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Trademark Appeal Case

キャッチフレーズの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−15500(T2004−15500/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1.本願商標

本願商標は、「飲むお酢が,あなたを変える」の文字を標準文字により書してなり、第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」を指定商品として、平成15年8月28日に登録出願されたものである。

2.原査定の拒絶理由の要点

原査定は、「本願商標は、『飲むお酢が、あなたを変える』の文字を書してなるが、該文字は『お酢を飲むと、あなたを健康的に変えます』的意味合いを標語的・キャッチフレーズ的に表現したものに止まり、このような語をその指定商品に使用しても、格別に自他商品識別標識としての機能を果たす程のものでなく、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であると認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3.当審における証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、本願商標の構成中「・・・があなたを変える」に関して、下記の事実(インターネット情報)が認められ、具体的な「・・・」の効能により、あなたに変化を与える程の意味合いで、商品のキャッチフレーズとして使用されているところである。したがって、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知した。

(1)http://www.e-goodlife.jp/のホームページには、「活性水素、活性水素水、水素水、還元水、奇跡の水、ドクター水素水とエピアの水素水等の全国通信販売。」の見だしのもと「自宅で簡単に作れる奇跡の水!!」、「活性水素があなたを変える!!」との記載。

(2)http://www.hapima.com/prd/02000189/0200018941507/のホームページには、「アジャブティー2g×30包」の商品紹介には、「飲めば飲むほど・・・・」、「Ajabu(アジャブ)が不思議な力であなたを変える!」との記載。

(3)http://tenant.depart.livedoor.com/t/select4u/feature_content?id=11879のホームページには、「天然炭酸ガス含有ミネラルウォーター【awa心水】(アワシンスイ)」の商品紹介には、「美しい水が、きっとあなたを変える。」の見だしのもと「・・・奇跡の水を加熱殺菌せずに、本来の味そのままをボトリングしました。美しい体を育み、その爽やかさは心を癒してくれるようにとの思いを込めて。」との記載。

(4)http://web.ako-kasei.co.jp/column/のホームページには、「ミネラルがあなたを変える!」の見だしのもと「※このコーナーでは当社製品に含まれる「海洋ミネラル」について簡単にご説明します。」との記載。

(5)http://www.store-mix.com/ko-bai/product.php?pid=435541&hid=&rid=AAAHCLAAGAAAfpEAAB&u=のホームページには、「商品のご紹介」には、「【チョーキレイDETOX】・・・クロロフィルがあなたを変える!!」との記載。

(6)http://plaza.rakuten.co.jp/jugon90p/recommend/のホームページの「燃焼MAX7」の商品紹介として「最大限の燃焼力があなたを変える!!!」との記載。

(7)http://books.yahoo.co.jp/book_detail/31684642のホームページには、書籍名「脂肪燃焼ダイエット 食べても、食べても痩せられる!?」の書籍紹介には、「1日2杯のスープがあなたを変える。みるみる細くなるウエスト、ペタンコお腹をゲット。ただ痩せるだけじゃない、キレイに元気になれる。」との記載。

(8)http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9930203540のホームページには、「進化する水の健康革命−水があなたを変える!水が医学を変える!!」との書籍の紹介。

4.職権証拠調べに対する意見の要点

「食酢」の効果は、拒絶理由に指摘された「健康」に関する効果ばかりではない。また、必然性のない抽象的な用語は、一般性がなく「何人かの業務に係る標識か理解できない」商標には該当しない。本願商標は、「自己の」「何が」「どのように」「変わるのか」不可思議な思いを抱く程度の抽象的表現は、その「不可思議に思う感覚が生ずる」こと自体で、一般的な標語・キャッチフレーズと異なり、商標としての自他商品識別力が生じている。

上記主張に伴い、本件証拠調べに指摘されたホームページを精査すると、「○○があなたを変える」の記載は、目的・効果が明示されて完結するもので、これらの説明なしに使用されている例は見あたらない。これに対し、本願商標は、商品の品質が全く理解できず、内容を説明しているものとも認識できない用語であるから、類例的な用語が明確な目的・効果を示して使用されているとしても、明らかに明確な差異が存するところで、商標ごとに厳格に判断されるべきである。

5.当審の判断

本願商標は、前記のとおり「飲むお酢が,あなたを変える」の文字よりなるところ、本願商標の指定商品を取り扱う業界においては、昨今の健康ブームにより、酢飲料や食酢が注目され、「飲むお酢」の売り上げが伸びていることが認められ、各種の酢飲料や食酢は、健康にも良いとされている。

そして、上記した実情は、以下の各種新聞記事の記載からも裏付けられる。

(1)2000.06.30 朝日新聞名古屋朝刊31頁には、「飲料も人気で酢 低カロリー、刺激抑え飲みやすく【名古屋】」の見出しのもと「酢を使った飲みものが人気だ。酢独特のツンとする香りと口にした時の刺激を果汁などで和らげてそのまま飲めるようにしたストレートタイプの酢飲料がブームの火付け役で、低カロリーでもあることから、健康やダイエットに気を使う若い女性や中高年層に受けている。」との記載。

(2)2005.02.16 日刊工業新聞32頁には、「トップインタビュー(8)キッコーマン社長・牛久崇司氏ほか」の見出しのもと「【ミツカングループ本社社長・中楚又左ヱ門和英氏『健康志向狙い酢飲料拡販』】・・・−健康ブームで酢の消費には追い風が吹いています。」との記載。

(3)2005.05.19 朝日新聞東京夕刊5頁には、「プレゼント マリオン」の見出しのもと「●果実酢飲料などのギフトセット/・・・国産玄米黒酢に『カルピス』とハチミツを加えた『飲む黒酢とカルピス』と、国産果実酢に果汁とハチミツを加えたフルーツタイプの詰め合わせ。様々な健康機能が注目されている酢を、口当たりよく飲みやすくした。」との記載。

(4)2005.07.02 朝日新聞大阪朝刊10頁には、「『お酢ドリンク』人気 3年で市場倍増【大阪】」の見出しのもと「酢の醸造メーカーが開発した『飲むお酢』の売り上げが伸びている。黒酢やもろみ酢にハチミツなどを混ぜ、紙パックなどに詰めたものが『飲むお酢』だ。消費者の健康志向に後押しされて、参入メーカーは100社を超え、05年の市場規模は3年前の2倍の480億円に達する見通しだ。」との記載。

(5)2006.04.24 日本食糧新聞には、「食酢・食酢ドリンク特集:『果実酢飲料』ブームの兆し 飲みやすさを訴求」の見出しのもと「・・・食酢は、『防腐・静菌』『食欲アップ』『減塩』『カルシウム補給』『疲労回復』『血圧低下』『血中コレステロール値低下作用』などの効果や作用があり、しかも廉価であることから、健康ニーズが高くなっている時代の風は追い風にある・・・各社の06年新商品を見ると、『果実酢、黒酢、甘さ、おいしさ、ハチミツ、コエンザイムQ10』などを商品トレンドに飲みやすさを訴求した商品が目立ち、20代〜30代そして女性と子供を意識した商品で食酢飲料の裾野を広げようという意気込みがうかがえる(メーカー動向参照。)」との記載。

さらに、前記した「3.当審における証拠調べ通知」において、本願商標の構成中「・・・があなたを変える」に関して、上記の事実(インターネット情報)が認められ、具体的な「・・・」の効能により、あなたに変化を与える程の意味合いで、商品のキャッチフレーズとして使用されているとみるのが相当である。

そうすると、本願商標は、「酢飲料」或いは「酢を飲むこと」の意味合いを認識する「飲むお酢」の文字と商品のキャッチフレーズとして使用されている「・・・があなたを変える」の文字とを組み合わせてなるから、これをその指定商品に使用された場合、これに接した取引者、需要者は「酢を飲むことが酢の効能によりあなたに変化を与える」という、食酢に関する宣伝文句ないしキャッチフレーズとして認識、理解するというべきであり、他人の同種商品とを識別するための標識であるとは認識し得ないものとするのが相当である。

したがって、本願商標は、何人かの業務に係る商品であるかを認識することができない商標であり、商標法第3条第1項第6号に該当するといわざるを得ないから、本願商標はこの理由をもって拒絶すべきものである。

なお、請求人(出願人)は、本願商標は、商品の品質が全く理解できず、内容を説明しているものとも認識できない用語であるから、類例的な用語が明確な目的・効果を示して使用されているとしても、明らかに抽象的な用語は、一般性がなく「何人かの業務に係る標識か理解できない」商標には該当しない旨、主張しているが、商品の宣伝文句ないしキャッチフレーズは、商品の特徴を簡潔に表し、需要者の注意を引くために用いるものであるから、必ずしも明確な目的や効果を表現しなくても、本願商標からは、食酢に関する宣伝文句ないしキャッチフレーズと認識すること上記のとおりであり、該主張は、認めることができない。

また、前記の認定、判断と同様の審決をした案件に対する東京高等裁判所等における行政訴訟事件[平成13年(行ケ)第45号]において、同様の判断をしている判決を参照されたい。

よって、結論のとおり審決する。

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