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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と出所混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2002−90554(T2002−90554/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4568553号商標の指定役務中、第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入あっせん,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定役務についての商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4568553号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成12年8月15日に登録出願され、第9類、第35類、第36類、第38類、第39類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成14年5月17日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立の理由

登録異議申立人ユービーエス・エイ・ジー(以下「申立人」という。)は、本件商標は第36類の指定役務についての登録は取り消されるべきであるとして、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第10号証(枝番を含む。)を提出している。

申立人は、スイス・ユニオン銀行とスイス銀行コーポレイシヨンとが合併して誕生した、プライベート・バンキングでは世界最大規模の金融会社である(甲第1号証)。合併した後には、世界のトップ・ファイブの銀行に挙げられており、同社の略称でもある「UBS」商標が使用されてきたものであり、略称及び商標として世界的に周知著名な商標である。

その世界的に周知著名な「UBS」商標保護のために申立人は世界各国において幾多の「UBS」商標の登録を取得している。

我が国においても、商標登録第3102950号「UBS」を始めとする多数の「UBS」関連の商標登録を取得している(甲第7号証)。また、こうした商標は、申立人のUBS社グループ企業を表す名称、商標として広く日本において使用されている。

一方、本件商標は、「UPS」の欧文字が顕著に表された盾型図形の右横に「United Parcel Service」の欧文字を配してなるところ、「UPS」の欧文字が顕著に表された盾型図形が、「United Parcel Service」の欧文字から独立して認識され得ることは明白である。

してみれば、本件商標からは盾型図形中に顕著に表されている「UPS」の文字に相応して「ユーピーエス」の称呼をも生ずるものである。

そこで、本件商標より生ずる「ユーピーエス」の称呼を、申立人の「UBS」商標より生ずる「ユービーエス」の称呼と比較するに、両称呼は僅かに中間音において「ピ」と「ビ」の差異音を有するにすぎないものであり、この差異音は、比較的聴取しにくい中間に位置するばかりか、濁音と半濁音の差異のみという極めて近似した音であるから、両称呼を全体として一連に発音した場合、その語調語感が同じものとして聴取され、彼此相紛らわしいことは明らかである。

次に、本件商標の指定役務には、第36類の銀行関係、証券関係等の役務が含まれており、これら役務は申立人の「UBS」商標又は「UBS」の語を含む登録商標の指定役務と抵触するものであって、申立人が実際にその周知著名な「UBS」商標を使用している業務に係る役務である。

したがって、第36類に関しては、指定役務の面からも、本件商標は申立人の周知著名な「UBS」商標に類似する相紛らわしいものであって、出所混同を生ずるおそれがある商標である。

以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号の規定に該当するものである。

3 本件商標に対する取消理由

当審において、平成15年3月7日付けで商標権者に対し通知した取消理由は次のとおりである。

申立人の引用する登録商標は以下のA、また、当審において引用する登録商標は以下のB及びC(以下、AないしCを「引用商標」という。)のとおりである。

A 登録第3102950号商標 「UBS」の文字を横書きしたもの

登録出願日 平成4年9月30日

設定登録日 平成7年12月26日

指定役務 第36類「預金の受入れ及び定期積金の受入,資金の貸付 け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の 引受,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他 の物品の保護預かり,両替,外国為替取引,信用状に関す る業務」

B 登録第3146140号商標 「UBS」の文字を横書きしたもの

登録出願日 平成4年9月30日

設定登録日 平成8年4月30日

指定役務 第36類「有価証券の売買,有価証券指数等先物取引,有 価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証 券の売買,有価証券指数等先物取引,有価証券オプション 取引及び外国市場証券先物取引の媒介,取次ぎ又は代理, 有価証券市場における有価証券の売買取引,有価証券指数 等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介,取 次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買 取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介,取次ぎ又は 代理,有価証券の引受,有価証券の売出し,有価証券の募 集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供」

C 登録第3335092号商標 「ユー・ビー・エス」の文字を横書きし たもの

登録出願日 平成5年4月9日

設定登録日 平成9年7月25日

指定役務 第36類「有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有 価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証 券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション 取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理, 有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数 等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取 次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買 取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は 代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の 募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供」 よって、本件商標と引用商標との類否を判断するに、本件商標は、別掲のとおり、文字を内部に配した盾型図形と文字の組み合わせよりなるところ、その盾型図形と文字とは視覚上分離して看取されるものであり、このような構成にあっては、盾型図形と文字を常に一体のものとして把握しなければならない特段の理由が存するともいい難いものであるから、それぞれの部分が独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。

そうすると、本件商標は、その構成中の盾型図形部分のみをもって役務の識別にあたる場合も決して少なくないものと判断するのが相当であるから、その盾型図形内に表されている「ups」の文字部分より「ユーピーエス」の称呼を生ずるものといえるものである。

他方、引用商標は、それぞれの構成文字に相応して、ともに「ユービーエス」の称呼を生ずるものである。

そこで、本件商標より生ずる「ユーピーエス」と、引用商標より生ずる「ユービーエス」の称呼を比較するに、両称呼は第2音において「ピー」と「ビー」の差異を有するものである。そして、「ピー」と「ビー」は半濁音と濁音の相違にすぎず、しかも、比較的明瞭に聴取され難い中間に位置するものであるから、その差異が両称呼の全体に及ぼす影響は小さいものであって、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語感が近似したものとなり、彼此聴き誤るおそれがあるものといわなければならない。

してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼において類似する商標であり、かつ、本件商標の指定役務中第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入あっせん,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供」は、引用商標の指定役務と同一又は類似の役務と認められる。

したがって、本件商標は、その指定役務中上記役務について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見

上記3の取消理由に対して、商標権者は、商標権者と申立人との間で和解交渉が進められているので、本件の審理を暫時猶予されたい旨述べている。

5 当審の判断

本件商標は、上記3で述べたとおり、その指定役務中、第36類「結論掲記の役務」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、その登録を取り消すべきものである。

しかしながら、本件商標は、上記役務以外の本件登録異議の申立てに係る指定役務については、取り消すべき理由がないものであるから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。

なお、登録異議の申立ては、取消理由の通知があった後は、取り下げることができないこと、及び意見書提出後、相当の期間を経過した現在に至るもいまだ何らの手続もされていないことから、上記のとおり判断した。

よって、結論のとおり決定する。

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