sokuhyo弁理士法人WATT 監修

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結論

敗訴(請求棄却)

商標「TACOSOBA」のTACOSOBAの識別力(第4条第1項第16号・第3条第1項第3号|審判無効2005−89103(T2005−89103/J3))

審判番号
無効2005−89103(T2005−89103/J3)
審判種別
無効

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「TACOSOBA」
争点(論点)
TACOSOBAの識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
第30類
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判無効2005−89103(T2005−89103/J3)・無効)は、本件商標「TACOSOBA」について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「TACOSOBAの識別力」です。指定商品・役務は第30類に属します。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4700319号商標(以下「本件商標」という。)は、「TACOSOBA」の欧文字を標準文字で書してなり、平成14年12月2日に登録出願、第30類「調味料,香辛料,穀物の加工品,タコス」を指定商品として、同15年8月15日に設定登録、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張の要点

請求人は、「本件商標の登録は、これを無効とする、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求める。」と主張し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第5号証を提出した。

請求の理由

(1)本件商標は、ローマ字で「TACOSOBA」と表示されたものであって、「タコソバ」と発音される。

ところが、「TACOSOBA」並びに「タコソバ」中の「TACO」並びに「タコ」の部分は「タコス]を意味しており、「SOBA」並びに「ソバ」の部分は「沖縄そば」のことを意味している。

すなわち、甲第1号証(沖縄タイムス平成16年7月27日)でも明記されているように、「タコスの具と沖縄そばのめんという意外な取り合わせの『TACOSOBA』(タコソバ)。」なのである。また、インターネットでTACOSOBA及びタコソバを検索してみても、「沖縄そばの麺の上にタコスの具がのってる。」と明記されており、「TACOSOBA」とは、だれでもが「沖縄そばの麺の上にタコスの具がのっているもの」と認識している。

また、平成17年6月4日付けの沖縄タイムス(甲第2号証)には、「タコライスと沖縄そばをミックスした...商品『タコソバ』」と明記されており、本件商標の権利者である林祐司氏自身も「タコスソースと沖縄そばの組み合わせ」であることを認めている。

平成17年6月4日付けの琉球新報(甲第3号証)にも、「タコスと自家製の沖縄そば、サルサソースをミックスした商品『タコソバ』を販売するパラレルユニバース(林祐司代表)」と明記されている。

以上の甲第1号証ないし甲第3号証からも明らかなように、本件商標「TACOSOBA」並びに「タコソバ」は、タコスを加えたソバという意味であるから、普通の方法による品質表示に該当し、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものである。

さらに、タコスを加えたソバを意味する「タコソバ」を、本件商標の指定商品「調味料、香辛料、穀物の加工品、タコス」に付して使用した場合には、商品の品質の誤認を生ずる。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。

(2)沖縄コンパクト事典(甲第4号証)によれば、沖縄では、「タコスの具をライスの上にのせた料理」が「タコライス」として周知であるが、この「タコライス」中の「タコ」は「タコス」を意味しているものであるから、本件商標のように、「TACOSOBA」や「タコソバ」と表示した場合は、前記のように、「沖縄そばの上にタコスの具をのせた料理」であると容易に想像することであり、インターネットでも「TACOSOBAは、沖縄そばとタコスが合体している」と明記されている。

そして、特許庁においても、商標「タコライス」(商願平6−39072号)を、商標法第3条第1項各号に該当するとして拒絶している。

よって、本件商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、その登録は無効とされるべきである。

3 被請求人の答弁

被請求人は答弁していない。

4 当審の判断

本件商標は、前記のとおり「TACOSOBA」の文字を同じ書体、同じ大きさ、等間隔でまとまりよく一体に書してなるものであり、既成の語を表したものともいえないから全体として一種の造語よりなるものとみるのが相当である。

しかしながら、請求人は、本件商標を構成する「TACOSOBA」の文字よりは、「沖縄そばの上にタコスの具をのせた料理」の意味合いを容易に認識すると主張している。

ところで、商標法第3条第1項の規定に該当するか否かの判断時期は、査定時と解されるところ、請求人が前記主張を証する書面として提出した甲第1号証(沖縄タイムス・平成16年7月27日発行)、甲第2号証(沖縄タイムス・平成17年6月4日発行)及び甲第3号証(琉球新報・平成17年6月4日発行)は、いずれも本件商標の登録査定日(平成15年(2003年)6月19日)より後のものである。

また、上記甲第1号証ないし甲第3号証によれば、「TACOSOBA(タコソバ)」の語は、本件商標の商標権者である「林祐司氏」(パラレルユニバースの代表取締役)が創案し、「タコスソースと沖縄そばを組み合わせた食物」の名称として使用されていることが認められる。

以上のとおり、請求人の提出に係る書証によっては、本件商標を構成する「TACOSOBA」の語が、本件商標の登録査定日である平成15年(2003年)6月19日において、「沖縄そばの上にタコスの具をのせた料理」の意味合いを有する語として普通に使用され、取引者、需要者においても認識されていたものと認めることは出来ない。

してみれば、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、商品の品質を表示するものではなく、自他商品の識別標識としての機能を十分果たし得るものであり、かつ、商品の品質の誤認を生じさせるおそれもないものである。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項により、その登録を無効とすべきではない。

よって、結論のとおり審決する。

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