Trademark Appeal Case
サラッと夏シャツの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−6702(T2004−6702/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「サラッと夏シャツ」の文字を標準文字で書してなり、第25類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年4月3日に登録出願されたものである。
そして、指定商品については、平成16年1月20日付け手続補正書をもって「夏用ワイシャツ類」に補正された。
2 原査定の拒絶理由の要点
本願商標は、「さらりとした乾いた感触の夏用のシャツ」等の意味合いを看取させるものであるから、これをその指定商品中「夏用ワイシャツ類」に使用するときは、単に商品の品質、用途、効能を表示するにとどまるものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
3 当審の判断
(1)本願商標は、前記したとおり、「サラッと夏シャツ」の文字を書してなるものであるところ、その構成中の「サラッと」の文字部分は、指定商品との関係からみると「湿り気がなく乾いている状態」を表したと理解させ(広辞苑第5版:さらっ-と《副》1 粘りけや湿り気がなく表面が乾いているさま。「−した髪」参照)、また、同じく「夏シャツ」の文字部分は、指定商品「夏用ワイシャツ類」を表したものということができる。
(2)ところで、わが国の夏は、一般的に気温・湿度が高く、着衣に汗が付着し、不快感を与える場合が往々にしてあるのみならず、近時、地球環境保護に配慮し、夏場の建物内の冷房の温度を下げすぎないような運動が急速に広まっており、そのような環境においても、快適に過ごせるように、本願指定商品の分野においては、汗を素早く吸収し、その吸収した汗を素早く乾かす、あるいは肌触りに清涼感があるといった機能性を有する生地を原材料に使用したシャツ類が市場に出回っている実情にある(例えば、拒絶査定において示した2003年4月30日付け読売新聞、2003年5月2日付け朝日新聞等)。
(3)そうすると、上記わが国における本願指定商品の分野における商取引実情及び環境問題を取り巻く一般社会における状況の下においては、前記意味を容易に理解させ、本願商標をその指定商品である「夏用ワイシャツ類」について使用しても、これに接する需要者は、全体として「湿り気がなく乾いている状態が保てる商品」を想起し、商品の品質を表示したものと認識するにとどまり、自他商品を識別するための標識である商標を表したとは把握し得ないものというのが相当である。
(4)請求人は、本件商標を構成する「サラッと」の文字部分のみからは、「手触りがよい、さらりと乾いた感触である」といった画一的、かつ具体的な意味合いを看取し得るものでない旨述べているところ、確かに、前出広辞苑の「さらっ-と」の見出し語の箇所において「2 こだわりや気負いがなく淡泊に物事を行うさま。また、そのような性格であるさま。「言いにくいことを−言う」「−した性格」」と解説されており、この点を必ずしも否定するものではないが、「夏用ワイシャツ類」について上述認定のような意味合いをもって使用されている状況は、例えば、別掲の日刊紙或いは業界紙又はインターネツト上の情報においても裏付けることができるところである。
また、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質等を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである(平成12年(行ケ)第76号 東京高裁平成12年9月4日判決言渡参照)から、たとい「サラッと」の文字と「夏シャツ」の文字とを組み合わせた「サラッと夏シャツ」の表示をもって使用される商品が現実に存在しなくとも、本願商標が商品の品質を表すものであるとすることの妨げにはならないというべきである。
(5)したがって、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、商品の品質を普通に用いられる方法で表示するものといわざるを得ないから、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することはできないものとすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
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