Trademark Appeal Case
著名商標の不正登録
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90184(T2005−90184/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4832070号商標(以下「本件商標」という。)は、「LOEWE」の欧文字と「レーヴェ」の片仮名文字を2段に書してなり、平成15年9月17日に登録出願、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,氷,菓子及びパン,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」を指定商品として、同17年1月14日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、「革小物・バッグ・婦人服・紳士服」などに使用する商標として著名となっている引用商標「LOEWE」(登録第901743号商標外10件)と同一の欧文字を含む商標であり、本件商標からは、引用商標を容易に連想し得るものである。
そして、近年の多角経営の可能性という実情をも考慮すると、本件商標と引用商標とは、需要者を同一とし、互いに関連する分野の商品について使用するものである。
そうとすれば、本件商標をその指定商品に使用した場合には、その商品に接する取引者、需要者は、申立人若しくは申立人と何らかの関係を有する者の業務にかかる商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、他人の著名な商標を不正の目的を持って使用するものと推認されるべきであるから、商標法第4条第1項第19号に該当する。
3 取消理由の通知
(1)「LOEWE」の著名性について
「申立人」の提出した「ヴァンサンカン」(甲第26号証)、「SPUR」(甲第27号証)、「Oggi」(甲第28号証)、「中日新聞(平成15年5月16日付け)」(甲第29号証)、「朝日新聞(平成15年6月28日付け)」(甲第30号証)、「男の一流大図鑑’88年版」(甲第35号証)、「96’世界の一流品大図鑑」(甲第36号証)、「97’世界の一流品大図鑑」(甲第37号証)「99’世界の一流品大図鑑」(甲第38号証)、「01’世界の一流品大図鑑」(甲第39号証)「02’世界の一流品大図鑑」(甲第40号証)、「03’世界の一流品大図鑑」(甲第41号証)「04’世界の一流品大図鑑」(甲第42号証)、「81’世界の一流品大図鑑」(甲第45号証)「82’世界の一流品大図鑑」(甲第46号証)、「88’世界の一流品大図鑑」(甲第47号証)「世界のブランド大全集’95」(甲第48号証)などのファッション雑誌、新聞などに掲載されている「LOEWE」(以下「使用商標」という。)の項に徴すれば、使用商標は、申立人が自己の製造販売に係る商品「被服」「バッグ」「スカーフ」「ベルト」などのファッション製品に使用した結果、申立人の業務に係る商品であることを表示する商標として、遅くとも本件商標の登録出願時までには既に我が国又は外国における取引者、需要者間に広く認識されるに至っていたものと認められ、その状態は、現在においても継続しているというのが相当である。
(2)本件商標と使用商標との類否について
本件商標は、上記1で述べたとおり「LOEWE」の欧文字と「レーヴェ」の片仮名文字を2段に書してなるところ、「LOEWE」の文字と「レーヴェ」の文字とを常に一体のものとして把握しなければならないとする格別の事情も認められない。
そうとすれば、本件商標構成中の「LOEWE」の文字は、独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るというのが相当である。
しかして、本件商標構成中の「LOEWE」の文字と使用商標とは、アルファベットの配列を全て同じくするものであるから、外観において類似する商標である。
(3)不正の目的について
商標権者は、本件商標が日本国内及び外国で周知、著名である他人の商標と同一又は類似する商標であることを承知のうえ、当該商標が未だ第30類において登録されていないことを奇貨として、その著名性にただ乗りし不当な利益を得るなどの目的のもとに登録出願し、権利取得したものと推認される。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内又は外国における取引者、需要者間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。
4 商標権者の意見
商標権者は、「ライオンの図形」について多数の商標登録(以下「商標権者の所有するライオンの図形の登録商標」という。)を受け、また、「ライオンマーク」に関するデザインについても、意匠登録を受けている。
商標権者は、自己の主要な商標である上記「ライオンマーク」を、いっそう確実に保護するために本件の商標登録出願をしたものである。
また、商標権者は、40年も前から、上記「ライオンの図形」を使用しており、その遙か後に、宣伝広告によって有名になりつつあったという業者の、しかも、商標権者の業務である「食品」とは、何ら関係もない業者のまねをすることに何ら意味はなく、他人の著名商標にあやかろうという意思はもっていない。
なお、本件商標は、「ライオン」を意味するドイツ語「Lowe」(「o」の上には、ウムラウトが付されている。)を、日本人に読みやすいように「LOEWE」と表示したものである。
5 当審の判断
(1)使用商標の著名性及び本件商標と使用商標との類否について
使用商標に著名性が認められること及び本件商標と使用商標とが類似する商標であることは、上記3(取消理由の通知)で認定したとおりである。
(2)不正目的について
商標権者の所有するライオンの図形の登録商標と本件商標構成中「LOEWE」の文字(語)とは、図形と文字の相違により、両者の外観が全く異なること、また、「LOEWE」の文字(語)は、申立人の創業者の名前に由来するものであること及び我が国においては申立人の商標である以外に一般になじまれた商標であるということは出来ないことからすれば、商標権者が偶然に、「LOEWE」の文字(語)を商標として選択したとは認め難いものである。
そうとすると、商標権者は、本件商標が日本国内及び外国で周知、著名である他人の商標と同一又は類似する商標であることを承知のうえ、当該商標が未だ第30類において登録されていないことを奇貨として、その著名性にただ乗りし不当な利益を得るなどの目的のもとに登録出願し、権利取得したものと推認せざるを得ないし、この認定、判断を覆すような証拠を見出すことが出来ないものである。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものであるから、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。