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Trademark Appeal Case

称呼の冗長性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−18375(T2004−18375/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ノーブルフロリエンタル」の片仮名文字を標準文字で表してなり、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、平成15年6月5日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶の理由に引用した登録第4418658号商標(以下「引用商標」という。)は、「ノーブル」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成11年8月27日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布」を指定商品として、平成12年9月22日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

(1) 本願商標は、前記1のとおり、「ノーブルフロリエンタル」の文字よりなるところ、これが全体として特定の語義を有する成語を表したものとはみられないばかりでなく、構成中の「フロリエンタル」の文字は、後掲に示す如きに使用され「オリエンタル調の花香を加えて、フローラルな調子を高めた香り」程の香りを意味する語として理解されるとみて差し支えないものいうことができる。また、「ノーブル」の文字は、「高貴なさま,気品のあるさま」(広辞苑第五版)の意味を有する語として知られているといえるものである。

そうとすれば、本願商標をその指定商品中、特に香りを重視する商品(せっけん類,化粧品,香料類)に使用した場合、これに接する取引者・需要者は、構成中の「フロリエンタル」の文字部分については、単に商品の品質(香り)を表示したものと理解し、「ノーブル」の文字部分を自他商品の識別機能を果たす要部であると認識することは十分にあり得るというべきであるから、当該「ノーブル」の文字部分をもって商取引に当たることも決して少なくないものといわなければならない。

(2) この点について請求人は、本願商標全体では「高貴なフロリエンタル」という明確な観念が生じること、さらに、本願商標の態様は同一書体、同一の大きさで横一連不可分に表示され、「ノーブルフロリエンタル」と一連にスムーズに称呼できることから、敢えて「ノーブル」と「フロリエンタル」とを分断して称呼する必然性はない旨主張する。

しかしながら、本願商標全体から生じる「ノーブルフロリエンタル」の称呼は、11音と比較的冗長なものであって、しかも、本願商標を構成する「ノーブル」と「フロリエンタル」の文字が、それぞれ、上述のとおりに理解、認識されるものであることからすれば、取引者・需要者が、本願商標のうち、後半の「フロリエンタル」の文字部分は香りの種類、すなわち品質表示語であると理解し、前半の「ノーブル」の文字部分をもって簡略に称呼、観念することは十分あり得ることといわなければならず、これらの事情を越えて本願商標全体から「高貴なフロリエンタル」の観念のみを生じ、かつ、「ノーブルフロリエンタル」の一連の称呼のみが生じるとみるのは困難であり、常にそれらをもって商取引に資されるということはできない。

そうすると、請求人の主張をして、本願商標の構成文字「ノーブル」と「フロリエンタル」とを常に一体不可分のものとして把握しなければならない特段の事由とも認め難く、かかる請求人の主張は採用できない。

(3) したがって、本願商標は、独立して要部となり得る「ノーブル」の文字部分に相応して、「ノーブル」の称呼及び「高貴なさま,気品のあるさま」の観念をも生ずるものと認められる。

(4) 一方、引用商標は、「ノーブル」の文字よりなるから、その構成文字に相応して、「ノーブル」の称呼及び「高貴なさま,気品のあるさま」の観念を生ずるものであって、本願商標の要部と対比すると、外観、称呼及び観念において同一であるということができる。

(5) そうすると、本願商標の指定商品中、特に香りを重視する商品(せっけん類,化粧品,香料類)との関係においては、本願商標と引用商標とは、互いに類似する商標というべきであり、かつ、その指定商品も同一又は類似のものと認められる。

(6) なお、請求人は、前記主張とともに過去の登録例(甲第3号証ないし甲第19号証)を挙げて、本願商標も「ノーブルフロリエンタル」全体で一体不可分のものとして類否判断をすべきである旨主張するが、それらの登録例は商標の具体的構成において本願商標とは事案を異にするものであり、また、商標の類否判断は、比較する両商標について個別具体的に行えば足り、過去の登録例の判断に拘束されることなく検討されるべきものであるから、この点に関する請求人の主張も採用できない。

(7) 以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

<後 掲>

「フロリエンタル:floral+orientalの造語:オリエンタル調の花香を加えて,フローラルな調子を高めた香り.」(1995年12月1日 改訂第1版第2刷 フレグランスジャーナル社発行「香りの辞典 改訂版」102頁)、「最近ではフローラルノートの強いオリエンタル調の香りを,セミ・オリエンタル(semi-oriental)とかフロリエンタル(floriental)と呼んで区別することも多い.」(2000年5月10日 初版第1刷 株式会社朝倉書店発行「最新 香料の事典」171頁)との記載がある。

そして、化粧品等を取り扱う業界では、「フロリエンタル」の文字が、新聞記事あるいはインターネットのウェブサイトにおいて、例えば、「フローラルとオリエンタルの融合から生まれたフロリエンタルの甘さを抑え、フローラルのかれんさとオリエンタルの重厚さを包み込んだ新しいジャンルの香り。」(1993.12.22 日本工業新聞 20頁)、「最近登場した「フロリエンタル」と呼ばれる香りはバニラやトンカ(豆の一種)、ピーチなど植物性食品を原料としている。」(1993.09.15 毎日新聞東京朝刊 15頁)、「資生堂は、フランスの有名ブランド香水を調香したことで知られる調香師ジャン・ルイ・シュザックを起用した香水の新シリーズ「アンジェリーク」を11月21日から発売する。フローラル(花)系と東洋系の中間の香り「フロリエンタル」を基調にし、パッケージにはアンディ・ウォーホルの天使の絵を使う。」(1991.10.09 朝日新聞東京朝刊 8頁)というように、香りを表す語として使用されている。

さらに、「シャイマラ オードトワレ Chymara Eau De Toilette <オードトワレ> フロリエンタルな香りです。」(http://shop.the-body-shop.co.jp/ec/html/item/001/001/item239.html)、「◆香りのコメント◆香調:フローラルスウィート(フロリエンタル)花のみずみずしい香りに個性的なインドのジンジャーを加えた爽やかで魅惑的なフローラル・オリエンタル。自然な心地の爽やかで甘い香りは個性的。」(http://store.yahoo.co.jp/k-hiroba/c00093027.html)、「ブランド名 ナオミキャンベル 種類 商品番号 R1NAO3SU0302S 香りのタイプ フロリエンタル/女性用」(http://www.officeluna.com/shohin_shosai.php?shohincode=R1NAO3SU0302S&sort=&kubun=2&daibunrui=100&shobunrui=&mode=fre&kensaku=&page=1&PHPSESSID=bf1dfc37f455cd05219a396e2ec25241)、「みずみずしさを持った新しいライトなフロリエンタルです。ベルガモットとヴァイオレットリーフの爽やかなみずみずしさに、ローズ、マグノリア、フリージアのフェミニンな花々の香り、そしてビターでホットなスパイスがハーモニーを奏で、ラストはセンシュアルなアンバー、ムスクが香ります。」(http://www.rakuten.co.jp/b-cat/418934/419772/)といった用例で、香水の品質(香り)を表す語として使用されている。

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