Trademark Appeal Case
安全運転の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−10189(T2004−10189/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「安全運転」の文字を横書きしてなり、第20類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として平成15年7月9日に登録出願され、その後、指定商品については、平成15年12月25日提出の手続補正書により、第20類「家具,木製・竹製又はプラスチック製の包装用容器,絵馬・神棚・その他の葬祭用具,座布団,犬小屋,小鳥用巣箱,うちわ,せんす,買物かご,額縁,きゃたつ及びはしご(金属製のものを除く。),ししゅう用枠,植物の茎支持具,すだれ,ストロー,盆(金属製のものを除く。),スリーピングバッグ,タオル用ディスペンサー(金属製のものを除く。),つい立て,びょうぶ,ネームプレート及び標札(金属製のものを除く。),旗ざお,帽子掛けかぎ(金属製のものを除く。),郵便受け(金属製又は石製のものを除く。),石こう製彫刻,プラスチック製彫刻,木製彫刻」に減縮補正されたものである。
2 原査定の拒絶理由の要点
原査定は、「本願商標は、『安全な運転をする』程のキャッチフレーズの一種であると認識するに止まり、インターネットにおける使用実情からすると、『安全な運転を祈願するお守り』程の意味合いを認識するにすぎず、これを本願の指定商品中『絵馬・神棚・その他の葬祭用具』に使用しても、自他商品識別標識としての機能を果たさないものであり、需要者は何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨、認定、判断して本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおりの構成からなるところ、その構成中の「安全」の文字は、例えば、講談社発行「日本語大辞典」によれば、「あぶなくないこと・さま。こわれたり、傷ついたりしないこと・さま」を意味し、同じく「運転」の文字は「船・車・機械などを動かすこと。操縦」を意味する語としていずれもよく知られており、両者を結合した「安全運転」の語は、「あぶなくないように車等を動かすこと」すなわち「安全な運転」の意味合いで親しまれ、交通事故の防止、交通安全等を求めるための呼びかけや心構え又は祈願等の言葉としてしばしば使用されるものである。
ところで、本願商標の指定商品中の「絵馬」は、「祈願や報謝のために、社寺に奉納する絵の額」であって、社寺から請い受けて身に帯びたり、神棚に安置したり、門戸に貼ったりする「守り札」や、この守り札を入れて身につけておく袋である「守り袋」と同様に神社仏閣において提供され、祈願や祈願成就の感謝の証として奉納されているものである。そして、絵馬には、馬の絵を初めとする各種の絵と共に、「開運」、「無病息災」、「交通安全」、「家内安全」、「合格祈願」、「学業成就」等の祈願の用語が記載されているのが通例である。同じく「神棚」は、「家の中で大神宮などの神符を祭る棚」であって、家庭や会社にいながらにして神社に参詣して祈願するのと同じ意味を持つものであり、上記守り札等が安置されるものである。
また、絵馬や神棚については、例えば、新聞記事において、「勝山で保育園児がもちつき交通安全を願って=岡山」の見出下で「・・・事前に作っていた交通安全を呼び掛ける絵馬(縦五センチ、横五センチ)と一緒に七十五セットをドライバーに配り、『安全運転をして下さい』などと呼び掛けた。」(読売新聞、1999.12.11大阪朝刊)、「交通安全の絵馬設置」の見出下で「秋の交通安全運動の一環として、七戸署は、署前に七戸名物の大きな絵馬を設置して安全運転を呼び掛けている。」(読売新聞、1999.09.23東京朝刊)等と報道されているものや、インターネットのサイトにおいて、「・・・・祈願絵馬には心願を書いて境内の絵馬掛けに奉納して下さい。曳山守は国重要無形民俗に指定・・・・事故のないように車をお祓いして安全運転を御祈願します。」(http://shinnmeisya.web.infoseek.co.jp/shouden/shouden.html)、「いつも交通安全を心に思い出させてくれる、そして安全運転の心がけを促す交通安全神棚を、みなさまにおすすめいたします。」(shop.yumeplaza.com/item/316.html)、「海上自衛隊の戦艦には、任務の円滑な遂行と航海安全を祈って、神社の神札を奉安した神棚が祭られています。・・・神様に安全を祈る事を通じて、・・・・自分自身も安全運転をしなければと気を引き締める。」(www.kameyama-jinja.com/mamemusuhi.html)、「・・運転に自信がもてない方、御祓いをお受けになり新しい心持ちで安全運転に努めましょう。・・・家祓いと同時に神棚をもうける方も見受けられます。」(members.jcom.home.ne.jp/minamisawa-hikawa/gokitouannai.html)等と記載されているものがある。
かかる実情の下に、本願商標をその指定商品中の「絵馬・神棚・その他の葬祭用具」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、安全な運転を祈願したり呼び掛けたりするための表示の類として認識し理解するに止まり、自他商品の識別標識としては認識し得ないものというべきであるから、結局、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標といわざるを得ない。
なお、請求人は、「安全運転」の文字が「絵馬・神棚・その他の葬祭用具」について使用されていないから、本願商標は上記商品に使用しても十分に識別機能を有するものである旨主張しているが、本件において問題となるのは,この語句に接した取引者、需要者が、これを自他商品の識別標識として認識するのか、それとも、これを安全な運転を祈願したり呼び掛けたりするための表示の類として認識し理解するのかということである。このことは、この語句が「絵馬・神棚・その他の葬祭用具」について使用されているか否かのみによって決せられるものではない。本願商標は、実際の使用例の有無を検討するまでもなく前記のとおり自他商品の識別標識としては認識し得ないこと明らかであるから、請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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