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Trademark Appeal Case

称呼・外観の類似性と要部

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第35108号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1.本件登録商標

本件登録第4014286号商標(以下「本件商標」という。)は、別紙に表示したとおりの構成よりなり、平成7年10月31日登録出願、第12類「船舶並びにその部品及び附属品,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,荷役用索道,カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車,陸上の乗物用の動力機械器具,陸上の乗物用の機械要素,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片,乗物用盗難警報器」を指定商品として、平成9年6月20日に設定登録されたものである。

2.引用商標

請求人が、本件商標の登録無効の理由に引用する登録第534732号商標(以下、「引用商標」という。)は、別紙に表示したとおりの構成よりなり、昭和33年7月9日登録出願、第20類「車輌、船舶、その他運搬用機械器具及びその各部」を指定商品として、昭和34年3月19日に設定登録、その後、平成11年3月16日に商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

3.請求人の主張

請求人は、「本件商標はこれを無効とする、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証乃至甲第7号証を提出した。

(1)商標法第4条第1項第11号について

引用商標は、本件商標の先願に係るものであって、両商標は相類似するもので、その指定商品も同一又は類似するものである。

(イ)外観上について

本件商標は、英文字「JAGMAN」を横書きして成るもので、一方、引用商標は、英文字「JAGUAR」を横書きして成るもので、両者は共に6文字より構成され文字数を共通にするものである。

また、両商標は構成文字6文字のうち、外観識別上最も重要な要素を占める語頭文字「J」をはじめ、第2文字「A」、第3文字「G」の語頭部分の綴り字を共通にすると共に、第5文字「A」をも共通にし、構成文字の6文字中、外観識別上重視される語頭部分と第5文字の4文字の配列字形を共通にし、第4文字部分と第6文字部分は相違するが、これは見過ごしやすい中間部及び末尾の差異にすぎない外観上近似する商標であって、迅速を尊ぶ取引場裡においては、その綴り字の1字1字を仔細に検討することなく、看者をして注意をひく語頭部分に着目して取引に資する場合も多いものであるから、両商標は彼比相紛れるおそれのあるものである。

(ロ)称呼上について

本件商標を構成する英文字「JAGMAN」からはローマ字式発音法あるいは英語的発音法を勘案すると「ジャグマン」の称呼を生ずるものと認められる。これに対し引用商標を構成する英文字「JAGUAR」からは、ローマ字式発音又は英語式発音を勘案すると「ジャガア」の称呼を生ずるものと認められる。

そこで、両商標から生ずる「ジャグマン」と「ジャガア」の称呼とを比較し観察すると、まず、両称呼は5音と4音の近似した音構成からなり、称呼識別上重要な要素を占める語頭音「ジ」と「ヤ」を共通にし、第3音の「グ」と「ガ」の音は共に「ガ」行の同行音に属する濁音で、発声方法において共に破裂音の近似した音で、第4音「マ」と「ア」の音も「マ」は母音(ア)を帯有する鼻音で比較的弱く発音され、一方、「ア」は母音(ア)の音であるから、両者はきわめて近似した音である。また、末尾音に「ン」の有無の差異があるが、該音は鼻音であって末尾にあり印象の薄い明確に聴取され難い消え行く音である。

してみれば、両称呼を時と所を異にしてそれぞれ全体を称呼するときは彼此相紛れるおそれのある称呼上類似の商標である。

そして、本件商標と引用商標の指定商品は同一又は類似のものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

本件請求人は、イギリス国法人で、甲第3号証の「Jaguar」の項に記載されているように、サイドカー製造のため1922年に設立され、その後、1927年までに自動車の製造に進出し、1945年に社名をJaguar Carsに変更し、以来、最も優美で洗練された高級車として「Jaguar」の名と共に世界的に周知著名になっており、日本国においても甲第4号証及び甲第5号証の雑誌「CARGRAPHIC」の広告にあるように請求人の日本における販売子会社ジャガージャパン社を通じて今日に至るまで、積極的かつ広範囲に販売活動及び宣伝広告を行い、その企業努力と高品質により広く取引者・需要者間に認識され周知著名な商標である。

一方、本件商標は既述したように、かかる申請人のハウスマークとして代表的な周知著名な引用商標と類似する商標であること明らかであるから、本件商標をその指定商品に使用したときは、申請人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがあること明らかである。

(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当し、同法第46条第1項第1号により、無効にすべきものである。

4.被請求人の主張

被請求人は、本件審判の請求に対し、何ら答弁していない。

5.当審の判断

(1)本件商標は、別紙に表示したとおり、「JAGMAN」の文字よりなるものであり、引用商標は、別紙に表示したとおり、「JAGUAR」の文字よりなるものである。

(2)商標法第4条第1項第11号について

そこでまず、外観について検討すると、本件商標と引用商標は、共に欧文字6文字からなり、語頭部の「JAG」及び第5文字「A」の文字を共通にし、第4文字「M」と「U」及び末尾の「N」と「R」の文字を異にしているが、一般に需要者は文字からなる商標については、ある程度の注意を払って観察するというのが相当であり、両者は、わずか6文字からなる短い文字構成でその内の2文字が相違するものであり、しかもそれぞれ相違する文字は互いに、顕著に異なる特徴を有してなる文字である。

そうとすると、両者は、たとえ、語頭部に共通する文字を配してなるとしても、外観上相紛れるおそれのないものである。

つぎに、観念についてみてみると、本件商標は、その構成文字より「ジャグマン」の称呼を生じ、特定の意味を有しない造語と認められるものである。一方、引用商標は「ジャガー」の称呼を生じ、南米産の動物である「ジャガー」の観念を生ずるものであるから、本件商標と引用商標は、観念において比較すべくもないものである。

なお、請求人は、引用商標より「ジャグア」の称呼を生ずると主張しているが、引用商標が意味する「ジャガー」が外来語として広く知られているから、「ジャガー」の称呼を生ずるものと認められる。

そこで、両称呼について検討するに、まず、音構成において本件商標は4音であるのに対し、引用商標は、長音を含め3音と相違し、また、両者は第2音目以降が「グマン」と「ガー」の音の差異を有するものである。そして、この差異音は、「グ」の音は、母音「u」を帯有する音として明確に発せられるものであり、「ガ」の音は長音を伴っていることにより、強く発せられるとともに長音により帯有する母音「a」の音が開放的に聴取されるものである。また、「マ」の音は次音に弱音「ン」を伴っていることにより、明確に聴取されるものであり、「ン」の音も弱音で末尾にあることから聴取され難いとしても、少なくとも一定の余韻をもって聴取されるものである。

してみれば、たとえ、本件商標と引用商標とは、両称呼の語頭において「ジャ」の音を共通にしているとしても、短い音構成で他の音について上記の相違を有していること及び想起する観念から、両称呼を時と処を異にしてそれぞれ全体を称呼しても相紛れるおそれのない非類似の商標である。

(3)商標第4条第1号第15号について

請求人の所有に係る引用商標が商品「自動車」に使用され、請求人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者間に広く知られているとしても、本件商標は、前記認定のとおり引用商標とは明らかに区別し得る別異のものであるから、被請求人が本件商標をその指定商品に使用する場合、他人の業務に係る商品であるかの如く商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。

よって、結論のとおり審決する。

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