Trademark Appeal Case
CALIPERの普通名称性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2005−5705(T2005−5705/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「CALIPER」の文字を標準文字により書してなり、第9類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年3月9日に登録出願されたものである。
その後、指定商品については、同年11月22日付けの手続補正書をもって、第9類「薬剤の開発・試験・スクリーニング及び分析用・化学的スクリーニング及び分析用・生物的物質の開発・試験・スクリーニング用の理化学機械器具,薬剤の開発・試験・スクリーニング及び分析用・化学的スクリーニング及び分析用・生物的物質の開発・試験・スクリーニング・同定のための測定機械器具,薬剤の開発・試験等で使用するコンピュータソフトウェア・コンピュータ及びその周辺機器,理化学機械器具,光学機械器具,測定機械器具,電子応用機械器具及びその部品,計算尺」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『CALIPER』の文字を書したものであるところ、『caliper』の語は測定機械の一種『カリパス』を意味する語としてよく知られている。そうすると、本願商標は、測定機械との関係で『カリパス』を理解・認識させ、測定機械の一種『カリパス』を普通に用いられる方法で表示したものと認められる。また、『caliper』と『calipers』とは、パス、キャリパー、キャリパス、カリパスなどと呼ばれ、外形、内径、厚みなどを測定するコンパス形の測定器として知られている。そうすると、本願商標は、『CALIPER』の文字を書したものであるから、その構成文字より外形、内径、厚みなどを測定するコンパス形の測定器(caliper)を容易に認識させるものと認められる。したがって、本願商標は、指定商品中『カリパス』に使用するときには、外形、内径、厚みなどを測定するコンパス形の測定器(caliper)の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認められ、商標法第3条第1項第1号に該当する。また、本願商標をカリパス以外の測定機械器具に使用するときには、その商品があたかもカリパスであるかのように、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、前記のとおり「CALIPER」の欧文字よりなるものである。
そして、該文字についてみると、例えば、「研究社新英和大辞典」(株式会社研究社2002年3月発行)の「caliper」の項をみると、「カリパス,パス,測径両脚器」との記載、「ランダムハウス英和大辞典」(株式会社小学館1999年1月10日発行)の「caliper」の項をみると、「〔通例〜s〕カリパス,パス:部品などの厚さや内径,外径を測る2脚から成る工作用具」との記載、また、「マグローヒル科学技術用語大辞典改訂第3版」(2000年3月15日発行)の「カリパー caliper」の項をみると、矢印で「パス」の記載、及び「パス caliper」の項には、「〔設計〕開きを調整できる二つの脚またはあごのついた測定器.寸法や厚みまたは直径を測るのに用いる.」との記載、さらに、「広辞苑第五版」(1998年11月11日発行)の「カリパス【callipers】」の項をみると、矢印で「キャリパス」の記載、及び「キャリパス【callipers】」の項をみると、「測定用補助器具。コンパス型の双脚を開閉して、工作物の寸法を測るのに用いるもの。外径・厚さ・幅などを測るものを外パス、内径を測るものを内パスという。パス。」との記載がある。
また、「商品・サービス国際分類表[第8版]」(特許庁商標課編)において、「caliper」の複数形の英語表記「Calipers」が「カリパス」を意味する商品名として例示されている。
さらに、インターネットのホームページ及び新聞記事情報からも、以下のような記載が認められる。
ア インターネットホームページ
(ア)[http://www.konan.com/hp2001/rheincatalog/pdf/046.pdf]
「
カリパス
、RK、AK、LRI及び角膜マーカー」の表題のもと、「
カリパス
」の欄に商品写真の掲載。
(イ)滋賀県職業能力開発協会のホームページ[http://www.shiga-nokaikyo.or.jp/gaiyou_top.html]
「【職業能力開発協会とは】」の項目の中に、「職業能力開発協会の章は、職業訓練(Vocational Training)のVと、直角測定具のスケア(Square)の図形で職業訓練を、また、
キャリパス(Callipers)
で製品の外郭を測定検査している図形で技能検定を表象したものです。」の記載。
イ 新聞記事情報
2000.11.20 日刊工業新聞 8頁
「仏フォガルナノテク、金属薄板厚さ連続測定装置を開発」の見出しのもと、「(前略)厚さ測定は
キャリパス
のアームに取り付けた2個の高精度静電容量センサーをそれぞれ被測定物の上側と下側になるようにするだけ。(中略)
キャリパス
後部にある電子制御ボックスが2個のセンサーを管理。デジタルユニットがアナログ信号の入力を受けて処理し、測定結果を表示する。(後略)」の記事。
(2)上記(1)を総合して考察すれば、本願の指定商品と密接な関係を有する測定機械器具の分野において、「caliper」及び「calipers」の語は、開きを調整できる二つの脚またはあごのついた測定器である「カリパス」を示すものとして、取引者の間では十分に認識されているものと認められる。
そうすると、「CALIPER」の文字よりなる本願商標をその指定商品中、「カリパス」に使用するときは、商品の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、「カリパス」以外の測定機械器具に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるといわなければならない。
(3)請求人(出願人)は、測定機械の「カリパス」の英語表記は「calipers」であって、「caliper」ではない旨述べているが、単数形と複数形にかかわらず、その意味は同じであるから、「caliper」が普通名称であることを否定することはできない。
さらに、請求人は、過去の登録例を示しているが、請求人の挙げた登録例における登録商標の指定商品中には「測定機械器具」が含まれていないことは明らかであり、登録出願に係る商標が識別力を有するか否かの判断基準は、当該商標の指定商品に基づいて、個別具体的になされるべきものであって、本願商標は、その指定商品との関係からみれば、前記認定のとおり判断するのが相当であるから、上記登録例をもって、前記認定が左右されるものではない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第1号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、これを取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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