Trademark Appeal Case
称呼の類似性と混同のおそれ
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90748(T2004−90748/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4801780号商標(以下「本件商標」という。)は、「DIAMOND BACK」の文字を標準文字で書してなり、平成16年2月27日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同16年9月10日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録は取り消されるべきであるとして、その理由を次のように述べている。
別掲の商標他4件の引用商標は、周知・著名であるので、これらと称呼において類似する本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当する。
また、本件商標権者は、これらの引用商標の著名性にフリーライドする目的で本件商標を使用するものであるから、本件商標は、同法第4条第1項第19号に該当する。
3 本件商標に対する取消理由の要旨
当審において、平成17年11月10日付けで商標権者に対し通知した取消理由は、要旨次のとおりである。
申立人 メジャー リーグ ベースボール プロパティーズ インコーポレーテッドの提出に係る甲第5号証ないし甲第7号証によれば、メジャーリーグの人気は1995年に「野茂英雄」が渡米し、その野茂選手の活躍によって、その他の日本人選手にも活躍の場が与えられ、今やこの野茂選手のほか、多くの日本人メジャーリーガーが、国民に次々とメジャーリーグの感動を伝え、ひいては鈴木一朗選手に至っては、国民栄誉賞の受賞(最終的には辞退)をするまで、メジャーリーグが国民の身近なスポーツとして評価されるまでに至っていることが認められる。また、甲第7号証によれば、2001年は新庄選手や鈴木選手を初め9人の日本人メジャーリーガーが活躍し、また2002年に入ってからは、石井選手、小宮山選手、田口選手等日本プロ野球から、このメジャーリーグの舞台に移籍する日本人プレーヤーが後を絶たないことから、新聞記事やテレビ番組も、オープン戦よりメジャーリーグの動向を、本件商標が登録出願された以前から、連日一般視聴者に送り届けられている事実を認めることができる。
そして、甲第3号証によれば、メジャーリーグの球団「アリゾナダイヤモンドバックス(ARIZONA DIAMONDBACKS)」(以下「ダイヤモンドバックス」という。)は、1998年に設立され、その設立以来、日本においてもDIAMONDBACKSないしダイヤモンドバックスの略称で称呼され親しまれてきたもので、別掲のとおりの構成よりなる商標(以下「引用商標」という。)等の多くは1998年以来、ダイヤモンドバックスの選手その他の関係者によって着用されているユニフォームに顕著に表記されており、特に現在ではDIAMONDBACKSマークは選手のユニフォームの肩部に表記されている。それ以来、ダイヤモンドバックスに関する第25類に属する商品その他の商品についても引用商標等は使用されてきている。したがって、ダイヤモンドバックスの野球の試合の観客、テレビ放送を通じて試合観戦する視聴者、試合を報道する新聞・雑誌の読者等の野球ファンがかかる引用商標等に接していることとなり、近年ではインターネットの普及に伴ない、該球団に関する情報が掲載された多くのホームページを介して、日本を含め世界中の野球ファンが引用商標等に容易に接することができる環境となっているところである。
そうすると、申立人の提出に係る甲各号証及び申立の趣旨を総合勘案すれば、引用商標は、本件商標の登録出願時において、メジャーリーグの球団名の略称として、アメリカのみならず我が国の取引者、需要者の間において広く認識されていたものと認められる。
そこで、本件商標と引用商標についてみるに、前者からは「ダイヤモンドバック」、後者からは「ダイヤモンドバックス」の各称呼を生ずるものと認められ、両称呼は語尾音において「ス」の有無の微差にすぎないから、本件商標と引用商標とは、称呼において酷似するものといわざるを得ない。
してみれば、本件商標は、引用商標と酷似するものと認められるから、前記のとおり引用商標が広く認識されていた事情を考慮すれば、本件商標をその指定商品について使用した場合、取引者、需要者をして、引用商標を連想、想起させ、本件商標が付された商品が、引用商標の一種ないし兄弟ブランド、ファミリーブランドであるかの如く誤認し、その商品があたかも申立人と何らかの関係にある者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
4 商標権者の意見
商標権者に対し、上記3の取消理由を通知し期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは、審理の猶予を申し出ているのみで、相当の期間を経過した現在に至るもいまだ何ら意見を述べるところがない。
5 当審の判断
本件商標は、上記3で述べたとおり、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、その商標登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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