結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2005−31532(T2005−31532/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2430761号商標(以下「本件商標」という。)は、「宝」の文字を書してなり、昭和50年2月17日に登録出願された商願50−18289号に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、昭和58年11月11日に登録出願、第32類「加工食料品、その他本類に属する商品、但し、加工穀物を除く」を指定商品として、平成4年6月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、「本件商標の指定商品中の『カレー・シチュー又はスープのもと』についての登録を取り消す。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べた。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品について、継続して過去3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品中「カレー・シチュー又はスープのもと」について使用された事実がないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
(ア)被請求人は、通常使用権者である宝酒造株式会社(以下「宝酒造」という。)が「コーンポタージュスープのもと」について、本件商標を継続して3年以上日本国内において使用している旨主張し、登録商標の使用説明書に添付された写真(以下「乙第1号証」という。)、及び平成17年4月15日付け・平成17年5月13日付け・平成17年6月15日付けの各受領書(以下順に、「乙第2号証」、「乙第3号証」、「乙第4号証」という。)を提出する。
しかしながら、乙第1号証は、隣に写っているみりん入りの缶に真新しいラベルを4側面にセロファンテープで貼り付けたものであり、スープのもととしての使用の事実を証明する証拠としては限りなく疑わしい証拠である。まるで、隣に写っているみりん缶を引用したのではないかと思われるのは、そこには70025というような箱が積み上げられており、それを代用すれば、乙第1号証は、容易に作成でき、取引伝票もそれに合わせれば容易に作成できるものである。ここで、缶の蓋部分は、「封鍼」、「謹製」等というみりん缶と思われるような記載がある。通常、このような18リットル缶では、この缶蓋に内容物を表示させる等の重要な部分であるから、証拠として、缶蓋の提出を希望する。
また、乙第2号証ないし乙第4号証も何故に写ししか提出しないのか理解できず、本物の提出を希望する。
(イ)以上のように、乙第1号証ないし乙第4号証は、不使用取消しを免れるための極めて名目的(形式的)な使用と認定されても致し方ないものであり、使用の事実を証明する客観的な証拠として疑わしいと考えるので、第三者の証明等を含む証拠を更に求めるか、別の客観的な証拠の提出を希望する次第である。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、登録商標の使用説明書(乙第1号証ないし乙第4号証を添付)を提出した。
(1)使用の事実
本件商標は、継続して3年以上日本国内において通常使用権者である京都市伏見区竹中町609番地所在の宝酒造により、請求に係る指定商品中の「コーンポタージュスープのもと」について使用されている。その事実を「登録商標の使用説明書」により立証する。
(ア)登録商標の使用に係る商品の写真(乙第1号証)
乙第1号証に示す商品は、「加工業務用コーンポタージュスープのもと」(18リットル缶入り)であり、その側面には、本件商標と「タカラ」の称呼及び「宝」の観念を一にする社会通念上同一の商標が表されており、本件商標がその指定商品中「コーンポタージュスープのもと」について使用されている。
(イ)前記商品の販売の事実を証する取引伝票(乙第2号証ないし乙第4号証)
乙第2号証ないし乙第4号証は、本件商標の使用に係る商品「TaKaRa加工業務用コーンポタージュスープのもと」(商品コード:14474)18リットル缶入り各10缶が、宝酒造の東日本ロジスティクセンター(千葉県松戸市新作字高田26−1所在)を介して、宝酒造より東京都中央区日本橋2丁目15一10所在の株式会社トータルマネジメントビジネスの経営に係る「アンソロジー」店に販売され、受領されたことを証するものである。
そして、本件商標の使用に係る「コーンポタージュスープのもと」が本件請求に係る指定商品「カレー・シチュー又はスープのもと」に含まれることは明らかである。
以上のとおり、本件商標は、継続して3年以上日本国内において、通常使用権者により、本件請求に係る指定商品中の「コーンポタージュスープのもと」について使用されていたものである。
したがって、本件商標の指定商品中の「カレー・シチュー又はスープのもと」についての登録は、取り消されるべきではない。
(2)弁駁に対する答弁
前記(1)のとおり、本件商標を写真に示すとおりの商品、すなわち本件商標の指定商品中「加工業務用コーンポタージュスープのもと」について、平成17年4月15日、平成17年5月13日及び平成17年6月15日付け伝票に示すとおり販売して使用したものである。また、弁駁は畢竟独自の見解の域を出ないものである。
(1)請求人は、宝酒造が本件商標の通常使用権者であること、使用に係る商標(以下「使用商標」という。)が本件商標と社会通念上同一と認められる商標であること、使用に係る商品「加工業務用コーンポタージュスープのもと」が請求に係る指定商品「カレー・シチュー又はスープのもと」に含まれる商品であることについては、争うことを明らかにしていない。
(2)そこで、通常使用権者が使用商標を本件審判の請求の登録(平成18年1月18日)前3年以内に日本国内で使用していたか否かについて検討するに、乙第1号証ないし乙第4号証によれば、以下の事実が認められる。
(ア)乙第1号証は、商品の包装用缶の写真と認められるところ、該缶の側面に貼付されたラベルには、「14474」の文字、「18l」(注「l」はリットル記号を示す。)の文字、「寶」の文字及び該文字を囲む円状輪郭、「TaKaRa」の文字、「加工業務用/コーンポタージュスープのもと」の文字、「宝酒造株式会社 E 京都市伏見区竹中町609番地」の文字などが記載されていること。
(イ)乙第2号証ないし乙第4号証は、平成17年4月15日付け、平成17年5月13日付け及び平成17年6月15日付けの受領書であるところ、これらの受領書には、「送納先」欄に「店名:アンソロジー」、「住所:東京都中央区日本橋2丁目15一10」と、「帳合先名」欄に「(株)トータルマネジメントビジネス」と記載され、また、納品者と認められる右欄に「宝酒造株式会社 宛/東日本ロジスティクセンター/千葉県松戸市新作字高田26−1」と、さらに、「品名分類コード」欄に「14474」、「品名」欄に「TaKaRa加工業務用コーンポタージュスープのもと」、「容量」欄に「18」及び「個数」欄に「10」と記載されていること。また、右下には、「お手数ですが宝酒造まで、ご返送下さいますようお願いいたします。」、「Wine&Dining/ANTHOLOGY」及び受領欄に「星野」の文字が押印されていること。
(3)前記(2)で認定した事実によれば、通常使用権者である宝酒造は、その業務に係る商品「加工業務用コーンポタージュスープのもと」(品番:14474)について、「寶」及び「TaKaRa」の文字を表示し、該商品を少なくとも平成17年4月15日、平成17年5月13日及び平成17年6月15日に東京都中央区日本橋2丁目15一10所在の「アンソロジー」に引き渡したことが推認できる。
そして、本件商標は「宝」の文字からなるものであるところ、本件商標と「タカラ」の称呼及び「宝」の観念を同じくする標章「TaKaRa」が付されており、使用商標は、本件商標と社会通念上同一のものと認め得るものである。
そうすると、本件商標の通常使用権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品中の「加工業務用コーンポタージュスープのもと」について、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を使用していたということができる。
(4)請求人の主張について
請求人は、乙第1号証ないし乙第4号証に関し、いずれも容易に作成でき、使用の事実を証明する証拠としては疑わしく、不使用取消しを免れるための形式的な使用であるから、別途、客観的な証拠の提出を希望する旨主張する。
しかし、乙第1号証ないし乙第4号証が通常の商取引からみて、格別不自然なものとはいえないのみならず、請求人の「みりん入りの缶に真新しいラベルをセロファンテープで貼り付けた一種類の写真と取引書類が挙げられているにすぎない」とか、「隣に写っているみりん入りの缶に真新しいラベルを4側面にセロファンテープで貼り付けたものであり、スープのもととしての使用の事実を証明する証拠としては限りなく疑わしい証拠である」などの主張は、いずれも憶測の域を出ないものである。
したがって、他に使用の事実に関する証拠を求めるまでもなく、本件における登録商標の使用の事実は、前記のとおり認定するのが相当であるから、上記に関する請求人の主張は採用することができない。他に前記認定を覆すに足る証拠の提出はない。
(5)むすび
以上によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が請求に係る指定商品中の「加工業務用コーンポタージュスープのもと」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したと認めることができる。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中の「カレー・シチュー又はスープのもと」について、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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