Trademark Appeal Case
結合商標の要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90097(T2006−90097/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4913190号商標(以下「本件商標」という。)は、「CMOST」の文字(標準文字)よりなり、平成17年3月14日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同17年12月2日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第4631566号商標(以下「引用商標1」という。)は、「MOST」及び「モスト」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成13年11月30日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年12月20日に設定登録されたものである。
また、申立人は、ICチップ等に使用している商標「MOST」を引用する(以下「引用商標2」という。)。
(2)理由の要点
ア.商標法第4条第1項第11号該当について
「MOST」の語は、需要者にとって、「(a)(muchの最上級として)最大[最高]の、(b)(manyの最上級として)最多の」の意味を持つ用語として広く認識されていることを鑑みれば、本件商標は、「C」と「MOST」との語に分離観察することができる。
そうすると、本件商標のうち、「MOST」の部分が引用商標1と全く同じ配列構成をとることから、両者は、基本的構成を共通にし、本件商標と引用商標1とは、その外観、観念において近似する類似の商標である。また、その指定商品も抵触する。
イ.商標法第4条第1項第10号及び第15号該当について
引用商標2は、申立人が2005年8月に吸収合併したOASIS Silicon System Holding AG(旧OASIS)が1997年以来、ICチップや、システム開発ツール、ネットサービス等に使用した結果、本件商標の出願日以前に、周知・著名商標となっていたことは公知の事実である。
次に、本件商標と引用商標2との類似性について検討すると、本件商標は「CMOST」であり、これに対し、引用商標2は「MOST」である。
そうすると、引用商標2は周知・著名商標であることから、指定商品「第9類 電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」について需要者の間に広く認識された旧OASISの商標「MOST」と他の文字「C」とを結合した本件商標は、その外観構成がまとまりよく一体に表されているもの又は観念上の繋がりがあるものを含め、原則として、その商標「MOST」と類似するものであり、また、当該「CMOST」は既成の語の一部でもないから、これが引用商標2と抵触することは明らかである。
また、引用商標2の商品は、「ICチップ、システム開発ツール、ネットサービス等の電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」であるのに対し、本件商標は、指定商品「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」であるから、明らかに抵触する。
更に、引用商標2は、外国において著名な標章であることが本件商標の出願時日に、我が国内の需要者によって認識されていることから、本件商標を使用した場合、その商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれがある。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当について
本件商標は、「CMOST」の文字からなるものであるところ、その構成各文字は同じ書体、同じ大きさ、等間隔をもってまとまりよく一体的に表されており、これより「MOST」の部分のみを分離抽出し、この部分を記憶して取引に当たり、あるいは、「MOST」の部分に相応した観念をもって取引に当たるとすべき特段の理由は見出せないから、本件商標は、構成全体をもって一連の造語として看取されるものというのが相当である。
そうすると、本件商標からは、「シーモスト」の称呼を生ずるものである。
一方、引用商標1は、「MOST」及び「モスト」の欧文字からなり、「モスト」の称呼、「最大の、最多の」の観念を生ずるものである。
しかして、両商標は、観念において比較すべくもなく、「シーモスト」と「モスト」の称呼において紛れる余地はない。また、両者は、その構成前記のとおりであり、明らかな差異を有しているから、外観上も相紛らわしいものとはいい難い。
そうとすれば、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれよりみても、引用商標1に類似する商標とは認められない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び第15号該当について
本件商標と引用商標2が類似する商標と認められないことは、前記(1)に述べたところと同様である。そして、申立人提出の甲各号証よりは、引用商標2が「ICチップ、システム開発ツール、ネットサービス等の電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」について使用されていることを窺い知ることができるとしても、使用された結果、本件商標の出願時には既に、引用商標2が需要者の間で広く認識されるものとなっていたと認めるに足らない。
してみれば、本件商標と引用商標2とは別異の商標というべきものであるばかりでなく、引用商標2が需要者の間で広く認識されていたものとは認められないから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、取引者・需要者が直ちに引用商標2を連想又は想起するようなことはなく、その商品が申立人あるいは同人と組織的又は経済的に関連を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び第15号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に違反して登録されたものとはいえないから、その登録は維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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