Trademark Appeal Case
「国際ボランティア指導員」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2005−10203(T2005−10203/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は,「国際ボランティア指導員」の文字を横書きしてなり,第41類「教育」を指定して,平成16年4月23日に登録出願,その後,指定役務については,当審における同18年7月26日付けの手続補正書をもって,第41類「国際ボランティア指導に関する実務を学ぶ者に対する資格の認定・資格の付与」に補正されたものである。
2 原査定における拒絶の理由
原査定は,(1)ないし(2)のとおり認定,判断して,本願を拒絶したものである。
(1)本願の指定役務「教育」は,商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しない。
(2)本願商標は,「国際ボランティア指導員」の文字を書してなるものであるから,これを本願の指定役務中「国際ボランティア指導員の育成のための教育」に使用しても,単に役務の質について表示するにすぎないものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記役務以外の役務に使用するときは,役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから,商標法第4条第1項第16号に該当する。
3 当審の判断
(1)本願商標は,その指定役務について前記1のとおり補正された結果,役務の内容が明確で,かつ,役務の区分に従ったものとなり,商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しないとの拒絶の理由は,解消した。また,本願の指定役務が限定された結果,本願商標が,商標法第4条第1項第16号に該当するとの拒絶の理由も解消した。
(2)本願商標は,「国際ボランティア指導員」の文字よりなるものであるところ,構成中の「国際」の文字部分が「諸国家・諸国民に関係すること。」の意味を,「ボランティア」の文字部分が「奉仕者。自ら進んで社会事業などに進んで参加する人」の意味を,「指導」の文字部分が「目的に向かって教え導く」の意味を,「員」の文字部分が「一定の任を持つ人。団体の構成メンバー」の意味を有するものとしていずれも親しまれた語であり(以上,株式会社岩波書店「広辞苑」第5版参照。),「国際ボランティア指導員」の全体の文字からは,「国際的なボランティア活動の指導員」といった意味合いをごく自然に理解させるものである。
そして,「自ら進んで社会事業などに無償で参加するボランティアの指導員」といった意味合いを表すため,「ボランティア指導員」の文字が広く一般に用いられ,また,「ボランティア指導員」を養成するための講座があることは,例えば,以下の新聞記事情報(株式会社ジー・サーチの提供に係る「G−Search新聞記事情報データベース」)からも十分に裏付けられるところである。
ア 2005年3月13日 読売新聞 東京朝刊 36頁
「小型ヨット指導員の養成講座 受講者募集」の見出しの下,「江の島ヨットクラブの下部組織で、社会貢献活動を行うセイラビリティ江の島は、普及のため、障害者や子供の乗船を助けるボランティア指導員の養成講座を昨年から始めており、これまでに64人が受講した。」との記載がある。
イ 2003年9月25日 朝日新聞西部地方版/長崎 30頁
「<講座・講演>●赤十字救急法指導員養成講習会 10月24〜26日、11月1、2日(全5日)、長崎市魚の町の日赤県支部2階。救急法普及の先頭に立つボランティア指導員を養成。20歳以上で赤十字救急法指導員認定証を有する人が対象。20人。申込書で10月3日までに申し込む(先着順)。事前研修を10月10日に開催。」との記載がある。
ウ 1999年1月5日 朝日新聞 大阪朝刊 14頁
「環境守る橋渡し ボランティア指導員、養成講座が人気【大阪】」の見出しの下,「大阪の自然保護団体が主宰するボランティアの環境保護指導員養成講座が、毎年定員超過の人気だ。自然に親しみながら、地域や社会とかかわりが持てる生涯学習の一つとして、会社の定年退職者や主婦らの応募が多い。」との記載がある。
さらに,近時,ボランティア活動は,国際的なものが多数存在しており,国際的なボランティア活動に参加する者のための養成講座も多数あることは,例えば,以下の新聞記事情報(株式会社ジー・サーチの提供に係る「G−Search新聞記事情報データベース」)から十分に裏付けられるところである。
エ 2003年10月9日 毎日新聞 地方版/岡山 23頁
「31日から『国際協力専門要員養成講座』 受講者を募集−−県」の見出しの下,「県は公設国際貢献大学校(哲多町田渕)と連携して31日から11月3日までの3泊4日の日程で同校などで開講する『国際協力専門要員養成講座』の受講者を募集している。NGO(非政府組織)や国際ボランティア活動に関心のある人が対象で、国連機関やNGOでプロジェクトの企画、管理などを行う人材の育成が目的。」との記載がある。
オ 2002年8月22日 毎日新聞 東京朝刊 29頁
「医療通訳ボランティア 養成講座の参加者募集」の見出しの下,「国際ボランティアセンター山形は、九月二十六日と十月二日に、三川町の庄内総合支庁で開く『医療通訳ボランティア』の養成講座の参加者を募集している。
同ボランティアは外国出身者が、医療機関で不自由なく治療を受けるのを助けるもので、養成講座は一九九四年から県内四地区で毎年行われている。受講すると同センターに通訳ボランティアとして登録される。」との記載がある。
カ 2002年2月18日 毎日新聞 地方/山口 17頁
「国際ボランティア養成講座 70人が聴講−−下関」の見出しの下,「国際ボランティア養成講座(県国際交流協会主催)が17日、下関市豊前田町の海峡メッセ下関で開かれ、約70人が参加した。」との記載がある。
キ 2003年3月11日 日本経済新聞 地方経済面(群馬)43頁
「献血キャンペーン、国際ボランティア養成講座、他(インフォメーション)」として,「◇国際ボランティア養成講座 群馬大学は13日と14日、国際ボランティア育成のための講座を催す。日本青年奉仕協会の斎藤信夫事務局長や大泉町に詳しいジャーナリストを講師にむかえる。受講料は無料。」との記載がある。
ク 2002年10月22日 読売新聞 大阪朝刊 24頁
「国際ボランティア養成講座 実践への橋渡しも 2月4日から全5回」の見出しの下,「アジアボランティアセンター(AVC)は、国際ボランティア養成講座を2月4日から大阪市北区茶屋町の同センターで開く。毎回木曜夜、全5回。
国際ボランティアに参加する意思を持つ人が対象。心構えや活動の実際について学ぶ。」との記載がある。
以上を総合的に見れば,「国際ボランティア指導員」の文字よりなる本願商標を指定役務「国際ボランティア指導に関する実務を学ぶ者に対する資格の認定・資格の付与」に使用するときは,これに接する取引者・需要者は,「国際的なボランティア活動に参加するボランティア指導員に対する資格の認定・資格の付与」という役務の質(内容)を表わしたものと理解するにとどまり,それをもって自他役務の識別標識とは,認識し得ないものといわなければならない。
(3)したがって,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,妥当なものであって,取り消すことができない。
よって,結論のとおり審決する。
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