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Trademark Appeal Case

他社著名略称の無断登録

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2005−15119(T2005−15119/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「楽天」の文字を標準文字で書してなり、第33類「日本酒」を指定商品として、平成16年11月8日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願商標は、インターネット上の仮想商店街などを運営するなどで著名なIT企業で、プロ野球界に新規参入を果たしたことでも有名な「楽天株式会社」(東京都港区六本木6丁目10番1号)の著名な略称であり、かつ、その者の承諾を得ているものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する」。旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における判断

原審において、拒絶の理由に引用された「楽天株式会社」は、平成9年2月に「株式会社エム・ディー・エム」として設立され、同年5月より、いわゆるインターネットショッピングモール「楽天市場」のサービスを開始、同11年6月には、「楽天株式会社」に社名を変更したものである。

同12年4月には、日本証券業協会へ株式を店頭登録(ジャスダック上場)、それ以降、積極的なM&Aにより事業を拡大し、楽天グループを形成するに至った。

展開される事業は、ポータル・メディア事業、EC事業、トラベル事業、クレジット・ペイメント事業、証券事業、プロスポーツ事業の、大きく分けて6事業である。

そして、本願商標が出願された平成16年11月8日には、既に、「楽天」の文字が「楽天株式会社」の著名な略称として、一般に認識されていたということは、例えば、次の(1)ないし(4)の記事及びプロ野球界への参入の事実等からも窺い知ることができる。

(1)「プロ野球:再編 新球団参入 審査小委「両社に差」−−NPB、2回目のヒアリング」の見出しのもと、「◆ヒアリング要旨◇楽天【経営状況】主な事業はインターネットを利用した(1)電子商店街(営業利益30億円)(2)金融(27億円)(3)旅行・娯楽(9億円)(4)ポータル(玄関)サイト運営(5億円)。年70〜80%成長している。特に電子商店街と金融が大きな大きな柱。楽天商店街の利用会員は2800万人、登録店舗は今月中に1万店に達する。名実ともに世界最大だ。財務は安定していると自負している。売り上げが下がることもありえない」との記事(2004.10.15 毎日新聞東京朝刊 21頁)

(2)「【検証アイ】プロ野球参入のネット企業 ともに本社は東京・六本木ヒルズの急成長企業」の見出しのもと、「【楽天】■2800万人の仮装商店街運営 楽天は、個人資産約二千五百九十億円といわれる三木谷(みきたに)浩史氏の経営コンサルティング会社「クリムゾングループ(Crimson Group)」(一九九五年設立)が、九七年二月に設立したエム・ディー・エムが前身。織田信長の「楽市楽座」にあやかり、同年五月に日本初となるインターネット上の仮想商店街「楽天市場」を開設した。その後、ブランド力向上の一環として九九年六月に現社名に変更。IT(情報技術)バブルに沸いた二〇〇〇年四月にジャスダック上場を果たした。二十社程度の買収を繰り返した結果、仮想商店街は開始当時に比べ大きく拡大。今では物品、旅行、金融などの複数の専門商店街が点在し、合計約九千五百店舗が集積している。専門商店街である「楽天トラベル」「楽天証券」などには運営・管理する経営者を配置。それを束ねたものが現在の楽天市場で、いわば「楽天合衆国」のような形態になっており、合衆国大統領として三木谷会長兼社長が君臨する。設立を目指すプロ野球球団「楽天野球団」(仮称)もこの合衆国傘下に置かれる。今年六月末時点での会員数は約二千八百万人。流通総額も二〇〇四年十二月期第2・四半期(四−六月)で七百七十億円と、前年同期比二・六倍強と飛躍的に伸びている。」との記事(2004.09.25 FujiSankei Business i. 3頁)。

(3)「楽天のショッピング関連売買取扱高は、7〜9月で500億円(旅の窓口177億円分を含む試算)を誇るうえ、四半期ごとに約20%の成長を継続中。2004年12月期の年間取扱高は3000億円程度に達する見込みで、決済手数料を1〜2%に抑えても大きな収益となる。」との記事(「週刊東洋経済」2003年12月20日号)。

(4)「楽天が運営する日本一のインターネット商店街の楽天市場は、2003年度第2四半期発表(8月21日時点)で流通総額は、前記同期比61.3%増の293億円になった。楽天市場への出店者数は、11月7日現在で1万3645店、商品数は639万5000点に上る。」との記事(「週刊エコノミスト」2003年11月25日号)。

してみれば、本願商標は他人の著名な略称よりなるものであって、その出願及び登録について、当該他人の承諾を得ていないものというのが相当である。

なお、請求人(出願人)は、「楽天」の文字からなる登録商標の権利を有しており、大々的に一般に向けて全国PRはしていないものの、昭和25年より「清酒」について長年使用してきているものであるから、酒業界においては、少なくとも、請求人(出願人)の取扱いに係る清酒の銘柄として認識されているものであり、出所の混同は生じない旨主張している。

しかしながら、本願商標登録出願時及び現在において、上述のとおり、「楽天」の文字は、一般に「楽天株式会社」を指し示すものとして受け入れられているといわざるを得ないから、過去に請求人(出願人)が「楽天」の文字からなる商標の登録を受け、現在もその商標を使用しているとしても、本願に関する請求人(出願人)の上記主張は採用できない。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第8号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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