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結論

勝訴(請求認容)

商標「医学・薬学予稿集全文データベース」の使用による識別力獲得(第4条第1項第16号・第3条第1項第3号|審判不服2004−14471(T2004−14471/J1))

審判番号
不服2004−14471(T2004−14471/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「医学・薬学予稿集全文データベース」
争点(論点)
使用による識別力獲得
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2004−14471(T2004−14471/J1)・不服)は、本件商標「医学・薬学予稿集全文データベース」について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「使用による識別力獲得」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「医学・薬学予稿集全文データベース」の文字を標準文字で書してなり、第35類及び第42類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成15年9月2日に登録出願されたものであるが、その後、指定役務については、当審における同16年7月9日付け及び同18年7月7日付けの手続補正書により、第42類「医学・薬学の分野を主とする科学技術に関する情報の提供」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『医学・薬学予稿集全文データベース』と表してなるが、該語の持つ意味合いよりすれば、『医学、薬学に関した本原稿の前に、あらかじめ書きしるした概要であるところの予稿を取りまとめたデータベース』といった内容を容易に認識させるものであり、本願指定役務との関係においては、『文献の複製』『書類の複製』『電子計算機のプログラムの設計』『電子計算機のプログラムの貸与』等の役務に本願商標を使用しても、需要者は、役務の質・内容と認識するに止まるにすぎないものであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記に照応する役務以外の役務に使用した場合は、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は、前記したとおり、「医学・薬学予稿集全文データベース」の文字を標準文字で書してなるところ、これよりは全体として、原審説示のごとき「医学・薬学に関する予稿集の全文を収録したデータベース」ほどの意味合いを容易に認識させるものであるから、これをその指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その役務が、前記意味合いのデータベースによる情報の提供であると認識し、役務の質・内容を表示したものと理解するにとどまり、結局、自他役務の識別標識とは、認識し得ないものといわなければならない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものと認められる。

したがって、この点に関する原査定の判断は、妥当なものである。

(2)請求人は、本願商標が、商標法第3条第2項の要件を具備している旨主張し、その証拠として、参考資料8の1ないし8の9(枝番号を含む。)を提出しているので、以下、この点について検討する。

本願商標は、請求人が、主に大学等教育機関、病院等医療機関などにインターネットで提供している医学・薬学分野の200余りの学会から許諾を得た予稿集の全文を収録したデータベースの名称として使用しているものであり(参考資料8の1ないし8の3及び参考資料8の6)、前記の大学等教育機関、病院等医療機関などが開設するウェブサイトにおいて、請求人の提供するデータベースの名称に本願商標が使用されている事実が認められる(参考資料8の7の1ないし8の7の40)。

また、請求人の提出に係る「病院図書館」(参考資料8の8の7及び8の8の8)、「医学図書館」(参考資料8の8の9ないし8の8の11)、「日本病院会ニュース」(参考資料8の8の12ないし8の8の15)「日本病院会雑誌」(参考資料8の8の16ないし8の8の21)等の専門雑誌などにおいて「医学・薬学予稿集全文データベース」の文字のみからなる商標による広告を行っていることが認められ、その文字についても、標準文字で書された本願商標と外観において同視できる程度の態様で表されており、本願商標との同一性を損なうものではないことが認められる。

そうとすると、請求人の提出に係る証拠を総合して検討すれば、本願商標は、その指定役務について継続して使用された結果、本願指定役務の需要者、取引者が、請求人の業務に係る役務であることを認識することができるに至ったものと判断するのが相当である。

してみれば、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものであるから、同法第3条第1項第3号に該当するとして拒絶すべき限りでない。 また、その指定役務については、前記1のとおり補正された結果、役務の質について誤認を生じさせるおそれはないものとなったので、同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定の拒絶の理由は解消した。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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