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Trademark Appeal Case

商標使用の証拠の有効性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第30798号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2527860号商標(以下「本件商標」という。)は、「ADONIS」の文字を書してなり、第23類「時計、眼鏡、これらの部品および附属品」を指定商品として、平成2年12月17日に登録出願、同5年4月28日に登録され、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。

(1)請求の理由

本件商標は、商標権者により継続して3年以上、日本国内において何ら使用されていない。また、通常使用権も登録されていないことから、本商標権の通常使用権者も存在しないことが推認し得る。したがって、本件商標の登録は取り消されるべきものである。

(2)答弁に対する弁駁

被請求人が答弁書と共に提出した乙第1号証及び同第2号証によっては、本件商標がその指定商品に使用されていたことは何ら立証されていない。

▲1▼ 乙第1号証として提出された受注受託業者からの納品書の写しは、被請求人が本件商標をその指定商品に使用していることを何ら立証するものではない。けだし、商標権者宛の商品の納入は商標法第2条第3項に言う商標の使用ではないからである。

しかも、被請求人は納品書の発行者であるアイテック株式会社が同人の受注受託業者であることを何ら立証していない。また、納品書には、株式会社テレホンメガネの住所が記載されていないので、ここで述べられた株式会社テレホンメガネが被請求人であることも立証されていない。この点で、被請求人に商品が納入されたこと自体すらも立証されていないと言わざるを得ない。

▲2▼ 被請求人は、乙第2号証の写真の撮影年月日を明らかにしていない。それらの写真には「’98 11 12」なる文字が入っているが、かりに、これが写真の撮影年月日であるとしたら、これらの写真は本件審判の予告登録後に撮影されたものであり、本件審判の予告登録前3年以内の使用を立証することはできない。

さらに、これらの写真に写されている眼鏡が商標権者によって販売されていたこと、取引の対象となっていたことも全く立証されていない。

▲3▼ 乙第1号証の納品書の日付と乙第2号証の写真の日付の間には2年以上の隔たりがあり、また、納品書の品番ないしは品名と写真の番号とは一致していないので、両者の間の関連性も認められない。

3 被請求人の答弁

被請求人は、本件請求を棄却するとの審決を求めると答弁し、その理由及び弁駁に対する答弁を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第6号証を提出した。

(1)被請求人は、現在でも本件「ADON1S」の名のついた眼鏡を店舗にて販売しており、平成9年10月1日から同10年9月30日の間の1年間の販売本数は109本、平成10年11月4日現在の在庫は71本となっている。従って、この3年間に本件商標が使用されていることは明らかである。

(2)弁駁に対する答弁

被請求人は「テレホンメガネ」の商号によりチェーン店での眼鏡販売業を営むものであり、アイテック株式会社に従来からアドニスの名称の眼鏡フレームの製造委託をしている。

乙第1号証は、同社から記載の日時に「ADONIS」の納品を受けたということを立証しており、生産を委託して受領したフレームは、販売のため商品として店舗で陳列されることは当然推認されることである。

乙第2号証は、本件予告登録後の平成10年11月12日に被請求人の店舗で撮影されたものであるが、これは店舗で陳列され販売されている証左であり、更生管財人が本件審判のため証拠を捏造したと言うならともかく、これを以って、従来から使用を継続している証拠とすることに何らの齟齬もない。

更に、以下の資料を証拠として追加提出する。

乙第3号証は、平成8年6月1日現在の店舗所在地であり、最右欄の店舗Noが以下の書証の参考となる。

乙第4号証は、各店舗毎の1994年10月1日から1999年3月31日までの「ADONIS」フレームの販売本数一覧表である。

なお、ASはエース商品、PKはパック商品、SPは二本セール商品を表しており、被請求人における販売方法による分類である。

乙第5号証は、乙第4号証の店舗番号001のめがね館における販売日時等の詳細であり、処理日が販売日である。

乙第6号証は、店舗番号001のめがね館における販売一覧表で、商品番号や価格が記載されている。

4 当審の判断

そこで、被請求人が本件商標の使用の事実を証明するものとして提出した乙号各証をみるに、乙第1号証(受注委託業者からの納品書)によれば、96年1月23日、1月31日、4月2日、4月17日、4月18日、5月10日、5月24日及び7月31日にアイテック株式会社から株式会社テレホンメガネに、品名「19−001 ADONIS」あるいは「19−002 ADONIS」の商品が納品されたものであることが認められ、また、同第2号証(眼鏡の写真)によれば、当該写真は本件予告登録後に撮影されたものではあるが、メガネフレームに「ADONIS」の商標が使用されている状態を把握することができる。

また、追加提出された同第3号証(株テレホンメガネ店舗所在地一覧)によれば、被請求人のチェーン店は、平成8年6月1日現在において、本社を除いて202店舗存在していたこと、同第4号証(フレームの販売本数一覧表)によれば、乙第3号証の各店舗毎の1994年10月1日から1999年3月31日までの「ADONIS」フレームの販売本数の総計は1933本に達していたこと、同第5号証(店舗番号001のめがね館における販売日時等の詳細)及び同第6号証(店舗番号001のめがね館における販売一覧表)によれば、乙第3号証の店舗一覧のうち店舗番号001の本部めがね館においては、1995年10月19日から1998年5月21日までの間に、合計29回にわたり、区分「SP(二本セール商品)」、商品番号「19−001」あるいは「19−002」の商品が販売されていたものであることを推認することができる。

以上、被請求人が答弁書とともに提出した乙第1号証及び同第2号証に、その後、追加提出された乙第3号証ないし同第6号証を総合してみれば、被請求人は、受注委託業者と認められるアイテック株式会社から納品された商品番号「19−001」あるいは「19−002」の「ADONIS」印の眼鏡フレームを被請求人の本部めがね館において、1995年10月19日から1998年5月21日までの間に販売していたものとみるのが相当である。

なお、請求人は、乙第1号証について、アイテック株式会社が被請求人の受注受託業者であることは立証されておらず、又、納品書に記載されている株式会社テレホンメガネにはその住所の記載がなく、当該会社が被請求人であることも立証されていないから、結局、被請求人に商品が納入されたこと自体すらも立証されていない旨主張している。

しかしながら、納品書に納品先の住所が記載されていなかったとしても、名称の上部には得意先コードも記載されており、納品書として格別不自然なものとはいえない。そして、被請求人がその後に提出した乙第3号証ないし同第6号証をも併せてみれば、納品書に記載されている株式会社テレホンメガネは被請求人を指称するものであり、また、アイテック株式会社は、被請求人の受注委託業者とみるのが自然であって、これを否定する証拠も見当たらない。

してみれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を本件商標の指定商品に包含されている商品について使用していたものといわなければならない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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