Trademark Appeal Case
略語と一般名称の結合の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−22265(T2004−22265/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本願商標
本願商標は、「デジカメサーバー」の文字を標準文字で表してなり、第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年2月18日に登録出願され、その後、指定商品については、同年9月3日付けの手続補正書により、第9類「電線及びケーブル,バッテリー充電器,デジタルカメラ用バッテリーの充電装置,デジタルカメラ用データ転送装置,デジタルカメラその他の電気通信機械器具,ネットワーク及びオンラインのデータベースサーバ・プリントサーバのオペレーションを管理・運用するためのコンピューター(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスクその他の周辺機器を含む。)及びこれらの機器に関連する入力・印刷・保存・音声・映像処理装置その他の周辺機器,その他の電子応用機械器具及びその部品,電気ブザー,録音済みコンパクトディスクその他のレコード,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,家庭用テレビゲームおもちゃ」と補正されたものである。
2.原査定の拒絶理由の要点
原査定は、「本願商標は、『デジカメサーバー』と標準文字で書してなるが、その構成中前半部分の『デジカメ』の文字部分が、被写体の映像をデジタル化して保存する『デジタルカメラ』の略語として一般に広く親しまれ、かつ、使用されている語であり、また、後半部分の『サーバー』の文字部分が本願指定商品との関係からして『ネットワーク上で他のコンピューターに対して各種のサービスを提供するコンピューター』等を指称する語として理解されているため、これらの構成文字全体よりは『デジタルカメラで撮影した被写体の映像を保存するコンピューター』程の意味合いである旨表したものと認識させ、理解させるにとどまるから、本願商標をその指定商品中例えば前記意味合いに照応する商品について使用しても、単に商品の品質、機能を表示したにすぎないと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあり、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3.当審の判断
本願商標は、前記のとおり「デジカメサーバー」の文字よりなるところ、「デジカメ」の文字と「サーバー」の文字を結合したものと容易に認識されるものである。
そして、その構成中、「デジカメ」の文字についてみると、例えば、「情報・知識imidas1998」(1998年1月1日 株式会社集英社発行)の873頁「デジタル・カメラ」の欄に「個人でも気軽に画像処理ができる時代をもたらした立役者。フィルムの代わりに、メモリーに画像を記録するカメラ。デジカメとよぶことも多い。」との記載、「現代用語の基礎知識」(2004年1月1日 株式会社自由国民社発行)の1268頁の「デジタルカメラ」の欄に「デジカメ。銀塩カメラのフィルムの代わりに、電気的に画像を記録するカメラのこと。」との記載、また、各種新聞記事情報をみると「プリンターメーカー、“パソコンレス”市場の可能性を模索」(1999.04.15 日刊工業新聞11頁)の見だしのもと「・・・セイコーエプソンはデジタルカメラで撮影した画像をパソコンを介さず直接プリント・・・これまでデジカメで撮影した画像をプリントアウトするには・・・」との記載、「経済ファイル/静岡」(2001.03.28 朝日新聞東京地方版/静岡34頁)の見だしのもと「高木産業がPCカメラ機能搭載デジカメ・・・は、テレビ電話や対面チャットができるPCカメラ機能を備えたデジタルカメラ・・・の発売を始めた。」との記載がある。
そうすると、「デジカメ」の文字は、「デジタルカメラ」の略称として広く認識されているとするのが相当である。
また、「サーバー」の文字についてみると、例えば「広辞苑 第五版」(株式会社岩波書店発行)の「サーバー【server】」の項をみると「ネットワーク上で他のコンピューターやソフト、すなわちクライアントにサービスを提供するコンピューター。」と記載、また、「英和コンピュータ用語大辞典 第2版」(1996年7月22日 日外アソシエーツ株式会社発行)の「server」の項をみると「サーバ.ネットワーク上で他のコンピュータにサービスを提供するコンピュータまたはソフトウェア.」と記載されている。
そして、デジカメ(デジタルカメラ)画像処理のための専用ソフトや多機能デジタルカメラが開発され、また、デジカメ画像をサーバーで保管していること、さらに、ソフトの一つとしてデジカメサーバと称している事実が認められる。
そして、上記した実情は、以下の各種新聞記事の記載、及びインターネットの情報からも裏付けられる。
(1)1998.01.07 読売新聞東京朝刊7頁には、「長野五輪へ通信新機種続々 街角で画像入りページ 公衆電話で高速アクセス」の見出しのもと「・・・街角でデジカメ画像も入れたホームページが簡単につくれ・・・ホームページは十日間同社のサーバーに保存される。・・・これまで同種の機械では、画像は備え付けのカメラで撮影した顔写真しか使えなかったが・・・新しい規格に対応したデジタルカメラやパソコンからの画像も取り込めるようになった。」との記載。
(2)2000.09.07 日刊工業新聞15頁には、「リコー、送信もHP閲覧も可能なデジタルカメラ発売」の見出しのもと「リコーは6日、撮影した画像をインターネットに直接送信したりホームページ(HP)の閲覧、ファックス送信、録音などを1台でこなす新タイプの多機能デジタルカメラ・・・を開発、20日に発売すると発表した。デジカメと携帯情報端末(PDA)機能を一体化したもので・・・サーバ機能も持たせてあるため同機を監視カメラとして活用することも可能。」との記載。
(3)2000.12.22 毎日新聞東京朝刊7頁には、「[特集]毎日起業家新聞 デジカメのネットDPE『ディープジャパン』、海外展開」の見出しのもと「デジカメの急速な普及に伴って、ネットを通じて発注し、宅配でプリントを受け取る『ネット型』DPEが『店頭受け渡し型』をしのいで急成長だ・・・ネット型の発注は画像をパソコンに取り込む(アップロード)ことから始まるが、同社はそれをプリクラ並みに簡単にできる専用ソフトを開発・・・deep Koreaには、世界の需要に対応できる超高性能(ADSL)サーバーを備えた。」との記載。
(4)2005.03.17 日刊工業新聞11頁には、「三菱電、通信回線でデジカメ画像印刷する業務用プリンター発売」の見出しのもと「・・・パソコンや携帯電話から通信回線経由で送ったデジタルカメラ画像を印刷できる業務用プリンター・・・パソコンや携帯電話から専用のサーバに画像データを送っておき、店頭に設置してある同プリンターで写真を印刷して取り出せる。」との記載。
(5)2005.07.27 日刊工業新聞11頁には、「NTT西、来月からデジカメ画像などの保管サービス開始」の見出しのもと「NTT西日本は26日、個人のデジタルカメラの画像などを自社のサーバに預かり、安全に保管するサービス・・・」との記載。
(6)株式会社ワッセイ・ソフトウエア・テクノロジー(http://www.wasay.co.jp/pdt/ewdx_2.htm)の製品紹介のホームページには、「追加ソフト」の品名に「スキャナ・デジカメサーバ 追加1ライセンス」との記載。
(7)インプレスジャパン(http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050331/pioneer.htm)のホームページには、「パイオニア、世界初の2層DVD−R対応レコーダ/−メディア1枚に最長24時間録画。実売7万円から」の見だしのもと「■音楽/デジカメサーバとして利用可能/・・・デジタルカメラを接続することで、JPEG形式の静止画をHDDに保存できる。保存した画像はレコーダでテレビなどに表示(省略)できるほか、ビデオ形式のスライドショーとしてDVDメディアに記録が可能。」との記載。
そうすると、「デジカメサーバー」の文字からなる本願商標をその指定商品中「ネットワーク及びオンラインのデータベースサーバ・プリントサーバのオペレーションを管理・運用するためのコンピューター(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスクその他の周辺機器を含む。)及びこれらの機器に関連する入力・印刷・保存・音声・映像処理装置その他の周辺機器」について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、該商品がデジタルカメラ用のサーバー(コンピュータやソフト)であると理解するにとどまり、該商品の機能、用途、品質を表示したものと認識し、自他商品の識別標識としての機能を有しないものであり、前記以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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