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Trademark Appeal Case

不使用取消審判の証拠

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第30908号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

商標法第50条の規定により、登録第2674826号商標の登録は、取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2674826号商標(以下、「本件商標」という。)は、別紙に示すとおりの構成よりなり、第24類「ギター、その他の楽器」を指定商品として、昭和63年6月29日に登録出願され、平成6年6月29日設定登録、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると主張し、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証乃至同第4号証を提出している。

2−1 請求の理由

(1) 請求人は、ギターの製造・販売の事業を営むものであり、「NOKIE」の商標の使用を意図し、商標登録出願(商願平8−142893号)をしたところ、本件商標が引用されて拒絶理由通知を受けた。

(2) 請求人は、商標権者が過去3年以内に、その指定商品「ギター、その他の楽器」について、本件商標の使用をした事実があるか否かの調査を行ったが、そのような事実は発見できなかった。

また、特許庁備え付けの商標登録原簿によれば、専用使用権者、通常使用権者の登録もなく、この点からも使用を窺わせるような事実は発見できなかった。

したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の「継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、該指定商品について登録商標の使用をしていない商標」に該当するから、その商標登録は取り消されるべきである。

2−2 弁駁の理由

(1) 被請求人は、1992年(平成4年)8月7日、米国アーカンソー州ブーンビルで死去した(甲第3号証及び同第4号証)。

請求人は、被請求人が前記ブーンビルに1992年4月に設立したエレキギターの「モズライト(mosrite)」製作の会社「ユニファイド・サウンド・アソシエーション・インコーポレーテッド(Unified Sound Association,Inc.)」の工場で、製作技術者兼インストラクターとして労働しており、この間、被請求人は自動車事故で切断した足の癌によって死去したことから、請求人はその葬儀にも立ち会っている。

したがって、被請求人代理人によって提出された答弁書は、死者によって提出された無権代理の書面であり、本人が追認することはできないから、当然無効のものである。

(2) 被請求人は、乙第1号証に係る送り状及び同第2号証に係る書簡を提出し、「本件商標を付した商品『ギター』を平成7年9月頃より平成10年9月頃までに数本日本に輸出し販売してた実績がある。」と主張するが、以下の理由により、これは全部虚偽である。

▲1▼ 乙第1号証は、1997年11月17日の日付があるものの、何人が発行した送り状なのか不明である。住所だけあって、送り主の記載のない書面には証拠能力がない。

同様に、記載されるべき「List Price」と「Amount」の欄が消去されてコピーされている書面には証拠能力がない。

この送り状の中には、“Natural NOKIE neck serial N97002(replacement for defective one−to be returned”の記載がある。この記載の意味は、米国で以前に製造されたギターが、欠陥(defective)ありとして我が国から返送されたもの(replacement)を、修理後に戻送(returned)されたことを意味するようであるが、その戻送の日付が1997年11月17日ということであろう。

したがって、乙第1号証は、本件商標が本件審判請求の登録前3年以内に我が国内において確実に使用されていたことを証明していることにはならない。

▲2▼ 乙第2号証の書面は、ロッコーマン株式会社という会社から被請求人代理人事務所の個人宛の書簡のようであるが、

「“NOKIE”という名前が入ったギター」を「たしかに平成7年9月から平成10年9月の間に何本かMR.LORETTA MOSELEYより受け取りました。」とある。しかし、これには裏付けとなる正確な証拠の提出もなければ、MR.LORETTA MOSELEYと被請求人との関係も明確にされていないばかりか、証明責任者の記名も印もない。このような書面には証拠能力がない。

したがって、乙第2号証は、本件商標が本件審判請求の登録前3年以内に我が国内において確実に使用されていたことを証明していることにはならない。

3 被請求人の答弁

被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とするとの審決を求める。」と主張し、その理由を下記の通り述べ、証拠方法として、乙第1号証及び同第2号証を提出している。

3−1 答弁の理由

被請求人は、本件商標を付した商品「ギター」を平成7年9月頃より平成10年9月頃までに数本日本に輸出し販売してた実績がある。

被請求人は、従前は大量に日本に商品「ギター」を販売していたが、最近は注文に応じて販売するにとどまっており、本件商標を付した商品も同様の経路を経て販売されたものである。

したがって、本件商標は過去3年間に日本国内で使用されていたので、本件商標の登録は、商標法第50条第1項に該当しないので、取り消すべきではない。

4 当審の判断

そこで、被請求人が本件商標を使用している事実を証明するものとして提出した乙第1号証及び同第2号証について検討するに、同第1号証について、被請求人は、商品の送り状である旨主張するが、その記載内容からして返品された商品の修理後の送り状とみるのが相当であり、指定商品「ギター」等の生産、証明又は譲渡に関する取引書類ではないものと認められる。また、同状と被請求人との関係も明らかでない上に、記載された商標も「NOKIE」とあり、本件商標と同一のものではない。

乙第2号証は、我が国の取引先の単なる書簡であって、指定商品「ギター」等に関する取引書類とは認められないものであり、また、同書簡と被請求人との関係も明らかでないものである。

してみれば、乙第1号証及び同第2号証によっては、本件商標の使用の事実を証明するには不十分であるというべきである。

以上によれば、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、指定商品のいずれについても本件商標を使用していなかったものといわざるを得ず、また、これを使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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