Trademark Appeal Case
オリーブ図形の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2005−3595(T2005−3595/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、後掲のとおりの構成よりなり、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、平成16年3月1日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、円形内に実を付けた植物の図形を特殊とはいえない方法で表示してなるところ、円形はありふれた輪郭と認められるものであり、それのみでは自他商品識別標識としての機能を果たさない部分であり、株式会社北隆館が発行した『新訂 牧野 新日本植物図鑑』、株式会社平凡社が発行した『世界大百科事典 4』及びインターネット情報によれば、葉が長楕円形で鋸歯がなく、その実の形から、『オリーブ』を表したものと判断するのが相当である。
そして、『オリーブ』は、オリーブオイルの原材料となるほか、オリーブオイルを配合したせっけん,化粧品及びオリーブの葉のエキスを配合した歯磨きが存在することも知られているから、指定商品中、例えば、『オリーブオイル,せっけん,化粧品,歯磨き』について使用するときは、単に前記商品がオリーブを原材料とする商品であること、すなわち、商品の原材料、品質を表示したものと理解されるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、後掲のとおり、円形輪郭を線で描き、その内側の内周に沿って湾曲させた葉の付いている枝とこの枝に下方に向けて実を付けた植物を描いてなるものである。
ところで、オリーブは、葉が皮(披)針形であり、果実が品種固有の楕円形であるのが特徴である(株式会社北隆館「新訂原色 牧野和漢薬草大図鑑」第398頁、株式会社主婦の友社「薬草カラー大事典」第543頁、株式会社平凡社「世界大百科事典 4」第398頁ないし第399頁。各資料の「オリーブ」の項目の本文及び図形参照。)。
そこで、本願商標について見るに、ありふれた円形輪郭内に描かれた図形は、黒色のみで、ややデフォルメされて描かれているとしても、植物の葉と果実とを具体的に表したものと認識できる程度のものであり、かつ、葉の部分が皮(披)針形であり、果実の部分はオリーブに固有の楕円形の特徴を有していることを容易に看取できるものであるから、需要者、取引者は、該図形がオリーブの葉及び果実を具体的に表したものとして把握、理解するとみるのが相当である。
また、原査定の拒絶の理由が説示するように、オリーブは、化粧用、食用、工業用など用途が広く、特にオリーブの果実から得られるオリーブ油は、化粧用として香油、頭髪油、せっけん原料などに用いられるものである(株式会社北隆館「新訂原色 牧野和漢薬草大図鑑」第398頁、株式会社平凡社「世界大百科事典 4」第399頁参照。)。
そして、化粧品等を取り扱う業界において、例えば、商品の包装、商品カタログ等に商品の原材料、品質等を表すために、オリーブの特徴を具体的に表した図形が広く使用されていることは、例えば、以下の情報からも十分に裏付けられるところである。
(1)http://www.o-3.ne.jp/effect.html
ひまわり薬局健康事業部ホームページ中、「オリーブオイル化粧品O3 の働き」の記載中に前記のオリーブの葉及び果実の特徴を有する図形が描かれている。
(2)http://www.shimasenka.com/olive-howto.htm
小豆島 島選雅のホームページ中、化粧品を含むオリーブ関係の商品の販売するサイトに前記のオリーブの葉及び果実の特徴を有する図形が描かれている。
(3)http://www.inoueseikoen.co.jp/shop/product/cosme/oil.html
井上誠耕園のホームページ中、美容オイル「ヴァージンオリーブオイル120ml」の商品の包装に前記のオリーブの葉の特徴を有する図形が描かれている。
してみれば、前記のとおりの構成・態様の図形よりなる本願商標を指定商品中「せっけん類,化粧品」に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、オリーブという商品の原材料を図形で表わしたものと理解するにとどまり、それをもって自他商品の識別標識とは認識し得ないものというべきであり、また、本願商標をその指定商品中のオリーブを原材料とする商品以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものというべきである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、いずれも妥当なものであって、取り消すことができない。
なお、請求人は、過去の審決例、登録例を挙げて、本願商標も登録されるべき旨述べるところがあるが、それらは、商標の具体的な構成、態様等において本願商標とは事案を異にするものであり、かつ、本願商標については前記のように判断すべきものであるから、請求人のこの主張は、採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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