない一種の造語よりなるものというべきであり、本件商標の文字がその指定商品の品質等を表示するものとして使用されている証拠も見いだせない。
してみれば、本件商標は、その指定商品のいずれについても、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たすものであり、かつ、商品の品質の誤認を生ずるおそれもないものと判断するのが相当である。
(2)次に、本件商標が引用商標に類似するものであるか否かについてみるに、本件商標は、上述のとおり、一体不可分の構成よりなる一種の造語よりなるものということができるから、その構成文字に相応して「ニバイピッチ」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものである。
これに対し、引用商標は、前記のとおり「バイピッチ」の片仮名文字よりなるものであり、該構成文字に相応して「バイピッチ」の称呼を生じ、本件商標と同様の理由により特定の観念を生じないものということができる。
そうすると、本件商標より生ずる「ニバイピッチ」の称呼と引用商標より生ずる「バイピッチ」の称呼とは、称呼の聴別上重要な要素を占める語頭において「ニ」の音の有無を有するものであり、その差異がさほど冗長ともいい得ない両称呼の全体の音調・音感に与える影響は大きいといわなければならないから、両称呼の全体をそれぞれ一連に称呼した場合、彼此相紛れるおそれはないと判断するのが相当である。
そうとすれば、本件商標は、引用商標と称呼において類似するものではないといわなければならない。
また、本件商標は、引用商標と観念においても類似するものではなく、それぞれの構成からして、外観においても類似するものではない。
以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第11号及び同第16号に違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標の登録は、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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