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Trademark Appeal Case

商標使用の証拠評価

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第31326号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1.本件商標

本件登録第1331251号商標(以下「本件商標」という。)は、別紙に示すとおりの構成よりなり、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、昭和48年5月19日登録出願、同53年4月6日設定登録、その後、2回に亘り商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

2.請求人の主張

請求人は、「本件商標の指定商品中『薬剤』についての登録を取消す、審判費用は、被請求人の負担とするとの審決を求める。」旨主張し、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。

(1)請求の理由

本件商標は、平成7年12月1日以降、今日に至るまでの3年以上、商標権者及び使用権者のいずれによっても、その指定商品中「薬剤」について使用されていないことは、請求人の調査により明らかである。したがって、本件商標登録は、その指定商品中「薬剤」につきその不使用を理由とする取り消しを免れないものであり、ここに上記請求の趣旨の通り審判を請求する。

(2)答弁に対する弁駁

被請求人の平成11年3月15日答弁書に対して次の通り弁駁する。

被請求人は、本件商標をその指定商品に使用しているとして、乙第1号証乃至乙第15号証をその証拠書類として提出しているが、これらの書類はいずれも本件商標をその指定商品に使用している証明にはならないので、以下各乙号証につき詳細に検討する。

まず乙第1号証は、単に本件商標の態様及び本件審判請求登録日を示すに過ぎないものである。

乙第2号証は、アセトアミノフェンなる商品をサンケミファー株式会社なる法人に納品したことを示す納品書控えであるが、これには商標と思しきものの記載は一切なされていない。即ち、こうした書類の場合、「○○シャツ」(「○○」は商標)のように、品名の欄に商品名と商標名を併記するか、あるいは商標名と商品番号などを併記するのが通常であるが、乙第2号証の品名の欄には「アセトアミノフェン 98206 SS」と表示されているのみであって、商標らしきものの記載は一切なされていない。

本件商標に対応すると思しき図形は、乙第2号証の書面右上に納品書発行者を示す社名、住所、電話番号及びファクシミリ番号と並んだ状態で表されているが、このように単に会社名と並べた態様では、この図形が同社の社標であることを表示しているに過ぎず、商標的態様で使用されているとは言い得ないものである。商標的態様の使用と言い得るためには、例えば甲第1号証として提出する医薬品のパッケージコピーに示すように、「太田漢方胃腸薬」という商品名と並べた態様でなければ、商品との関係が判然としない。

乙第3号証は、1997年化学工業会社録(抄)であって、被請求人会社と乙第2号証において記載されているサンケミファー株式会社の関係が記載されている。これによればサンケミファー株式会社は被請求人の営業部門を独立させた販売会社である。また、乙第3号証中の被請求人に関する記載のうち、取引関係の欄をみると、被請求人の販売先は専らサンケミファー株式会社であることは明らかである。したがって、たとえ法人格としては別であっても、サンケミファー株式会社は依然として被請求人の販売部門、即ち被請求人法人の一部として位置づけられていることは明らかである。

こうした事実からすれば、乙第2号証の納品書は、法人甲が法人乙に何らかの商品を納品したことを示す書類と言った性質のものではなく、単に法人甲の製造部門から法人甲の販売部門へ商品を移動させたことを示す内部取引書類としてみるのが相当である。したがって、この点からも乙第2号証は第三者との商品取引を表した書類とは言えず、本件商標の使用を立証するものとはなり得ない。

乙第4号証は、日本薬局方解説書であって、「アセトアミノフェン」について記載されている。これによれば、当該品は白色の結晶又は結晶性の粉末であって、解熱鎮痛の薬効があることは窺える。しかしながら、これ自体はそのまま医薬品として服用されるものではなく、錠剤、座剤等に製剤されるべきものであることは、乙第4号証の記載から明らかであるから、当該品は医薬品そのものではなく医薬品の原材料として位置づけられるものであることは明らかである。

また、被請求人の名称「山本化学工業株式会社」からも明らかなとおり、同社は薬品ではなく薬品の原材料となる化学品を製造する法人であると考えられる。したがって、乙各号証に示されている製品も、たとえ医薬品の範疇に属する場合があるとしても、被請求人の取扱いに係る製品はあくまでも薬品の原材料たる化学品として取り引きされるものと考えるのが相当である。したがって、乙第2号証に記載されている「アセトアミノフェン」は医薬品ではなく、医薬品の原材料となる化学品の範疇に属する商品である。

乙第5号証は、試験確認表の写しであるが、これは、アセトアミノフェン結晶の一定の試験項目及び試験結果を表示する書類であって、当該品の取引を示す類の書類ではない。したがって、乙第6号証も本件商標の使用を立証するものではない。

乙第6号証は、商品包装写真と説明されているが、「アセトアミノフェン」と印刷された箱が写されているだけで、果たしてこれに商品が納められているのか判別できない。商標法第2条第3項第1号「商品又は商品の包装に標章を付する行為」の「商品の包装」には、容器を含むが未だ実際に商品を包むのに用いられていない包装用紙などは含まれない。したがって、単に箱にマークを印刷しただけでは商標の使用にならないことは常識であって、乙第6号証もまた本件商標の使用を証明するものではない。

更に、乙第6号証は、その撮影日が入っていない写真であるから、この写真が本件審判請求の登録日よりも前に撮影されたものかどうか明らかでない。したがって、この点からも乙第6号証は、本件商標の本件審判請求登録前の使用を立証するものではない。

乙第7号証は、インボイス及びパッキングリストと説明されているが、これは社内で任意に作成できる書類であり、これに対応する韓国法人からの商品注文を表す書類や、大阪からソウルヘの商品運搬を行った輸送会社の伝票などの客観性ある書類が添付されていない以上、乙第7号証の成立には疑問が持たれる。

また、乙第7号証の出荷対象商品となっている「20kg Flavoxate HCL 99% up」の記載からでは、当該商品に如何なる商標が付されているのかは明らかではない。当該書類の上方に本件商標に対応する図形が表されているが、これは被請求人の英文名称と思しき「YAMAMOTO CHEMICAL INDUSTRIAL CO.,LTD.」と共に表示されているのであるから、同社の社標として認識されるのみであって、商品識別機能を果たすものではない。

乙第8号証は、日本薬局方解説書中「塩酸フラボキサート」に関する記載の写しであるが、乙第4号証の場合と同様に、当該品が医薬品の原材料であることを示すに過ぎず、これより当該品が薬品の範疇ではなく化学品の範疇に属すべきものであることが窺える。

乙第9号証は業界紙の写しであるとのことであるが、ここには被請求人の名称と共に、「医薬品原料 アセトアミノフェン塩酸フラボキサート」等の記載があり、これより乙第2号証乃至乙第8号証に表示の商品が医薬品ではなく医薬品原料であることは明らかである。

乙第10号証は、商品包装写真であるとのことであるが、乙第6号証の場合と同様に商品を納めている包装容器であるのか判然としない上、撮影日も明示されていない以上、本件審判請求登録日前における本件商標の使用を立証するものではない。

乙第11号証は被請求人の会社案内写しであるが、ここに取扱製品リストが記載されていても、それら製品が実際に扱われていることの証明にはならず、また、たとえこれら製品が実際に取り扱われていたとしても、これら製品に本件商標が付されているのかどうかは立証されていない。

乙第12号証乃至乙第15号証は、商品ラベルの写しであるが、これが印刷されたという事実のみでは、本件商標の指定商品への使用を立証したことにならないことは明らかである。

してみれば、被請求人提出の乙第1号証乃至乙第15号証は、本件商標の指定商品についての使用を立証するものではなく、また審判請求書で述べた通り、本件商標が商標権者、使用権者のいずれによっても、そのいずれの指定商品についても使用されていないことは請求人調査によって明らかであるから、本件商標は商標法第50条の規定により登録取消を免れないものである。よって、請求の趣旨の通りの審決を求める。

3.被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証乃至乙第17号証を提出している。

(1)答弁の理由1

本件審判請求は、本件商標の指定商品中「薬剤」について継続して3年以上、日本国内において使用していないことを理由として、この登録の取り消しを求めているものである。

しかしながら、本件商標権者である山本化学工業株式会社は、本件商標を商品「薬剤」について、本件審判の請求の登録日である平成11年1月20日(乙第1号証)より前の3年間はもとより現在に至るまで継続して使用している。

本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に、日本薬局方に収められている「アセトアミノフェン」、「塩酸フラボキサート」、「メフェナム酸」、「フェナセチン」等の商品に付されて使用されている。この事実の一端を以下の証拠により明らかにする。

▲1▼乙第2号証乃至第5号証

乙第2号証は、1998年(平成10年)12月1日に、被請求人が本件商標を使用した商品「アセトアミノフェン」を被請求人の販売会社である大阪市中央区平野町1−5−15に所在する、サンケミファー株式会社(乙第3号証)に出荷し、静岡県富士市大野町322−1に所在する興和株式会社の富士工場に1998年(平成10年)12月3日に納入した事実を示す納品書(控)の写しである。この証拠からは、商品である「アセトアミノフェン」の販売事実と、本件商標が伝票内に表示されている事実が確認できる。なお、サンケミファー株式会社は、乙第3号証からも明らかであるが、被請求人の営業部門を独立させて設立された法人である。

商品「アセトアミノフェン」は日本薬局方に収められており、かかる商品は本審判請求に係る指定商品「薬剤」の一に含まれるものである(乙第4号証)。被請求人の商品である「アセトアミノフェン(結晶および微粉)」が1998年(平成10年)6月22日、7月10日、および7月13日付けで日本薬局方の判定に合格したことを確認する医薬品試検表を乙第5号証として提出する。

さらに、被請求人の商品「アセトアミノフェン」に本件商標が使用されている事実は、乙第6号証として提出する該商品を包装した段ボール箱の写真によっても明らかである。なお、乙第6号証は、被請求人である山本化学工業株式会社の本社内で、同社管理課に所属する係長、杖村由治によって、1998年(平成10年)3月に撮影された。

▲2▼乙第7号証乃至第10号証

乙第7号証は、1998年(平成10年)12月15日に、被請求人が本件商標を使用した商品「塩酸フラボキサート」を製造し、韓国法人「KOREA UNITED PHARMACEUTICAL INC.」に対して輸出したことを示すインボイスおよびパッキングリストの写しである。被請求人の商品「塩酸フラボキサート」は日本薬局方に定められた医薬品であり、かかる商品は本審判請求に係る指定商品「薬剤」の一に含まれるものである(乙第8号証)。また、被請求人は、商品「塩酸フラボキサート」を海外のみならず国内の医薬品メーカーに対して広く販売している(乙第9号証)。被請求人の商品「塩酸フラボキサート」に本件商標が使用されている事実は、乙第8号証で明らかであるが、乙第10号証として提出する商品の包装箱の写真で確認できる商品ラベルによっても証明できる。なお、乙第10号証は、被請求人である山本化学工業株式会社の本社内で、同社管理課に所属する係長、杖村由治によって、前掲乙第6号証の撮影日と同日に撮られたものである。

▲3▼乙第11号証乃至第15号証

前述のように、本件商標は被請求人の社標であるとともに(乙第11号証)、被請求人が製造する日本薬局方「アセトアミノフェン」(上記▲1▼参照)、「フェナセチン」(乙第12号証)、日本薬局方医薬品「メフェナム酸」(乙第13号証)、「塩酸フラボキサート」(上記▲2▼参照)、「サリチル酸メチル」(乙第14号証)、日本薬局方外医薬品「マレイン酸シネパジド」(乙第15号証)等の「薬剤」に被請求人のブランド商品を示すマークとしてラベル等に統一して使用されている。

このように、本件商標は、被請求人の製造・販売にかかる各種の「薬剤」に表示されることで、自他商品識別力を発揮し、出所の表示等としての商標の機能を果たす目印として商標的に使用されていることが確認できる。

以上の証拠から、本件商標が、審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、その請求に係る指定商品「薬剤」に含まれる「アセトアミノフェン」、「塩酸フラボキサート」等の商品に使用されていたことは明らかである。

(2)答弁の理由2

被請求人は、平成11年3月15日付け提出の答弁書により、本件商標を審判の請求の登録日である平成11年1月20日より前3年以内に本件商標を使用している事実を明らかにし立証した。

請求人は平成11年6月28日付けで、本答弁に対して弁駁しているが、本件商標の使用は、被請求人が既に提出した乙第2号証乃至乙第15号証により明らかである。

ここで、被請求人は本件商標の使用を更に明確なものとし、本件審判の請求が成り立たないことを明白なものとするため、請求人の弁駁に対して以下の通り重ねて答弁する。

▲1▼乙第2号証について

請求人は使用に係る商標が「単に会社名と並べた態様では、この図形が同社の社標であることを表示しているに過ぎず、商標的態様で使用されているとは言い得ない」と述べているが、この主張は商標の使用概念から逸脱している。

単に会社自体の名称やマーク等が付されただけの取引書類のみでは、商品に関する取引かどうかが不明であるので、商標を付して頒布するという商標法第2条第3項第7号に規定される商標法上の使用に該当しない場合が存するかもしれない。

しかし、本号証は本件商標だけを記載したものではなく、「薬剤」のーである商品「アセトアミノフェン」との取引対象商品が同時に納品書に表示されており、かつ該商品の取引のために商標が使用されていることが明白である。つまり、本号証をみれば、取引者需要者をして本件商標を商品「アセトアミノフェン」の出所表示であると認識させる。その結果、本号証中の本件商標の使用態様は十分に自他商品識別機能および出所表示機能等を生じさせる商標的な使用態様に該当するのである。

よって、本号証からは、被請求人が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において「薬剤」に含まれる商品について本件商標を使用していた事実が明白である。

参考までに、わが国の商標法に関する代表的な解説書である(株)有斐閣発行 網野誠著「商標〔第三版〕」には、会社自体の名前やマークが使用された広告・取引書類にも、商品の名前やサービスの内容が同時に表示してあるとか、取引の対象たる原材料が製品である商品のためのものであることが客観的に明らかである場合には商標の使用ということができる、旨記述されている。

更に、請求人は甲第1号証をもって「商標の使用といえるためには、立証される商標と商品名が並べられた態様でなければならない」旨、主張する。このような使用概念の解釈は、請求人の個人的見解にすぎない。かかる解釈が、法律、運用、過去の審決例、または判例等を根拠とするものであり、商品取引の実際であるならばそれを明らかにすべきである。

続いて、請求人は本号証が第三者の取引書類とは認められない旨、主張する。しかし、本号証に記されたサンケミファー株式会社は乙第3号証でも明らかなように、被請求人とは別資本であり独立採算で経営されている別個の法人である。

よって、本号証を「内部取引書類としてみるのが相当である」と述べる請求人の弁駁には理由がない。また、本号証はサンケミファー株式会社と被請求人のみの取引ではなく、最終取引者である興和株式会社についてのものであり、疑いなく被請求人の商品を流通においている取引内容を証明するものである。

この点につき、被請求人は乙第16号証を提出する。乙第16号証は、1998(平成10)年12月18日に、被請求人が本件商標を使用した商品「塩酸フラボキサート」を東京都千代田区大手町1−6−1大手町ビルに所在する協和発酵工業株式会社バイオプロダクツ特薬営業に出荷し、富山県滑川市下梅沢205−1に所在する日本医薬品工業株式会社滑川工場に1998(平成10)年12月21日に納入した事実を示す納品書(控)の写しである。本号証により、被請求人が「薬剤」の一である「塩酸フラボキサート」を販売した事実と、その取引において本件商標が使用されていた事実が明らかとなる。

▲2▼乙第4号証について

請求人は本号証について、「当該品は医薬品そのものではなく医薬品の原材料として位置づけられるものであることは明らかである」旨、主張する。しかし、かかる主張は、商標法上の商品区分旧第ー類「薬剤」における分類概念に照らし失当である。

被請求人の使用に係る「アセトアミノフエン」は、乙第4号証に示すとおり「発汗作用を伴う解熱と視床と大脳皮質の痛覚閾値の上昇効果とによる解熱鎮痛作用」という薬効を有し、かつ、乙第5号証の試験を経て商品化されており医薬品の製造のためにのみ用いるという用途が限定された商品である。このような商品の薬効と用途に基づけば、被請求人の使用に係る商品は旧第1類「薬剤」の範疇に属するものである。

この点、特許庁商標課編「商品区分解説」(昭和55年改訂版)によれば、旧第一類「薬剤」の分類について、「薬剤の中での分類方法としては、注射剤、錠剤、カプセル剤、丸薬、散薬等の剤型による分類法も考えられるが、この類においては、原則として薬効又は用途による分類法をとっている」旨、説明されている。

また、「アセトアミノフエン」を含む「日本薬局方に収められている物」は“医薬品”に該当する、とも記述されている。

加えて、請求人は「乙第2号証に記載されている『アセトアミノフエン』は医薬品ではなく、医薬品の原材料となる化学品の範疇に属する商品である」旨主張するが、この主張も当を得ない。つまり、「医薬品の原材料」と「化学品」との関係が明らかではなく、このように断定するのであれば、商標法上の「化学品」の範疇を明らかにさせ、かつ「医薬品の原材料」が「化学品」に含まれることを何らかの証拠をもって明らかにすべきである。

▲3▼乙第7号証について

本号証がクレジット番号(L/C)M04C3812NS00153に関する真正の取引書類であること、および被請求人が韓国法人に輸出販売を行っていることを乙第17号証の提出により明確にする。

乙第17号証は、クレジット番号(L/C)M04C3812NS00153に関する買取依頼書の控えである。本号証から、被請求人が韓国法人「KOREA UNITED PHARMACEUTICAL INC.」に対して、塩酸フラボキサート20kgを空輸した事実が客観的にも明確となる。

以上の答弁、および平成11年3月15日付け提出の答弁書、並びにこれらの立証資料(乙1号証乃至乙第17号証)から明らかなとおり、被請求人は本件審判請求に係る指定商品「薬剤」について本件商標を審判請求の登録日前3年間に使用している事実がある。

よって、本件商標の登録は、請求にかかるその指定商品である「薬剤」について取り消されるべきではない。

4.当審の判断

よって判断するに、被請求人は、本件商標を使用している証拠として乙第1号証から同第17号証までを提出しているものである。

そして、上記証拠中(1)乙第2号証のサンケミファー株式会社への「アセトアミノフェン」の納品書の右上の山本化学工業株式会社の左側(2)乙第9号証の1997年及び1998年に発行されている業界紙の山本工業株式会社の広告欄(3)乙第11号証の1946年から1988年までの会社の沿革を紹介したパンフレットの表紙及び裏表紙には、本件商標と社会通念上同一性を有すると認められる商標が使用されているものである。

ところで、被請求人が本件商標を使用しているという「アセトアミノフェン」は、日本薬局方に薬剤として収載されており、該商品は商品区分第1類の「薬剤」に属するものとみるのが相当である。

そうとすれば、本件商標は、被請求人によって、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標を、その指定商品中の取消請求に係る指定商品「薬剤」について使用されていたものといわざるを得ない。

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中の「薬剤」についての登録を取り消すべき限りでない。

なお、請求人は、乙第2号証は内部取引書類にすぎない旨主張しているが、被請求人と取引相手の「サンケミファー株式会社」はそれぞれに法人格を有する別法人であるから、この点に関する請求人の主張は理由がないものというべきである。

よって、結論のとおり審決する。

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