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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2005−89019(T2005−89019/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4810821商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおり、ハイフン(−)を介して「J−soul」の欧文字と「ジェイソウル」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成15年9月18日に登録出願、第9類「電池,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,携帯電話用ストラップ,その他の電気通信機械器具,録音済みのコンパクトディスク,その他のレコード,電子計算機用マウスパッド,その他の電子応用機械器具及びその部品,スロットマシン,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,スライドフィルム用マウント,録画済みのビデオディスク・ビデオテープ・DVD・コンパクトディスクその他の録画済み記録媒体,録音済みのカセットテープ・コンパクトディスク・CD−ROM・磁気テープ・磁気シート・磁気カード・DVD・光ディスク・光磁気ディスク及びその他の記録媒体,デジタル録画済みビデオディスク・ビデオテープ・CD・MD及びDVD,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電子計算機,ウエットスーツ,浮袋,水泳用浮き板,家庭用テレビゲームおもちゃ,メトロノーム」、第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製の花瓶・水盤・針箱・宝石箱・ろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製のがま口・靴飾り・コンパクト及び財布,貴金属製喫煙用具,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計,記念カップ,記念たて,キーホルダー」、第15類「楽器,演奏補助品,音さ,調律機」、第24類「布製身の回り品,織物製テーブルナプキン,ふきん,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製いすカバー,織物製壁掛け,カーテン,シャワーカーテン,テーブル掛け,織物製トイレットシートカバー,布製ラベル,のぼり及び旗(紙製のものを除く。)」、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」、第26類「編みレース生地,刺しゅうレース生地,組みひも,テープ,房類,リボン,ボタン類,針類,メリヤス機械用編針,編み棒,裁縫箱,裁縫用へら,裁縫用指抜き,針刺し,針箱(貴金属製のものを除く。),被服用はとめ,衣服用き章(貴金属製のものを除く。),装飾用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,腕止め,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,頭飾品,つけあごひげ,つけ口ひげ,ヘアカーラー(電気式のものを除く。),靴飾り(貴金属製のものを除く。),靴はとめ,靴ひも,靴ひも代用金具,造花」の各商品及び第35類並びに第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定商品及び指定役務として、同16年10月15日に設定登録されたものである。

2 請求人の引用商標

請求人の引用する登録商標は、以下の(1)ないし(7)のとおりである。

(1)引用登録第2611944号商標は、「SOUL」の欧文字を書してなり、平成3年10月17日に登録出願、第17類「被服,布製身回品,寝具類」を指定商品として、同5年12月24日に設定登録され、その後、同17年7月27日に指定商品を第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」とする指定商品の書換登録がなされているものである。

(2)同じく、登録第2309450号の2商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和63年3月25日に登録出願、第25類「紙類、文房具類」を指定商品として、平成3年5月31日に設定登録された登録第2309450号商標の分割に係るものであり、第25類「文房具類」を指定商品とするものであったところ、同13年6月27日に指定商品を第16類「文房具類」とする指定商品の書換登録がなされたものである。

(3)同じく、登録第4392312号商標は、「SOUL」の欧文字を標準文字で書してなり、平成11年5月19日に登録出願、第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,乗馬用具」、第24類「織物,メリヤス生地,フェルト及び不織布,オイルクロス,ゴム引防水布,ビニルクロス,ラバークロス,レザークロス,ろ過布,ビリヤードクロス」及び第28類「遊戯用器具,囲碁用具,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,マージャン用具,ビリヤード用具,おもちゃ,人形,運動用具,スキーワックス,釣り具」を指定商品として、同12年6月16日に設定登録されたものである。

(4)同じく、登録第4470488号商標は、「SOUL」の欧文字を標準文字で書してなり、平成12年3月31日に登録出願、第28類「遊戯用器具,囲碁用具,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,マージャン用具,ビリヤード用具,おもちゃ,人形,愛玩動物用おもちゃ,運動用具,スキーワックス,釣り具」及び第34類「たばこ,喫煙用具(貴金属製のものを除く),マッチ」を指定商品として、同13年4月27日に設定登録されたものである。

(5)同じく、登録第4481188号商標は、「SOUL」の欧文字を標準文字で書してなり、平成12年3月31日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用漂白剤,洗濯用ふのり,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」、第5類「薬剤,歯科用材料,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,医療用腕環,人工受精用精液,乳児用粉乳,乳糖,はえ取り紙」及び第9類「理化学機械器具,測定機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,加工ガラス(建築用のものを除く),レコード,メトロノーム,スロットマシン,消防車,消防艇,自動車用シガーライター,計算尺,家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として、同13年6月8日に設定登録されたものである。

(6)同じく、登録第4518700号商標は、「SOUL」の欧文字を標準文字で書してなり、平成12年3月16日に登録出願、第25類「履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同13年11月2日に設定登録されたものである。

(7)同じく、登録第4674746号商標は、「SOUL」の文字を標準文字で書してなり、平成14年8月5日に登録出願、第9類「耳栓,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM」を指定商品として、同15年5月23日に設定登録されたものである(以下、これらの商標をまとめて「引用商標」という。)。

そして、上記引用商標の商標権は、いずれも現に権利が有効に存続しているものである。

3 請求人の主張の要点

請求人は、本件商標の指定商品中、第9類「写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,加工ガラス(建築用のものを除く。),スロットマシン,ウエットスーツ,浮袋,水泳用浮き板,家庭用テレビゲームおもちゃ,メトロノーム」、第14類「貴金属製のがま口・靴飾り・コンパクト及び財布,貴金属製喫煙用具」、第15類「楽器,演奏補助品,音さ」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,布製ラベル」、第25類「被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」及び第26類「編みレース生地,刺しゅうレース生地,組みひも,つけあごひげ,つけ口ひげ,ヘアカーラー(電気式のものを除く。)」についての登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第32号証(枝番を含む。)を提出している。

(1)本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するから、その登録は、同法第46条第1項第1号により無効にされるべきである。

(ア)本件商標は「ソウル」の称呼を生ずる。

(a)本件商標は、前記構成よりなり、上段の「J−soul」は、欧文字1文字の「J」及び欧文字の「soul」の語をハイフン「−」を介し分離して表されているため、視覚的に「J」と「soul」との結合よりなるものとして看取される。さらに、「J」のみが大文字で表され、「soul」はすべて小文字で表されているため、外観上「J」と「soul」とに容易に分離して認識される。このうち、欧文字1字の「J」の部分は、特許庁商標課編「商標審査基準(第7版)」(甲第2号証)に鑑みれば、自他商品の識別標識としての機能を果たさないとみるのが妥当であるから、本件商標の要部は「soul」の部分となる。したがって、本件商標は、「ソウル」の称呼を生ずる。

(b)従来の判決・審決例をみても、本件商標と同様に構成中にローマ文字1字を含む結合商標であって、そのローマ文字1字の部分に識別力がないと判断された例が多数存在する(甲第3号証ないし甲第7号証)。

(c)「J」(ジェイ)等のローマ文字1文字は、商品の形式、規格、及び型式等を表示する記号及び符号として本件商標の指定商品・役務と同ー又は類似の商品・役務を取り扱う業界においても普通に使用されている。

上記判決及び審決例で認められているとおり、「J」(ジェイ)等のローマ文字1文字は、商品の形式、規格、及び型式等を表示する記号及び符号として取引上随時採択されているが、本件商標の指定商品・役務と同−又は類似の商品・役務を取り扱う業界においても例外ではない。当該事実は、審決において認定されている(甲第8号証及び甲第9号証)。

また、その他一般の取引においても、本件商標の指定商品・役務と同一又は類似の商品・役務について、欧文字1字又は2字がその規格、形式、型式、品番、シリーズ名等を表示するための記号、符合として使用されている例が多数存在する。

例えば、スカート、ブラウス、ブレザー、ベスト等の「被服」に「品番J−0044」等のように「J」のローマ文字が品番を表示するための記号として使用されている(甲第10号証の1及び2)。また、靴下のカラーコード、すなわち、色及びデザインを区別するための符号として「J」等のローマ文字1字又は2字が使用されている(甲第10号証の3)。「録音済みのカセットテープ・コンパクトディスク」等に関しては、ポップスやジャズ等のコンパクトディスク(CD)に「CD−J−4」等のように品番が付されている(甲第10号証の4)。「家庭用テレビゲームおもちゃ」等を取り扱う業界においては、ゲームコントローラに「JY−21」等のように品番が付されている(甲第10号証の5)。さらに、スニーカー等の「履物」、「ウェットスーツ」及び「かばん類」等に「J」等のローマ文字1字又は2字が普通に使用されていることからも(甲第10号証の6ないし14)、本件商標の指定商品・役務と同−又は類似の商品・役務について、欧文字1字又は2字がその規格、形式、型式、品番、シリーズ名等を表示するための記号、符合として使用されていることは顕著な事実である。

なお、本件商標の指定商品・役務と必ずしも類似関係にある商品ではないが第11類及び第37類の商品を指定する商標「J−System」についてなされた審決(甲第11号証及び同第12号証)において、取引者、需要者が「J」のローマ字1字を単なる記号・符号と理解するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たすものとは認識し得ないものと判断されていることからも、「J」のローマ字1字が一般的に取引上、商品の形式、規格、及び型式等を表示する記号及び符号として広く使用されていることは疑いのない事実である。

上記のとおり、本件商標の指定商品・役務を取り扱う業界において欧文字の1文字ないし2文字が、商品の形式、規格、品番、及び型式等を表すための記号又は符合として普通に使用されていることは明白であるから、本件商標の指定商品・役務に付された本件商標に接する取引者・需要者は、構成中前半部の「J」(ジェイ)の文字部分は単に商品の規格及び品番等を表示したものと理解するに止まり、後半部の「soul」(ソウル)が自他商品の識別標識としての機能を果たす部分であると認識し、これより生ずる「ソウル」の称呼をもって取引にあたるというべきである。

(d)本件商標の「J」及び「soul」の文字を常に一体不可分のものとしなければならない格別の理由はない。

商標「Q−CEL」についての東京高裁の判決(甲第4号証)では、該商標から「セル」の称呼が生ずることについて、「Q」の文字部分が自他商品識別機能を果たさないことに加え、ハイフンで結んでなる「Q−CEL」が全体として特定の意味を有するとはいえないことを挙げている。

本件商標中、「J−soul」の部分は、欧文字の「J」及び「soul」の語が結合してなるが、「J−soul」の文字部分も全体として何ら特定の意味を有しない。

「J」の1文字及び他の語が結合してなる商標が全体として一体不可分のものとして把握されるべき特別の事情はないと認定する審決が多数なされている(甲第13号証ないし甲第16号証)。

その理由として、視覚上「J」の文字が分離して看取されること、及び、「J」の文字が商品の品番、型式、規格等を表示するための記号・符号として取引上類型的に随時採択使用されていることに加え、分離して看取される「J」の文字及び「J」以外の文字に関して、「両文字間にはそれぞれが一体となって特に親しまれた熟語を形成するような全体をもって常に一体不可分のものとして称呼・観念しなければならない格別の理由も見出し得ないこと」が挙げられている。

本件商標の「J」及び「soul」の文字も、それぞれが一体となって特に親しまれた熟語を形成するものではなく、全体をもって常に一体不可分のものとして把握しなければならないような関連性はない。したがって、本件商標に接する取引者・需要者は、分離して看取される「J」及び「soul」の文字のうち、「J」の文字部分は単に商品の規格及び品番等を表示したものと捉え、「soul」の文字部分を自他商品識別力としての機能を果たすものとして認識してこれより生ずる「ソウル」の称呼をもって取引にあたるとみるのが妥当である。

(e)なお、本件商標には下段に「ジェイソウル」と片仮名文字で表記してなるが、これは上段の「J−soul」の読みを表記したものと捉えられるにすぎず、「J」及び「soul」が視覚上分離して看取されること、そのうち「J」の文字は単に商品の規格及び品番等を表示したものとして認識されること、及び欧文字部分が全体として特定の語義を有する語ではないことから、本件商標から「ソウル」の称呼が生ずることは明らかである(登録例及び審決例、甲第17号証ないし甲第25号証参照)。

(f)上記のとおり、本件商標は、その構成態様より「J」の文字と「soul」の文字は分離して看取され、このうちローマ文字1字の「J」は審査基準によれば識別力がないとされるものである。また、「J」等のローマ文字1字は、実際に本件商標の指定商品・役務を取り扱う業界においてその形式、規格、品番及び型式等を表示する記号及び符号として普通に使用されていることから、本件商標に接する取引者・需要者は、「J」の文字部分は単なる規格及び品番等を表示する部分であるとして捉えるに止まり、「soul」の文字部分を自他商品識別機能を果たす部分として認識し、これより生ずる「ソウル」の称呼をもって取引にあたると考えるのが妥当である。そして、従来の判決及び審決例をみても、本件商標と同様の構成態様であるローマ文字1字を含む結合商標について、そのローマ文字1字以外の部分を要部と認定し、当該要部から称呼が発生すると判断された例が多数存在する。この点は、欧文字部分の読みを表記したと捉えられる片仮名文字の付記があったとしても同様であり、同様の審決が多数あることは上述のとおりである。 以上より、本件商標が「ソウル」の称呼を生ずることは疑う余地がない。(イ)本件商標は、請求人らの所有する引用商標に類似する。

引用商標からは、構成文字に従い「ソウル」の称呼が生ずる。引用商標は、いずれも本件商標の登録出願日前に登録出願及び登録されたものであり、本件商標に係る指定商品・役務中、第9類「写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,加工ガラス(建築用のものを除く。),スロットマシン,ウエットスーツ,浮袋,水泳用浮き板,家庭用テレビゲームおもちゃ,メトロノーム」、第14類「貴金属製のがま口・靴飾り・コンパクト及び財布,貴金属製喫煙用具」、第15類「楽器,演奏補助品,音さ」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,布製ラベル」、第25類「被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」及び第26類「編みレース生地,刺しゅうレース生地,組みひも,つけあごひげ,つけ口ひげ,ヘアカーラー(電気式のものを除く)」については、引用商標に係る指定商品と同ー又は類似である。

(ウ)上記のとおり、引用商標から生ずる称呼と本件商標から生ずる称呼は共に「ソウル」であるから、引用商標と本件商標は、称呼を共通にする類似商標であり、かつ、本件商標に係る指定商品・役務中、上記商品については、引用商標の指定商品と同一又は類似である。

(エ)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するから、前述した指定商品についての登録は、商標法第46条第1項第1号により無効とされるべきである。

4 被請求人の答弁

被請求人は、答弁していない。

5 当審の判断

本件商標は、別掲(1)に示したとおり、ハイフンを介して「J−soul」の欧文字と「ジェイソウル」の仮名文字とを上下二段に横書きしてなるところ、下段の仮名文字は上段の欧文字の読みを表記したものと容易に認められるものである。

そして、ハイフンを介して表された「J−soul」の欧文字部分は、第1字目の「J」のみが大文字で、第2文字以降の「soul」が小文字で表されていて、英語の一般的な表記方法(第1文字目を大文字、第2文字以降を小文字で表す方法)からみて、全体をもって一体のものと認識するのが自然であり、「soul」の文字部分のみが、ことさら強く印象に残る構成よりなるとは認め難いものである。

しかも、その構成中に、欧文字全体を一体で把握すべきことを示唆する「ジェイソウル」の片仮名文字を同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔で表記してなり、かつ、その称呼も格別冗長なものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。

そして、「現代用語の基礎知識2005」(自由国民社 2005年1月1日発行)によれば、本件商標のように、大文字で表した欧文字の1字と他の語とを結合した構成よりなる語をみると、「J」の欧文字に限ってみても「Jスカイ」「Jスルー」「Jチェス」「Jリーグ」「J−pop」の各語が掲載されており、これらの事実に照らせば、今日の一般社会においては、大文字で表した欧文字の1字と他の語とを結合した構成よりなる語が、全体をもって一体のものとして認識され、少なからず日常的に使用されている実情にあるものと推認することができる。

以上のことから、本件商標をその指定商品及び指定役務に使用した場合、取引者・需要者は、その全体をもって一体不可分のものと認識し把握されるとみるのが自然であるというべきである。

してみれば、本件商標は、その構成文字全体に相応して「ジェイソウル」の称呼のみを生ずるものといわなければならない。

これに対し、引用商標は、それぞれ前記のとおり「SOUL」の文字又は「SOUL」及び「ソウル」の各文字よりなるものであり、それぞれの構成文字に相応して「ソウル」の称呼を生ずるものである。

そうとすれば、本件商標より生ずる「ジェイソウル」の称呼と引用商標より生ずる「ソウル」の称呼とは、その構成音数において著しい差異を有するから、それぞれを一連に称呼しても、互いに相紛れるおそれはないものとみるのが相当である。

また、両商標の構成前記のとおりであるから、外観においては、区別し得る差異を有するものであるし、さらに、観念においても、本件商標は造語と認められるから引用商標とは比較すべくもないものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、外観及び観念のいずれについても相紛れるおそれのない非類似の商標といわざるを得ない。

なお、請求人は、多くの審査例、審決例及び判決例を挙げて、本件商標は引用商標と称呼上類似する旨主張する。

しかしながら、請求人の挙げた「L−ron」、「Q−CEL」、「J−WAY」、「J−SPRINT」、「J−CATTS」(甲第3号証ないし甲第7号証)の例は、いずれも欧文字のみの構成からなるものであるし、その他の事例も、必ずしも本件商標と同一の事例とはいえないのである。

したがって、本件商標からは、前記のとおり、「ジェイソウル」の称呼のみを生ずると判断するのが相当であり、請求人の挙げた審決例等とは事案を異にするものであって、これらの審決例等に基づく請求人の主張は、前記判断を左右するものではない。

さらに、請求人は、一般の取引においても、本件商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似の商品及び役務について、欧文字1字又は2字がその規格、形式、型式、品番、シリーズ名等を表示するための記号、符合として使用されている例が多数存在するとして、その使用例を挙げている。

しかしながら、これらの使用例は、本件商標の構成に照らし、必ずしもその判断の基準とするに適切なものとはいえないから、この点に関する請求人の主張も採用できない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項の規定に基づき、その登録を無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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