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Trademark Appeal Case

お守りにおける標語の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−10190(T2004−10190/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「安全運転」の文字を横書きしてなり、第21類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として平成15年7月9日に登録出願され、その後、指定商品については、平成15年12月25日提出の手続補正書により、第21類「ガラス基礎製品(建築用のものを除く。),なべ類,コーヒー沸かし(電気式又は貴金属製のものを除く。),鉄瓶,やかん,食器類(貴金属製のものを除く。),アイスペール,泡立て器,こし器,こしょう入れ・砂糖入れ及び塩振り出し容器(貴金属製のものを除く。),卵立て(貴金属製のものを除く。),ナプキンホルダー及びナプキンリング(貴金属製のものを除く。),盆(貴金属製のものを除く。),ようじ入れ(貴金属製のものを除く。),ざる,シェーカー,しゃもじ,手動式のコーヒー豆ひき器及びこしょうひき,じょうご,すりこぎ,すりばち,ぜん,栓抜,大根卸し,タルト取り分け用へら,なべ敷き,はし,はし箱,ひしゃく,ふるい,まな板,麺棒,焼き網,ようじ,レモン絞り器,ワッフル焼き型(電気式のものを除く。),清掃用具及び洗濯用具,米びつ,水筒,魔法瓶,化粧用具,金ブラシ,洋服ブラシ,靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,ガラス製又は陶磁製の包装用容器,ろうそく消し及びろうそく立て(貴金属製のものを除く。),花瓶及び水盤(貴金属製のものを除く。),風鈴,香炉,お守り,破魔矢,神符,護符,紙製のお札,板製のお札,おみくじ,霧吹き,小鳥かご,植木鉢,じょうろ,トイレットペーパーホルダー,貯金箱(金属製のものを除く。),はえたたき,浴室用手おけ,コッフェル」に減縮補正されたものである。

2 原査定の拒絶理由の要点

原査定は、「本願商標は、『安全な運転をする』程のキャッチフレーズの一種であると認識するに止まり、インターネットにおける使用実情からすると、『安全な運転を祈願するお守り』程の意味合いを認識するにすぎず、これを本願の指定商品中『お守り,破魔矢,神符,護符,紙製のお札,板製のお札,おみくじ,ガラス製又は磁器製の立て看板』に使用しても、自他商品識別標識としての機能を果たさないものであり、需要者は何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨、認定、判断して本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、上記1のとおりの構成からなるところ、その構成中の「安全」の文字は、例えば、講談社発行「日本語大辞典」によれば、「あぶなくないこと・さま。こわれたり、傷ついたりしないこと・さま」を意味し、同じく「運転」の文字は「船・車・機械などを動かすこと。操縦」を意味する語としていずれもよく知られており、両者を結合した「安全運転」の語は、「あぶなくないように車等を動かすこと」すなわち「安全な運転」の意味合いで親しまれ、交通事故の防止、交通安全等を求めるための呼びかけや心構え又は祈願等の言葉としてしばしば使用されるものである。

ところで、本願商標の指定商品中の「お守り,神符,護符,紙製のお札,板製のお札」は、祈願のために社寺から請い受けて身に帯びたり、神棚に安置したり、門戸に貼ったりする「守り札」や、この守り札を入れて身につけておく袋である「守り袋」の範疇に属する商品というべきものである。また、「破魔矢」は、「お守り用矢」とも称され、これら「守り札」や「守り袋」と同様に神社仏閣においてお守りないしは正月の縁起物として提供されているものである。そして、上記「守り札」や「守り袋」には、「交通安全」、「家内安全」、「無病息災」、「厄除け」、「学業成就」等の祈願の用語が記載されており、上記「破魔矢」にも上記祈願用語を記載した札や絵馬、鈴等が結び付けられているのが通例である。

また、お守り等については、例えば、新聞記事において、「春の交通安全県民総ぐるみ運動:巫女さんら、安全運転訴え/栃木」の見出下で「・・・日光署管内では2社1寺の巫女(みこ)さんらが『交通安全のお守り』をドライバーに手渡し、安全運転を呼びかけた。」(毎日新聞、2006.04.07地方版/栃木)、「手作りお守りで『安全運転を』新見の3高校生30人、呼びかけ=岡山」の見出下で「・・・3高校の生徒会メンバー30人が、同市高尾の国道180号で、ドライバーに手作りのお守りを手渡して安全運転を呼びかけた。」(読売新聞、2006.01.18大阪朝刊)、「交通安全を願い各地でイベント 福岡市では手信号による交通整理を披露=福岡」の見出下で「・・・玄海町の宗像大社のみこらが、ドライバーに交通安全のお札を渡し、『シートベルトの着用をお願いします』などと安全運転を呼びかけた。」(読売新聞、2002.09.26西部朝刊)等と報道されているものや、インターネットのサイトにおいて、「・・・安全運転のチラシと個々に包装されたお菓子そして手作りのお守り300個が運転手に配られた。帽子の形のお守りの中には・・・」(www.kanji.okinawa.usmc.mil/News/051007-safety.html)、「・・・いただいたステッカーやお守りを見るたびに安全運転を心に誓っています。」(www.keta.jp/honden/jinsei.html)、「祈祷のついでに安全運転のお守りも買いました。抹茶の中は安全運転の文字でいっぱい・・・」(blog.mypress.jp/v2/keyword/keyword/php?k_id=11665-19k)、「我々も車を買ったときに神社でお祓いを受けたり、安全運転のお守りを運転席に吊したりしますが、・・・」(www.kameyama-jinja.com/mamemusuhi.htm)、「交通安全御守.1,000円.車の安全運転のお守り.家運隆盛えびす大黒.2,000円.えびす大黒天本尊・・・」(www.cc.rim.or.jp/~daitoku/koubair.html)等と記載されているものがある。

かかる実情の下に、本願商標をその指定商品中の「お守り,破魔矢,神符,護符,紙製のお札,板製のお札,おみくじ,ガラス製又は磁器製の立て看板」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、安全な運転を祈願したり呼び掛けたりするための表示の類として認識し理解するに止まり、自他商品の識別標識としては認識し得ないものというべきであるから、結局、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標といわざるを得ない。

なお、請求人は、「安全運転」の文字が「お守り,破魔矢,神符,護符,紙製のお札,板製のお札,おみくじ」等について使用されていないから、本願商標は上記商品に使用しても十分に識別機能を有するものである旨主張しているが、本件において問題となるのは,この語句に接した取引者、需要者が、これを自他商品の識別標識として認識するのか、それとも、これを安全な運転を祈願したり呼び掛けたりするための表示の類として認識し理解するのかということである。このことは、この語句が「お守り,破魔矢,神符,護符,紙製のお札,板製のお札,おみくじ」等について使用されているか否かのみによって決せられるものではない。本願商標は、実際の使用例の有無を検討するまでもなく前記のとおり自他商品の識別標識としては認識し得ないこと明らかであるから、請求人の主張は採用することができない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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